[2-4] IRRを収益指標に使う

2013/11/07更新

IRRを収益指標に使う

 まとめると、個人投資家の考える利益は、税制特例やライフプランに大きく影響されるため、人により様々である。一方、ファンドなど他人の資金を預かって運用している人たちは、運用の成果を計るためにベンチマークとなる収益指標を持っている。ということなのです。

 さて私はといえば、基本的な考え方として、投資対象を不動産だけに限らない、という重要な指針がありますので、債券など他の金融商品との優位性を比較して有利な投資対象を選ぶ必要があります。その際に有効な収益指標が前述のファンドでも使われているIRRという指標なのです。

IRRという指標を使った場合、NOI利回りや表面利回りというような指標を使うのに比べて次のようなメリットがあります。

□買ってから売るまでの全期間の利回りを評価できる。

□他の金融商品と不動産のどちらが優位かを税引後の純利回りで定量評価することができる。

□借入期間と借入金利が収益にどの程度影響を与えているかを計測することができる。

※IRRの厳密な定義は個人のページですがこちらが参考になります。

 つまりは、手元の資金が全期間中でどの程度のパフォーマンスを出しているのかを定量的に計測できる便利な指標なのです。それ以外にも、不動産のIRRが他の一般的な金融資産、たとえば、リスクの低い社債などと比べて極端に低い場合、不動産市況はバブル気味であることを推定できるかもしれません。

 なお、このIRRという指標は、大手も含めて街の不動産屋で言っても通じませんので、業者へ説明する際には「自己資金から見た利回り」など、易しい言葉に言い換えて説明してあげてください。

IRRを簡単に、ひとことで言ったら何なのか?

本当にひとことで言えば、IRRとは、買ってから売るまでの収益を複利定期預金に換算したら何%相当かです。たとえば、IRR=10%で5年運用するのと、10%複利の定期預金に5年入れるのでは、金融工学上は同等の投資効果が得られたことになります。(いずれも税引後の比較)

 数式は読めないけど、IRRについてもう少し詳しく知りたい!という人は、手持ち200万円から始める! 低リスク・高利回りの不動産投資の第3章「勝ち続けるための指標IRR」を読んでください。重要な部分は書かずに書籍を買わせよう、という主旨ではなく、書籍に一度書いた話のウェブ版を再度作るという、車輪の再発明が面倒であることが理由です。

【コラム:海外の不動産投資】

海外(米国・中国・中東など)では賃料利回りよりもCapital Appreciation Ratioと言ってインフレ率を物件価格がどれだけ上回るかを重視する投資家が多いです。一般的に、金利の高い海外では、自己資金1-2割のみで投資をした場合、毎月の賃料で投資ローンを返済するのは不可能もしくは、賃料=返済額で手元には賃料が残らないケースが多く、日本のように、賃料でローンが返済できるというのは、世界でもかなりめずらしいマーケットです。

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