[8-3] 賃貸市場/シェアハウス・ゲストハウス系

2013/11/07更新

2013.08.05追記 国交省がシェアハウス・ゲストハウス規制に乗り出す

激安系のゲストハウス・シェアハウスが消防法、旅館業法に違反していることは、不動産投資1年目の教科書でも以前から遵法性リスク、法改正リスクを指摘の通りですが、ようやく国交省が動き始めました。

■脱法ハウス:国が調査へ 国交相が表明
毎日新聞 2013年06月11日 12時30分(最終更新 06月11日 13時41分)
http://mainichi.jp/select/news/20130611k0000e040188000c.html
居 室が極端に狭く火災時に危険な「脱法ハウス」について、太田昭宏国土交通相は11日の閣議後の記者会見で、実態調査を指示し、都道府県や政令市などに情報 収集と報告を求めたことを明らかにした。(略)脱法ハウスの現状について「従来あったのだろうが、最近目立ってきたということではないか。今まで実態が十 分に把握できていなかった。そこに踏み込むという意味は大きい」と述べた。
■違法貸しルームで建築士団体などに注意喚起
日本経済新聞 2013/7/19 18:43
用途はオフィスや倉庫なのに実際は多人数が居住している違法貸しルームについて、国土交通省は19日、建築士や不動産業、建設業の各団体に対し、違法貸しルームに関する業務に携わった場合、処分対象になる可能性があることなどを会員に周知するよう注意喚起した。

  法律の問題を抜きにしても、供給過剰、入居者とのトラブルが多い、など問題の多いシェアハウスですが、今後はますます経営環境が厳しくなりそうです。不動産は、証券と違い、日本の法律の縛りからは逃れられない運命にあります。黙認、放置されている違反でも、いずれ是正を指摘されるのが最近の流れです。各自治体に違法貸しルームの通報窓口ができている様子です。格安ゲストハウスに投資妙味のあった時代は法規制強化により終わったと言えるでしょう。

シェアハウスついて

 一昔前にアパートの新しいカタチとして流行ったシェアハウス。私も経営を手がようかと思い(結局やめましたが)いろいろ調べましたので、それらについて 説明します。シェアハウス、ゲストハウスは大きく分けるとハイエンド、ミドルエンド、ローエンドの3種類あります。その特徴について説明します。ローエンド型は、田舎の違法建築、再建築不可、借地、築古木造などをコンバージョンしているケースが多く、どうにも料理できない物件の最期としては有り得るかもしれません。

□ハイエンド 【コミュニティ形成型】 個室+リビングルーム+テーマ性

・ソーシャルアパートメント恵比寿などが先駆けで、共同生活のテーマを入居者同士のコミュニケーションにおいています。つまり、一人で住むよりももっと楽しいでしょ!というのが最大の売りとなっています。

・共有スペースを広めにとってビリヤード大会や英会話教室などのイベントを開催するのが基本です。寮をフルリフォームしてコンバージョンするケースが多いようです。

・月の賃料も9万円台など他の場所で普通に一人暮らしのできる価格帯です。(ただし光熱費等は含まれています。)

□ミドルエンド 【バランス型】 個室+リビングルーム

・築古だが広い戸建て、5LDKのマンションなど、普通に賃貸に出すと市場の需要とのミスマッチが大きくテナントが付かない、もしくは大幅に値引きせざるを得ない物件からのコンバージョンが多いようです。

・各ベッドルームに一人が入居し、リビングは共有、掃除は当番制。基本的にオーナーはコミュニティ作りには参加しませんが、リビングルームで自然発生的に住人同士の交流が始まります。

・マンションの部屋をシェアハウス化している場合は管理組合から許可を得ていないケースも多い。


・場所にもよりますが6-7万円/月程度。

□ローエンド 【生活費削減型】2段ベッド+リビングルーム(外国人など)

・ドミトリーといわれる形態。入居者はアジア系の外国人、一時滞在の若者が多い気がします。基本的に一円でも安く東京に住みたいという人向けです。中には、光熱費込みで28000円/月 ただし、ベッドは和室の押し入れの中といった先進国とは思えないような条件でやっているところもありました。

・ドミトリーの経営者が管理者として住み込みで働いているようなケースもあって、学生ベンチャー的な経営のところもあります。

・賃料は光熱費込みで3-4万円/月程度ですが、初月ゼロ円、ただし管理費やら何やらよくわからない費用が追加でかかるなど、料金体系がわかりにくいのか悪徳なのか判断に迷う業者もあります。

 ハイエンド級とミドルエンド級の部屋探しは「ひつじ不動産」というサイトが有名です。ミドルエンド、ローエンドの、ただ部屋を安く提供する型のシェアハウスは、現在(2011/02)かなり供給過剰との情報があります。これからシェアハウスをはじめるならば、付加価値を与えたひとひねりが必要だと思います。

ドミトリータイプの法律問題

 本来、ドミトリータイプ(二段ベッドなどを置いて1部屋に複数が住むタイプ)で二段ベッドを置く場合は、次の条件への適合が必要です。

・旅館業法の簡易宿泊所の許可

・建築確認

・消防法令適合通知書交付申請


・飲食を提供する場合は飲食業許可

奈良県版のマニュアルですが、東京でもおおむね同じです。
http://www.pref.nara.jp/kanko/manual-ver1.4.pdf

 実際は、古い物件を無理矢理にコンバージョンして無許可でやっているケースを多く見かけます。建物の構造により消防法への適合ができないことが理由の一つです。

  それを避けたいがために簡易宿泊所ではなく、定期借家契約にしてごまかしている業者が多いようです。というのも、1ヶ月以上の滞在契約に限定すれば定借契約でOKみたいなルールがある(?)ようで、おそらくそれを適用して運営しているのだと思います。ですが、実際、火災が発生して死傷者が出たというような 場合は、誰に許認可を取って営業しているんだ!!という話にはなるでしょう。

シェアハウスを売買するとき

【買うとき】

 公庫融資(JDB)はゲストハウス経営会社の立ち上げにも使える(2010年初頭)とのことです(今はどうか分かりませんが)。4800万円まで10年固定2.x%なので、それを利用して物件を購入して立ち上げたような人もいるのではないでしょうか。

 まれに満室利回り20%などと銘打って売りに出されているシェアハウスもありますが、シェアハウスというのは不動産投資というよりは、会社経営に近いので、利回りで考えてはいけません。

売るとき

 前述の通り、シェアハウスは経営的要素が強いので、買い手を選びます。というより、ほとんど買い手はいないのではないかと推測します。最後は定期借家にして全戸同時期に立ち退きをかけ、一般の物件として売却する必要があるかもしれません。

 本当は、シェアハウス専用のファンドなどがあれば、安定稼働物件の出口にもなるし、(必ずといって良いほど遵法性に問題があるので実際は無理でしょうが)利回りの良い投資商品になるのではないかなと思います。海外ではシェアハウス、ゲストハウスは当たり前ですし、空室の有効活用という点においても、コンセプト自体は悪くないと思うのですけどね。

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