[7-5] 不動産投資ローン(日本政策金融公庫)

2013/11/07更新

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政策金融公庫は株式会社ではありますが、実質的には国の機関として機能しています。国の機関なので、顧客や出入り業者に夕飯をご馳走してもらうのも内規NGなのだそうです。以前の名称が国民生活金融公庫であったため、いまだに「こっきん」などとも呼ばれています。信用保証協会に対して再保証をして、実質的にリスクと資金を提供しているのも政策金融公庫です。2012日本政策金融公庫ディスクロージャー誌によれば、国民生活事業の融資残高は約7兆円、100万企業以上との取引があります。

正直なところ、筆者は、景気の良いときには政策金融公庫の存在意味が今ひとつ理解できておりませんでしたが、この不景気で、どこも中小零細企業に融資をしなくなった今、政策金融公庫は「最後の貸し手」として、中小企業活動における重要でありがたい存在となっています。

さて、政策金融公庫からはどのような融資を受けることができるのでしょうか。国民生活事業課では、次のようなメニューを出しています。使い勝手がよいのは、赤下線の普通貸付、新規開業資金、新事業活動促進資金あたりです。

一番重要な融資方針

彼らの融資の考え方として知っておくべきことは、代表者個人とその代表が経営する会社をひとくくりで同一アカウントと考え、そのアカウントごとに無担保融資枠の上限と有担保融資枠の上限を設定していということです。そのため、ある意味当たり前ですが、一人の代表者がいくつも新設会社を作って、新規開業資金を同時に複数回融資を受けたり、上記のメニューのすべてに申し込んで多額の借入を起こすというようなことはできない仕組みになっています。

パンフレット記載額の目一杯の融資は出ない

創業融資で事業計画のみ、代表者以外の連帯保証人または不動産担保提供あり、など借り方によって、パンフレットには明示されていませんが、概ね暗黙の上 限が設定されています。(ここに具体的な金額を書くとクレームが来そうなので、知りたい方は個別にお問い合わせください。) つまりは、創業計画書1枚の みで上限7,200万円の借入を起こすことはできない。ということです。

代表者個人の個人資産が多い場合は加点評価となり、代表者や会社の資金が潤沢すぎる場合でも断られるということはない様子です。また、面接担当者の上申書が成果を大きく左右するようですので、面接担当官には好印象を持たれる対応を心がけましょう。

不動産投資と政策金融公庫

不動産業界で噂の政策金融公庫で借り入れて不動産投資をするという方法についてですが、本来の考え方は逆で「経営多角化のために新事業活動促進として融 資を受けたい、そのために手持ちの抵当の打たれていない物件を担保として差し入れる。」というのが制度の主旨だと思います。しかし、実務的には、現金で物件を購入して、後から政策金融公庫にローン(一番抵当)を付けて借入を起こしているという話を良く聞きます。(2011年8月現在)です。本来的には、キャッシュやブリッジローンを調達して購入した物件を政策金融公庫に持ち込むというのは、主旨に則していない可能性があることは念頭に置くべきでしょう。

[更新情報]
2013年1月現在、上記のルールは大幅に変更されました。不動産投資は賃貸業として認められており、一般の金融機関と同じように一度現金で購入した後で抵当を付ける必要はなくなりました。また、2012年後半までは築古の物件にも融資が出ていましたが、2013年1月現在では“一定額を超える”築古物件の評価が以前よりも厳しくなり、融資が出にくくなりました。それに加えて、高額(5,000万くらい?)な貸出先は、数ヶ月に一度、試算表の提出が義務づけられることとなりました。※”一定額を超える”という抽象表現を選んだ理由は、この情報が一般公開して良い情報なのかどうか不明なためです。

政策金融公庫で融資を受ける場合、法律上、抵当権設定費用がかかりません。5,000万円の融資ならば20万円が浮く計算です。

借入の流れ

申込の流れは、下記のようなシンプルなものです。私の周囲の状況を聞くには、全くの新規創業でも断られてゼロだった人は少数です。新規開業資金(無担保)の融資を受けた後から、不動産を担保に新事業活動促進資金を借り入れするというような、複数項目に渡る借入も、各アカウントの無担保、有担保融資枠の範囲内であれば認められているようです。

【融資までの流れ】

1.窓口への訪問、税理士からの紹介などで融資担当者に会い、制度の説明を聞く

2.必要書類(登記簿謄本(原本)、創業計画書や試算表、指定書式の企業概要書、申込書)などを提出する

3.融資担当者と面接をする

4.登録住所宛に「ご融資のお知らせ」が郵送されてくる

5.融資の実行

お金が返せなくなったらどうなるの?

私の周りには、そのような人はいませんが、聞くにはサービサーへの債権売却はせず、自社社員が回収にあたるそうです。貸倒率は非公開のようですが、民間の銀行よりも圧倒的に高い貸倒率であることは容易に推測がつきます。

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