[6-1] 契約実務手順(賃貸:契約の流れ編)

 この章、賃貸契約実務は業者側の視点で書きましたが、オーナーに対しても有益です。実務の流れ、または実際に物件を賃貸に出すときに何が行われているかを把握してみましょう。

一般的にこのような流れです。

1.顧客から問い合わせが来る
□あくまで顧客の都合が優先されるため、本日や明日に内覧したいなど、急なリクエストが多いのが特徴です。

2.元付業者に電話をかけて内覧を申し込む
□きちんとした業者の場合は内覧申込書をFAXで送付させるケースもあります。これはするべきです。電話で時間を決めると聞き間違えたり、誰から申し込みが来ていたのだか分からなくなってしまうこともありますので。

3.当日に確認の電話を掛けて「本日何時によろしくお願いいたします」と伝える

4.物件の前で待ち合わせ
□顧客は先に客付業者の店舗を訪問して、車で物件まで一緒に連れて行ってもらうこともあります。
□気の利いた業者であれば、業者は先に物件に到着して電気を付け、窓を開け、エアコンを付けるなどしてイメージアップを図ることもあります。
□若い業者は、高級物件に入ると、「豪邸ですねー」などと言いいがちですが、これは高級物件に対して無知であることを自ら宣言しているようなもので、富裕層相手の案内であればやめましょう。顧客は業者を不動産の専門家だと思っています。
□一般の物件(特別高額ではない物件)では、元付業者は立ち会わず、鍵を管理している元付業者から客付業者へ鍵を貸し出し、顧客と客付業者のみで内覧を行うことも一般的です。
鍵の管理は一般的に言って良くも悪くも寛容です。鍵 の貸し出し簿にサインをさせる業者もあれば、記帳管理の代わりに名刺を置いていくだけの業者もあります。また現場に鍵ボックスを付けて単に鍵ボックスの暗 証番号を教えるだけの元付業者もあります。法令に違反する行為ではありませんが、空き巣などの問題が起きたときに善管義務違反を問われる可能性は否めません。

5.気に入ったら客付業者の用意している申込書に連絡先、年収、勤務先などを記入してもらう

6.客付業者から申込書を元付け業者にFAX

7.元付業者は大家に入居希望者が居ることを伝え、申込書を大家に送る

8.大家→元付→客付け→顧客 と伝言になるが条件確認と交渉を行う
□賃料の交渉もこのときにしますが、業者の立場からすると、あまり大幅な値引き交渉を頻繁にすると、オーナーとの信頼関係を損なうので嫌います。また、オーナーの立場からすれば、賃料を下げることは表面利回りの低下、ひいては売却価格の低下につながりますので、賃料交渉よりも、フリーレントや礼金の調整をメインとした方が受け入れられやすく、みんなハッピーです。

9.契約書、重要事項説明書、東京都賃貸住宅紛争防止条例説明書(東京ルール)の3点を作成
書式の作成詳細については次の章で説明しています。


2013/11/07更新