[3-1] IRR収益力を高める方法1[購入時編]

では、IRRを高めるにはどうしたら良いのでしょうか。これは説明は簡単ですが、実際に行うのは難しいことです。順に説明していきましょう。

安く物件を買う

 価格決定要因で一番重要なのはマクロ経済動向です。株と同じで、すでにバブル化している相場に飛び込んでいったのでは、どうがんばっても売却時に利益は出ません。一般的に、不動産市況は証券市場から半年程度の遅効性があると言われており、それは体感的に間違っていません。そのため、よくよく経済の流れを観察し続けていれば、株よりは不動産相場の動向は掴みやすいと思います。

 直近で一番の買い時は、やはり2008年、サブプライム問題の先行きが不透明だった時期です。最近(2010年10月)は底打ち感が強くなってきており、株価は低調でも不動産市況がこれ以上下がる気配はありません。

安く買う王道パターン

キャッシュ客限定の物件
(ローン不可物件、売り主が急いでいるなど)

任意売却など売らざるを得ない事情がある物件

相続での放出物件
(売り主が相場を分かっていないため、悪い業者や銀行が安めに査定して市場に出すことがある)


レインズに新規物件が登録された瞬間に問い合わせ
(相場より安く出して即完売というのが希にあり)

しかし、このような情報はかなり広くアンテナを張っていないと入ってきません。

解決可能な問題を抱えた物件を狙う

 そのため、目線としては、「解決の見込みのある問題を抱えた物件」がお勧めです。

・家賃未払い

・室内がとても汚い

・雨漏りがする


・あやしいテナントが入居している


・テナントとの契約書がない


・売り主が信用できない人 

などは、購入後に解決できますが、嫌がられるため安く買える可能性があります。

解決できない問題を抱えた物件は、売るときに苦労

 逆に出口を見据えてから購入しなければならないのは、「解決の見込みのない問題を抱えた物件」です。安価ですが、売るときに苦労します。具体的には、

・土地権利が借地権

・法令上の理由で再建築ができない(再建築不可)

・権利関係が複雑(所有者が誰か分からない)


連棟式(隣の物件と壁がつながっていて切り離せないので再建築不可)


・建蔽率容積率オーバーなどの違法建築 等

 これらに対しては融資が出ないことが多いので、売却時も現金で購入する人限定となり、買い手が少ない=価格を下げないと売れない。すなわち買い叩かれるパターンの典型となりがちです。なお、建物の耐用年数が過ぎているという築古の物件にも融資は出にくいので、売却時に苦労する可能性があります。

 ただし、築古程度の問題であれば、黒字の会社経営を本業にしている中小企業の社長などは会社の信用で借入を起こすこともできるので、何かしら他に魅力があれば、築古が必ずしも悪いわけではありません。

・駅から遠い

・ファミリータイプなのにメゾネットなど間取りが特殊

・宗教施設や火葬場が近い


・窓から墓地が見える

 などの物件も融資は受けられますが、嫌がられるので、気に入る人が少ない=価格が安くなります。

投資用不動産に絶対的に悪い物件はない

 投資用不動産には絶対的に「悪い物件」「良い物件」というのは存在しません。

 環境の悪い場所や築古の物件でも、それ以上に価格が安ければ良い物件です。自分が住むわけではありませんので、郊外や駅から遠い物件もチェックしましょう。(写真と説明は直接関係ありません。) 都内の一等地でも、高すぎる価格で買ってしまえば、低い賃料利回りと売却損に苦しむことになります。

仲介業者と仲良くしよう

 私の経験則ですが、誰が買っても負けない、いわゆる良い物件は2-3ヶ月に1度ほどしか出てきません。それを必死に探し続けることが勝利の秘訣なのです が、副業でやる場合はそこまで必死に探し続けることができないので売買仲介会社というのが存在します。業者も予算の都合上、良い物件が出ても必ず買うわけ ではありません。そのような優良物件が一般顧客に回ってくる可能性は十分あります。業者と仲良くなって、良い物件を優先的に紹介してもらうルートを確立するのが現実的です。

2千万円くらいの新築ワンルームマンションは投資に不向き

  ほかに、投資としてお勧めしにくいのは、中小のマンションデベロッパーが売っている2千万円くらいの新築ワンルーム。よく職場に迷惑な営業電話をかけてく るアレです。新築と言うだけでも利回りは低いのですが、さらにこの手の物件は、ひどいときは客付報奨金が6%~10%程度出ることもあり、流通経費がかかりすぎて購入者から見たうまみはありません。逆に言えば、それだけ販売報奨金が高いので、無差別テレアポのような非効率な営業方法がペイするのです。


2013/11/07更新