[1-1] 不動産投資のメリット

2013/11/07更新

なぜ日本の不動産なのか? 不動産投資のメリット&デメリット

投資商品として不動産を考えたとき、ほかの金融商品にはない次のような特徴があります。ここでは、不動産投資のメリットについて説明します。

横浜みなとみらいのマンション群。とても高密度に建てられています。
横浜みなとみらいのマンション群。とても高密度に建てられています。

ハイレバレッジによる高い自己資金利回り

 属性の良い人(本業が高収入の人や資産家、銀行からの借入実績がある人など)は、通常自己資金1~3割(レバレッジ3~10倍)で投資が可能です。例えば借入金利2%×ローン期間27年×NOI利回り7%×自己資金10% の場合、自己資金から見た利回り(≒IRR)は、28%の所得税等を差し引いた後で、税引後利回り20%を超えます。証券のアクティブ運用者から見ても、この利回りを安定してたたき出すのは不可能です。

→多額の借入をすることによるリスクは[7-9] 金利上昇の問題。対策は[7-A] 金利上昇リスクをヘッジ
→IRRの詳しい説明は[2-4] IRRを収益指標に使う

ロスカットされない

 これは証券と比べたときの大きなアドバンテージです。万が一、物件価格が暴落したとしても、ローンの早期返済を迫られたり、ロスカットされることはありません。テナントが入っていて賃料が入ってくる限りはその投資は守られるのです。不動産価格が低迷しているときも高利回りの賃料収入は継続します。これは、個人投資家だけに認められた特権ですので、大いに活用していきましょう。

  というのも、不動産ファンドの場合は、融資にコベナンツ条項というのが付いていて、 通常年1回行う物件の鑑定評価の結果、価格が下落してバランスシート上の負債割合が増えた場合、ローンの返済を迫られることになります。ちなみに、サブプライム問題直後にJ-REITの資金繰り問題が取り沙汰された中には、物件価格下落によるコベナンツ条項抵触という問題によるものが多数ありました。

 「ハイレバレッジ」と「ロスカットされない」は次に述べる3つに比べても段違いに重要な要素です。この2つが不動産投資をする理由と言っても過言ではないでしょう。

高利回り

一般的な物件でもNOI利回りで6-7%は確保できます。それを借入して購入することにより、対自己資金において、高い利回りを得ることができます。さらに借入金利が安いので、通常は賃料収入でローンが返済できます個人的には好きな言葉ではありませんが、これが、「テナントがローンを払ってくれる」と言われる理由です。

 現在は、借入さえできれば、(前述の通りロスカットがないので)いくらでも大きくできてしまうという状況です。 年収700万円のサラリーマンが2億円を借り入れて大家業をやっているという話もめずらしくありません(これはさすがに近々規制されると思います)

 日本人が名前を知っているような海外の大都市では、ここまで金利と賃料収入の差が大きく(イールドギャップが大きいと言いますが)賃料収入を投資の目的にできる都市は非常に少ないと思います。

 さらに、景気というのは循環するもの(=シクリカルという経済学説が一般的) ですから、安定した利回りに加えて、景気回復期にはキャピタルゲインが狙え高い収益率を実現することができるのです。つまりは、安定配当商品という側面を持ちながらもインフレ対応資産であるということなのです。

借入信用力

一つでも現金で買った(抵当が付いていない)物件があれば、銀行からの評価が全く変わってきます。それは自宅でも構いません。日本の銀行は、株や債券などの価値や収益は、一時的なものと見なして信用余力を認めません。また、担保価値も認めません。しかし、不動産を担保に供することは大歓迎なのです。

 これを逆手にとって、不動産を担保にまた別の不動産を購入することを何度も繰り返すことも不可能ではありませんこれがいかに危険かはバブルの時に高い授業料を払って勉強したはずなのですが、日本では未だに不動産信奉が強いのです

 不動産信奉のわかりやすい例は、例えば「10億円の株取引をしている」と言ったら、何か怪しいと思う人が多いと思いますが、一方「10億円のビルを持っている」と言えば、「資産家ですね。すごいですね」と言う人が多いでしょう。時価が同じであれば、株式の方が流動性も高く、金銭に近い価値があるにもかかわらずです。(なお、外資系プライベートバンクでは私と同じく流動性の高い株式の方が担保価値があるという見方をします)。

→詳しくは[7-1] 不動産融資の重要性より先をご覧ください。

相続税対策

 証券のキャピタルゲイン課税10%、配当課税10%(2014年より約20%へ)は確かに不動産よりも有利ですが、相続対策として不動産を使うと、証券よりも大幅に低い財産評価額とすることが可能であり、実勢価格が財産評価よりも高く、流動性が高い物件を狙えば、不動産は有効な相続対策となり得ます

 なぜなら、基本的に、株や債券などの証券は時価を基準に相続時の財産価格を査定するのに対して、不動産は特殊なディスカウント率や数々の税制特例を適用した後の、時価よりも大幅に安い評価額を相続時の財産評価額とすることができ、借入は時価で評価するためです例えば、1億のローンで1億の物件を買えば、相続税評価上は債務超過となります。

→詳しくは[11-2] 相続税対策と減税措置

不動産投資1年目の教科書
このページが書籍になりました!
不動産投資1年目の教科書

これから始める人が必ず知りたい80の疑問と答え

玉川陽介 著


不動産投資を始める前の方から不動産投資上級者まで。全ての不動産投資家に向けた「教科書」が完成しました。悩みがち・見落としがちな項目にすべて回答いたします!おかげさまで8刷35,000部を突破!(うち電子5,000)

このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事についてのお問合わせ

玉川陽介
不動産投資
メールマガジン
メルマガ購読・解除