[5-1] 東京の投資適格エリア(城南)

 城南エリアとは皇居(江戸城)の南側です。都心5区とは、千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区を指し、城南エリアとは、世田谷区、渋谷区、目黒区、大田区、品川区あたりを指します。人によって定義は違いますので、あまり厳密にどこからどこまで、という定義をすることの意味は薄いです。

 凡例  説明
 Tier 1  都心の中でも最も人気の高いエリア
 Tier 2  十分に投資に値するエリア
 Tier 3  割安であれば検討しても構わないエリア
 Tier 4  余程の事情がない限りは積極的に買うべきではないエリア

城南地区エリアマップ

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城南エリアで重要な駅と街

[成城学園前]
 小田急線随一の高級住宅街。戸建ての立ち並ぶ住宅街においては、最低敷地規模が100平米以上に制限されており、いわゆるミニ戸建てと呼ばれる、地域の低級化を招く建築物の増加を制限している。さらに、成城憲章と呼ばれる自主規制があり、高級住宅地の景観を維持するための様々なルールがある。成城学園前の隣駅の祖師ヶ谷大蔵は下町の雰囲気で成城学園前よりは格下ではあるものの、エリア的には成城学園前と一体であり需要も強く、土地の価値 も高いので祖師ヶ谷大蔵の一棟マンションなどは穴場で狙い目。

[武蔵小山]
 2010年に駅ビルが開業して、駅前 のイメージが良くなってからは、若者が集まるようになった街。アッパーファミリー層に人気。2LDKよりもゆとりのある3LDK7000-8000万円が よく売れる。パークホームズのような高級マンションの平米単価は120万円程度と港区なみ。賃貸も単身用の物件が9万円台と東横線沿線なみの価格。東急目 黒線沿線という場所、下町の雰囲気から勘案しても割安感はなく、ブームに乗って高値で物件を仕入れることは避けたい。

[恵比寿、代官山、自由が丘]
 賃料利回りよりも値上がり期待のために保有する街。街のブランドは確立しており物件の値動きは港区など都心と同じ。エリアは非常に狭く、売り物件が限られるため、景気が良くなれば一気に価格が上がる ただし、一棟マンションの利回りは低い(土地価格が高すぎる)ため、値上がりを勘案しなければ、賃貸収入だけではあまり儲からず、長期保有の純投資には向 かない。実需マンションは古くなっても資産価値を保ち続けるエリアであるため、投資兼自宅(ひとまずは自分が住んで引っ越すときは他人に貸す)などの用途には向いているエリア。

[大井町、大森、蒲田]
 電車のアクセスが良い大井町は人気がある。規模は小さいがターミナル駅。都心からは若干離れるが投資対象となる。大井町の賃料が高いと考える層が、大井町→大森→蒲田と流れる傾向もある。大森は高級住宅地である山王と同一地域であるが、山王の評判も積極的に買い向かうほど高くはなく、余程割安でない限りは安全なのは大井町まで。大森、山王、蒲田への投資は慎重な検討が必要。

[田園調布]
 バブル期に栄華を誇った住宅街だが、近年は自由が丘~渋谷の東横線エリアに人気がシフトしている感もある。非常に成熟した街で大きな値崩れは考えにくいが、再開発などで再度の注目を集めることも考えにくく、今後の期待感に乏しい。土地値が高く投資利回りが低い割には成長性に乏しく、投資対象としては面白くないエリア。利便性よりもステータスで選ぶ街であるため、賃貸も客層に合った物件を提供するには地域の研究が必要で、簡単ではない。

[渋谷]
 渋谷ヒカリエ、東急東横線と副都心線の相互直通運転が開始となり、ますます注目のエリア。かつては、渋谷ビットバレーと呼ばれITベンチャー企業が拠点を構えることも多く、実需マンションや一棟マンションよりも、事務所、店舗など商業施設への投資が検討できる街。

[武蔵小杉]
 工場跡地の再開発によるタワーマンション建設ラッシュ。いまDINKSから一番人気の街で川崎エリアでは恵比寿・代官山のような位置づけを不動のものにしている。駅直結のパークシティ武蔵小杉ザ グランドウイングタワーとエクラスタワー武蔵小杉がランドマーク的マンション。再開発は2017年頃まで続くため、今後に竣工する新築分譲マンションも検 討できる。再開発計画により地域一帯で整然とした街並みが作り込まれているため、区分の大型実需マンションがメインで一棟マンションは、そもそも物件がな い。物件価格は上昇基調のため、タワーマンションに自分が住んで将来的には賃貸に出すというプランには向いている街。ただし、今後、価格と再開発のピーク がいつなのかを考える必要がある。武蔵小杉を検討するならば再開発計画の全体像に目を通すことが必須。

【二子玉川】
  二子玉川東地区再開発事業。東急グループの二子玉川ライズ事業として、ショッピングモール、タワーマンションに生まれ変わった。共働きの世帯年収1500 万円程度が多いこのエリアでは、二子玉川ライズタワーの1億を超える価格帯の部屋はミスマッチで販売に苦戦していた。住みよい街ではあるが、都心から離れており、ブランドの確立していない中間層向けの新興住宅地であるため、投資対象としての魅力は少ない。

城南地区の路線評価

【京王線 新宿~下高井戸】
 京王線は、初台、幡ヶ谷、笹塚、明大前などで売り物件が散見されるが、新宿から近く、資産価値、賃貸付けともに強いため、物件は人気化する傾向にあり、投資利回りは高くないのが難点。

【小田急線 新宿~下北沢】
 小田急線は、下北沢までの物件ならば資産価値、賃貸付けともに完璧だが、売りに出される物件数は非常に少ない。

都心でも避けるべき真空地帯

【泉岳寺、高輪台、北品川】
 山手線の内側、かつ品川区でありながら、泉岳寺は寺社仏閣が多く、多くのマンションから墓地が見え敬 遠されてしまう。また、寺社の境内に植えられた草木から発生する虫も気になり、高級マンションの玄関にチープな虫除けがつるされていることもよくある。ま た、交通は浅草線のみ、商業施設も少ないため人気薄。高輪台にも商業施設は少なく浅草線のみであるため、品川徒歩圏にもかかわらず人気は落ちる。高輪台駅 自体がマイナーであるため、高輪台というキーワードで検索する客層は少なく、賃貸付けは苦戦エリア。北品川は御殿山と呼ばれる高級住宅街があるものの、近 隣の島津山、池田山に比べると見劣りし、山手線の内側とはいえ、あまり積極的に手がけたいエリアではない。

予算を削減してエリアを変える定石パターン

大井町 → 大森 → 蒲田 という流れもあり
自由が丘 → 大岡山 → 旗の台 という流れもあり

山手線内側の投資物件

 山手線の内側など、いわゆる本当に良いエリアの物件が売りに出される場合、売却情報は信託銀行など金融機関に先に届く。その情報を財閥系大手業者が得意 客(多くは純投資の投資家ではなく、相続対策などの資産家)に紹介して、表面利回り5-6%(2013/03現在)、5~10億という規模で取引されてい るケースが多い。そのため、山手線の内側は、一般エンドの純投資家には、なかなか紹介されない。

数値で見る!高級住宅街ランキング

 高級住宅街ランキング。 意外な結果にはなりませんでした。みんなが高級と思う街が実際に高級。

 都庁前が健闘しているのは、セントラルパークタワー・ラ・トゥール新宿の賃貸が大量に出ており平均平米単価を引き上げているため(完全な重複は排除してい ますが)一都三県で最も賃貸市場が崩壊しているのは、データ上は、JR総武本線の八街駅(千葉県)何もない田舎の駅にもかかわらず、市ヶ谷や北池袋と同水準の空き部屋数で選び放題。平米単価は1100円。様子を見に行きたくなってしまう。

数値で見る!賃料は高いのに意外に苦戦するエリア

 都心で賃料高いはずなのに、意外に苦戦する賃貸激戦区。
見事に肌感覚と一致している。

数値で見る!賃料と築年、専有面積の関係

 大宮のファミリー向け賃貸市場をプロットしてみたところ。専有面積(x)×築年(y)で高さ(z)が賃料。これを重回帰すると、自由度修正済み決定係数は0.8くらいなので、線形モデルで賃料の推定が概ね当たる感じです。


2013/11/07更新