[7-4] 不動産投資ローン(資産家向け)

2013/11/07更新

2014/01/13追記

最近、よく聞く、融資の出やすい金融機関は、地銀のDa、Hi、Yo、Ch、Guと信金のJo、Se、As、都銀ではReのMi支店です。
信金のSu、地銀のYaなど、不動産向け貸し付けをそもそも取り扱いしていない金融機関もあります。
スルガに代わってSBJ銀行(資産家向けではありませんが)とオリックス銀行の富裕層向け部門も要チェック。

 ここでは、最近(2010/10/10現在)私がいろいろ調べた不動産投資に対する銀行融資姿勢のまとめです。かなり内容の濃い情報が集まりました。

 銀行融資と不動産とは、密接な関係があるにも関わらず、大手も中小もどこに行っても誰も調べていません。不動産業界はいかに不動産しか見ていないか、という視野の狭さを証明しています。きちんと調べて顧客の状況に合わせた融資を紹介するアドバイザリーという仕事に需要はあるだろうなと確信しました。海外まで調べられればかなりの差別化にはなるだろうということもです。

 融資条件はWebに勝手に書くと怒られそうな話が多かったため、銀行名は匿名化しています。これ以上の情報は個別にお問い合わせください。問い合わせには面倒くさがらずに親切に対応したいと思っています。

 なお、すべてに共通の前提条件は、下記の点です。

・物件の収益または他の本業の収益で借入が返済できるという計算が成り立つこと。

・容積超過など遵法性を満たさないものは原則NG。

・かなりの築古、借地、再建築不可など、長期的な資産性が評価しにくいものは原則NG。

・物件は、基本的に完全な所有権を持つ土地付き、築浅、都内というスタンダードなものが好まれる。

・会社で借入をする場合は債務超過ではないこと。(銀行が貸倒引当金を積み立てなければならないため)

 ただし、例外もあり、低年収、資産無しでもフルローンというようなことを専門にやっている人たちもいます。詳しくは[7-6] 不動産投資ローン(フルローン)にて。

 下記では、個別具体的に各銀行の投資条件をチェックしていきます。いずれも2010/10/10現在のヒアリング結果です。半年もすれば多少状況は変わっていますので、ここの情報を元に各銀行に現在の融資姿勢を再度問い合わせましょう。

投資用ローン

【A.不動産融資では有名な銀行】 不動産投資用融資には比較的積極的で有名

 前提条件 物件所在地は一都三県、違法物件不可、法定耐用年数内(築10-15年のRCなど)、貸出金利2.5%、純資産1億円以上の顧客のみ、高収入&無資産は NG、専業大家OK、自己資金最低1割必要、区分所有への融資不可。現況空室のオフィスなどは手がけにくい。15坪以下の狭小地は手がけにくい
 物件評価手法 概要 積算+収益還元 足して2で割って平均値だが定性要因での補正がある模様
 積算評価の方法 路線価、近隣、公示、売買事例、前面道路、地形補正などを参照。建物はRC平米17万で評価、掛け目100%で計算
 収益還元の方法 想定CAPレート 7-8%として建物評価額を逆算

【B.財閥系信託】  かなりピカピカ(一等地、築浅)の物件でないとローンが出ない。

 特徴 外資PBと提携して富裕層向けの不動産ローン
 融資額 1億円以上より。小口には非積極的。
 貸出金利 うまく条件が合致すれば貸出金利は変動1.575%、固定10年2.40%と低金利
 評価 外資PBの顧客だからといってこれといって貸出条件の優遇はない模様。交渉により期限一括弁済での借り入れも可能だが、A銀行よりも担保評価が悪い。検査済証必須など発想が都銀の審査方法と同じで使い勝手が悪い。

【C.外資系プライベートバンクの不動産部】  不動産を証券と同じ手法で評価して、証券担保ローンと同じ手法で貸し出しをしている。

 特徴 申込時に鑑定評価費用が1億円の物件なら50万円程度かかる。2年に一回鑑定をし直して現在価値を計算し直す。
鑑定費用は顧客負担。掛け目は銀行独自算出の評価額に対して商業50%、レジ60%と低め。不動産の担保の中に占める割合を50%以内にすれば全額融資も可能たとえば、評価額1億円のレジ×掛け目60%=担保評価6,000万円 
それ+担保評価6,000万円の有価証券=1.2億円までなら借入可能。
 評価 貸出金利はTIBOR+100bp程度と低いが、鑑定評価費用が顧客負担、掛け目が低いなど、全体的に使い勝手は悪い。

D.不動産融資では有名な銀行
商品1/優良企業のサラリーマン向け不動産投資ローン

 対象 年収500万以上の上場企業、公務員、士業、外資系有名企業のみ。中小企業社員と自営業者は不可。
 融資額 年収1000万で1.5~2億円程度の融資
 貸出金利 新築 金利3.2 ~ 3.5%
中古 築10-15年程度まで 金利4.2 ~4.5%
 評価 事務手数料は融資額の2.1%なので実質金利はもっと高い。
1棟ものへの融資は年収700-800万円以上が目安、金利4.5%程度。
物件評価は基本的に積算で計算。
諸費用+自己資金1割は必須。フルローンは出さない。
借地NG、商業や一部店舗物件は原則NG
RCとS造が基本だが、昭和50-60年築の木造にも融資が出た実績有り。
銀行へのヒアリングではフルローンは出さないとのことでしたが、実際のところはフルローンが出ている実績がたくさんあります。

商品2/自営業者向け住宅ローン

 貸出金利 3.x%程度の金利。交際費や節税対策考慮などをして、実質の収入を割り戻して見てくれるとのこと
 貸し出し条件 返済の見込みはあっても投資業など実態のない会社には融資できない。
ストックの資産は考慮しない。フローのみを見る。
 評価 実際には儲かってはいるが決算書がきたない人向け。

商品3/外国人向けローン

 対象 大学の先生、ITと金融系、アジア系が多いとのこと。
日本での勤続3年以上(日本の源泉徴収票必須。ステップアップ転職の場合は勤続でなくても考慮する。海外本社から直接給与を得ている人は不可)
永住権は無くても良い。
親族との同居必須。
日本人と結婚していると良いが、外国人同士で同居も可能。
契約書が理解できる程度の日本語必須だがアシスタントを付けることも可能。
 貸出金利 4%程度
 評価 外国人が自らこのローンを探すのは難しいと思われるため、不動産業者が外国人をこの銀行に紹介する。仲介業の担当者が知っておくと便利なローンプログラム。

【E.不動産業界では有名な財閥系銀行(最近名前が変わった)】
サブプライム層向け。金利が高いのであまり積極的には使いたくないが、他でローンが出ない場合にはあり得る選択肢。

 特徴 投資物件の場合は、共同担保を取るのが基本。自宅にも第二抵当でも良いので共同担保付ける。
いずれも「投資用物件は収支が悪化してくると捨ててしまう人がいるため」とのこと。
違法建築でも融資可能。
 物件評価 積算か実勢価格の8割(どっちだったか忘れました)
 貸出金利 団信無し3.9%(この場合、配偶者を保証人に取る)
4.3%団信あり
 融資手数料 1.5%

【F.サブプライム層向けの銀行】
銀行とノンバンクの中間的な位置づけの銀行

 特徴 最寄り駅から10分以内の住居用物件のみ
 対象 サラリーマンの場合年収500万円以上
自営業者は会社の決算書2期分
 融資額 500万円以上2,500万円以内、頭金25%

【G.不動産担保ローン専門業者】

 特徴 担保が取れれば誰にでも貸す。ソシアル、違法物件などもOK。ただし、市街化調整区域の更地、再建築不可など収益性のないものはNG、借地は償還期限などにより。彼ら自体は4%程度で資金調達しているとのこと。
 対象 不動産業者向け融資
年率6.5%+融資手数料2.1%+繰上返済違約金一律20万円程度
返済期限は6ヶ月の期限一括弁済
イメージとしては1億借りたら 半年後に10,600万円返す
最短2日、通常1週間で融資実行可能
転売物件の仕入れとして使う場合は、自己資金15%
個人向け融資
物件担保の自由資金融資も可能。物件評価の70%まで
 評価 今週中に決済できれば安く買える。というような物件を転売目的で購入する場合に利用するなど。金利が高いのは良いとしても、短期借入の割には融資手数料、早期返済ペナルティなど固定の諸経費が高いのでそれなりの高額物件、それなりの転売益見込みでないとペイしない。

【H.不動産担保ローン専門業者】
業者Gと概ね似たような特徴。

 特徴 掛け目=評価×70% 
一棟を持っていてワンルームを追加で買いたい場合などは、共同担保を入れればフルローンも可能

【I.都銀系信託銀行】
不動産投資=もともと持っている更地にアパートを建てるという認識。

 特徴 投資には向かない。自己資金3-5割要求。更地を持っている人や相続向け。 ちなみに社員によれば仕事内容は非常に楽なのだそうです。

【J.地方銀行】
知人の紹介で入ったため一般よりも良い条件を出してもらっている様子。参考まで。

 特徴 残存耐用年数フルでローン期間を取れる。
融資エリアは千葉と東京の主要エリアがメインだが神奈川なども応相談
 積算評価の方法 積算価格はあまり関係ないが、一応計算方式は次の通り。 相続税路線価で土地を評価。建物は再調達価格。自己使用は掛け目60%、投資用は50%で評価。ただし、担保割れしていてもOK. 売買価格が高すぎて積算との乖離が激しい場合のみ参照。
 物件評価手法 実際は収益評価を見る
入居率は「現況」の80%、想定金利4%で返済できるかどうか
法人で購入の場合は社長個人/保証人の資産も一体としてみる
テナントの分散必須
会社を複数経営している社長の場合は、すべての会社の決算書と個人の資産を連結して評価
法人が赤字になっている場合は、一過性の赤字であることの説明必要
修繕費は建物価格の0.5-1.0%/年を想定。明確に修繕費が決まっている場合は実数値を適用
管理費は規定無しなら5%、ありなら実数値を適用
長期サブリースの場合は賃料収入の100%を収入として評価。短期サブリースや保証会社に信用がない場合は賃料の80-90%を収入として評価
 貸出金利 できあがりの金利は変動2.5%%程度。貸出先法人により違う。
 評価 私はもともと当行に信頼関係を築いている知人の紹介で入ったので、最初から優良顧客扱いで迎えてもらったが、紹介無しで行って相手してくれるのかどうかは不明。預金と借入のバランスを気にするらしく、融資の際には、積み立てやら何やら、預金性の商品を強く勧められます。

信用保証協会

 信用保証協会の保証を付けて不動産融資を引っ張ったという話を聞きました。私は試していないのですが、可能性はあるようです。

政策金融公庫
詳しくは[7-5] 不動産投資ローン(日本政策金融公庫)

築年数とローンの関係

例えば、木造で20年を超えたら問題が出る時期なので、修繕費用を多く見なければならない。これは普通の人でも分かります。実は、築年数は修繕費用との相関以外にも、ローンとの絡みを考える必要があります。

 実は意外に盲点なのは、RCの残存年数です。

 例えば、築26年のRCを買った場合、残存年数は47年-26年で21年となります。今回買う場合は、20年の長期ローンが組めるのですが、5年後に売却する場合、残存は16年になっているので、一般的な尺度で考えるとローンが15年しか出なくなってしまいます。

  そうすると次の人が買いにくい物件となってしまい、流動性が下がる可能性があるという見通しも(景気の悪い時期は)必要です。景気が良く、銀行の融資姿勢 が今よりも柔軟な場合、もしくは本人の属性が良い場合は、多少の築古でも、がんばって融資を出してもらうということはできるので、築古が絶対的に悪いわけ ではありません。むしろ私は築古物件を安く買ってリノベーションして使うのは好きです。

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