[13] 不動産業界の秘密

2013/11/07更新

秘密の多すぎる不動産業界ですが、他には出ていないであろう業界のディープな秘密を集めてみました。

  

仲介手数料は安い方がよい?

 大家さんに慣れていない人は業者への手数料は安い方が良いと考えると思われますが、はっきり言って、手数料をディスカウントする物件には、あまり良いのがありません。

 なぜなら、みんながほしい物件には、大震災の後であろうが、1日で5件も10件も買付が入るということが未だにあります。ただでさえ優先交渉権を得るのが難しい物件で手数料まで交渉してしまったら、良い話は回ってきません。

 賃貸も同じです。今は大家さんも空室を埋めるために業者にお願いする立場という厳しい景況です。プロほど高額な報奨金を出しています。プロは報奨金の高い物件から優先的に空室が埋まっていくことを知っています。客付手数料は不払いというような物件では、他の競合物件を優先的に紹介されてしまいます。

 業者は常に多数の買い手、売り手を抱えています。その中から自分にだけ良い物件を回してもらうには?という発想を頭の片隅に入れて、それでも手数料の値引き交渉をすべきか、たんさん払うべきかを検討した方が最終的には得です。

 一方で、「ツインパークスの部屋がいくらで出たら買うから教えて」のように、買う物件を自分で選ぶ能力がある人であるならば、業者には手数料を多く支払う必要はないでしょう。

売買手数料6%の秘密

 零細業者が扱っている良い物件には、時に手数料6%など宅建業法違反の条件が設定されていることがあります。大手や当社ではこういうことはしませんが。なぜこうなるのか、仕組みだけは知っておくと良いと思います。

  簡単に言うならば、物元の業者に他に話を振らせないためなのです。客付業者から物元業者へ3%を支払うことで、物元業者は他の客付業者(手数料わかれ)へ 物件を紹介する動機付けがなくなります。そのため、物元が自分でエンドの購入者を探したのと同額の手数料が入るようにコーディネートしてあげる、もしくは 強欲な物元からそのような条件を提示されるのです。これは最終的には売り主の利益に反することなので良いことではありません。買い側から見ても、法定上限 以上の手数料を支払うのは断りたいところなのですが、逆の見方をすると、百戦錬磨の業者が6%を徴収してでも間違いなく売れる、魅力的な物件であるとお墨付きをしているとも言えます。

 このような物件は一般的に、明らかに相場より割安、または人気のエリア内に位置し、買ってからすぐに転売できる可能性の高い物件が多いです。

捨て看板の秘密

 不動産屋が街の電柱に貼っている捨て看板(通称、ステカン)は軽犯罪法、屋外広告物条例、東京都迷惑条例あたりに違反しているとのことですが、結構よく見かけます。

□捨て看板の仕組み

・業者が高収入アルバイトと称してお金に困っている人を募集
  ↓
・違法である旨はアルバイトにも説明するようです
  ↓
・何人か集めて1000枚くらいをいろんなところに貼ります
  ↓
・かかってきた電話に出るのは業者の営業の人
・反響があった場合は、その捨て看板を貼ったアルバイトに成果報酬を出すこともあるとか?

もちろん、値段が高いと数件しか問い合わせは来ません。業者から「うちの顧客に紹介させてください」という問い合わせも多いそうです。

□警察には捕まらないのか?

 現行犯で見つかって説教されたというケースはあるようですが、刑事事件に発展したという話は聞きません。

□捨て看板の効果

 これが効果絶大なようです。驚くことにネットよりも反響は良いとのこと。1日で10件、20件の問い合わせが来るようなこともよくあるようです。ちなみに業界団体の都宅協では捨て看板には比較的厳しいのですが、全日に所属している業者は比較的認識が緩いようです。

  捨て看板に出ている投資物件というのは、違法覚悟で掲載する自信のある物件、もしくはどうしても売りたい物件です。前者には、損切りしてでも期日までに売 らなければ借入金が返済できない!など、ワケあり物件を出すこともあるので、買い手としては捨て看板に注目してみるのは悪くないです。もしくは、単純にその地域で新規に売り出している建売戸建ての宣伝を貼っているような業者もいるので、そのようなものは見ても面白くありません。

地上げ

 中国に行ったときに一番驚いたのは、何キロにも渡る幹線道路沿いのアパートが全部立ち退きで空室になっていて、空室にするのに1ヶ月しかかからなかった、と言っていたことです。これを日本でやったら何十年もかかります。

  日本ではこのようなことは、ご存知のように、地上げ屋という○○組みたいなのがバックについている反社会的勢力がビジネスとして引き受けています。地上げ 屋が居住者を追い出して、間に一社、零細企業が入って億のフィーを抜く(反社会的勢力と大企業は直接取引できないため)、その零細企業から財閥系の大企業 が土地を買って、タワーマンションを作ることもあります。

 つまり財閥系企業も反社会的勢力が絡んでいることは承知なのですよね。

 そして、再開発でマンションが建つ≒地上げ屋に数億のアンダーグラウンドマネーが流れる、ということなのです。それであれば、個人的には、最初から所有権の強さを制限して、国家による接収を認めた方が話も早いし、アンダーグラウンドな取引も減るのではないかと思っています。

立ち退き

 賃借人(借り主)は、賃貸人(大家)に対して3ヵ月前に解約の申入れを行うことにより、本契約を終了することができる。 という一般的な文言に加えて、 大家から6ヶ月前の通告で借り主を立ち退きさせることができる。という条項が入っているケースをよく見かけるのですが、全宅連の標準書式にはこれが入って いません。

□標準書式を勝手に書き換えて良いでしょうか?

 契約自由の原則なのでOKです。公序良俗に反しなければ法律に違反する契約を作るのも無効ではあるが構いません。

□実際6ヶ月前に通告すればテナントの立ち退きは可能ですか?

 実はテナントの立ち退きは不可能です。裁判するしかありません。定期借家や賃料6ヶ月以上滞納の場合でもテナントが出たくないと言っている場合、裁判>判決>強制執行>猶予1ヶ月>大家がテナントの移転先を探して場合によっては引っ越し費用も負担。引っ越し先が見つからないと強制執行も受け付けてくれないようです。

 契約が定期借家になっている場合は裁判所も大家に有利な判決を出すケースが多いですが、普通借家の場合はそうではないようです。判決が出るまでの時間と費用を考えると、法律的には完全にテナントが悪い場合でも、粘られると大家側には厳しいのが現況です。

六本木の不動産と暴力団

 六本木界隈は、1億-2億くらいの小さな物件でも、けっこうな確率で購入後にその手の筋が占有しに来たり、トラブルが多いそうです。気をつけましょう。 なぜ、そうなるのかと言えば、金に困った売主がいろいろなところに作った借金が債権譲渡されて、現在の債権者が押しかけてくるようなケース、それ以外にも、これといって心当たりはないが、なぜか怖い人が出てくる、みたいなこともあるようです。

不動産屋はなぜ銀座で豪遊するのか?

 書籍のタイトルにしたらヒットしそうな題目です。今は銀座で豪遊している不動産屋というのはほんの一部の人たちだけですが、以前は多くの業者が銀座で豪遊していました。

  これはなぜかと言いますと、一説には、不動産業の中で一番儲かるのは転売屋であり、転売屋は一発当てれば、数千万~数億の利益を得ることができます。逆に 言えば、法人の利益が課税上限税率に達してしまう。つまり、転売益には40%以上の実効税率が課税されるのです。転売益を少しでも圧縮して納税を減らすた めに、銀座で飲みまくって領収書をもらっているという話(まあ、これは不動産に限らずどの業種の法人でも儲かっていれば同じですが)。

 また、不動産業界は、他の業界よりも特に、人と人とのつながりがモノを言う世界ですので、接待は頻繁に行われます。特に、大きな物件が成約した際、その協力者に対して高級な食事やクラブでの接待が行われることが多いのではないでしょうか。バブル期に覚えた一日に数十万円を飲んでしまう癖が抜けず、儲かっていなくても同じペースで飲んでしまうので金がない、なんていう話も珍しくありません。


不動産業界では知らない者はない、という接待の名所がこちら。ステーキレストランあらがわ。

金の貸し借りが多い業界

 この業界に入ってから、金の貸し借りの話を良く聞きます。主に転売屋さんの購入資金やつなぎ資金、独立したい人、物件を買いたい人まで様々です。往々にしてこのような話に良い話はないのですが、個人のお金持ちが金主と言われるスポンサーをやっているという話は良く聞きます。半年で10%、年間20%×数千万円程度などの条件が一般的かなと思います。

田舎の不動産屋

千葉の山林の案件で、地元の不動産屋に話を聞いたのですが、同じ不動産でも全然違うビジネスをしていて、面白かったです。

【地方限定のルール】

□土地の価格より、 伐採・抜根(ばっこん)費用の方が高いこともある。
□境界に木が立っていて、これが境界木となる。 境界を特定するにも探検が必要。寒い時期は虫が少ないからいいですが、暖かくなると、まむしややまヒルが落ちてくるから大変とのこと。

 

 枝に巻かれたビニールが境界標の代わりに。公図は地租改正のあった明治9年のものが今でも使われている

□洪水で水没する地域もあるので注意。

□東京電力は、呼べば人里離れたところでも電気は引いてくれるはず。

□水道は来ないから井戸。ただ、このあたりは名水100選に入っている地域だからとのこと。

こちらでは草刈りができて一人前の不動産屋だそうです。

【地方の相場】

□山 坪300-500円

□宅地 坪3万円(エンドユーザー価格)

□土地+建物新築で2千万以下、賃料は6万が一般的

大東建託などが土地含め1400万前後の新築を建てに来ていて、相場を崩されて困っているそうです。区分のマンションなどは15年前の新築時4,000万円だったものが、現在は700万-70㎡ 。住宅ローンが払えなくなって競売になる物件が多い。鉄筋コンクリートにあこがれる人もいて、意外にマンションの賃貸は埋まるとか。

【ビジネスモデル】

トップ店でも年間4-5億の仲介しかありません。そのため、建物を建てて売らないと商売になりません。手数料も3%以上支払いが当たり前だそうです。

IT化されていない業界

□主な通信手段

 年配の不動産業者は基本的にメールでの連絡はしません。基本は電話、次がFAXです。若い人はスマートフォンなども使いこなしますが、他業界よりも明らかにIT化されていません。ネットワーク外部性により、ITを使いこなせる人がいてもFAXとは縁が切れません。

  話が前に進まない場合(保留、辞退などの連絡)は先方から連絡してこないケースも多いので、どんどん電話して確認しましょう。IT業界と違って電話をする と相手の邪魔になるという感覚はないようです。電話を受けるのがある意味仕事みたいな業界ですのでそうなのかもしれません。

 不動産屋は ITが使えないようなレベルの低いやつしかいないのか?という見方も間違ってはいないのですが、税理士や役所の人もITを使わない人が多く、伝統的な法律 系の仕事は、ITを使いこなせなくても問題ないので、あまりがんばって使う必要がない。という見方もできるかもしれません。

 なお、建築士の人はさすが理系だけあってメールのチェック頻度は高めのようです。

□使い勝手の悪いレインズ

 コンピュータをやってた私から言わせれば、レインズはシステムの造りがひどいです。新着物件のRSSがない、新着情報がなぜかPDFで出てくる、利用時間が7:00~23:00と限定、登録物件の変更に物件IDを入れないといけない、などなどきりがありません。

 新着物件を毎日FAXする日報という機能もあるのですが、電話代は誰が払っているのか気になります。Web限定にしとけばいいのではないかと。

 不動産なんて、情報として持たなければいけない項目が完全に固定されているのですから、XML化すれば便利になるのではないかと思うのですが、この業界でXMLというコトバが通じるのはGIS(地理情報システム)関連の人だけでしょう。

 市況データというレポートも一応出ているのですが、統計屋をやっていた私から言わせれば、統計情報も、もっとうまい使い方があるのですが、あまり面白い情報が取得できていないのはとても残念です。

日本滞在ビザとセットで物件を売る

【この章の情報は未確認でちょっと自信なしです】

 日本のビジネスビザは資本金500万の会社を作っていれば(そして売り 上げと利益が出ていれば?)すぐに取れるらしいようです。さらに10年間合法的に滞在すれば永住権も取れます。ということは、会社を作って会社で大家さん をやれば、確実に利益も出るし投資としても面白いし、中国人向けとかにはいい感じかもしれません。これを北海道(中国のドラマで日本を舞台にしたドラマが 人気で、いま中国人がたくさん不動産を買っている)でやって儲かっている業者がいるそうです。

賃貸募集時の鍵管理の問題

 賃貸市場では常識のようですが、私からすると、ちょっと抵抗のあるのが、業者間の鍵の貸し借りの問題です。

 通常、オーナーは鍵1本を特定の業者(通常は元付業者もしくは物件の近くの業者)に預けますが、広告は複数の業者に依頼したりします。そうすると、オーナーの知らない間に、客付業者が元付業者に鍵を借りて内覧をします。

 もちろん、借りた鍵を返さないようないい加減な業者は少ないと思いますが、部屋が荒らされたような場合に責任の所在が分かりません。

  かと言って、毎回、鍵をオーナーから借り受けた元付業者が内覧に立ち会えるとは限りません(いや、売買の場合は元付、客付の両者が必ず立ち会うので、賃貸 で毎回立ち会っていたらコストに見合わないというだけの理由だと思いますが)ので、実務上はこのようなことになっています。

 中小業者間では(大手業者でも?)、このような鍵の貸し借りの問題が常日頃から発生します。このような事情もあるので、テナントが決まったら鍵を交換するのが安全です。

礼金の秘密

→移動しました [8-1] 賃貸市場/住居系

室内での自殺

都心の投資用マンションに結構な確率で出てくるのが室内で自殺履歴ありという記録です。

 警察庁のwebによれば、年間の自殺者は約3万人で、その多くが健康問題と経済苦だそうです。
http://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/220513_H21jisatsunogaiyou.pdf

 【平成2 1年中における自殺の概要】
1 総数(表1関係)
平成21年中における自殺者の総数は32,845人で、前年に比べ596人(1.8%) 増加した。性別では、男性が23,472人で全体の71.5%を占めた。

2 年齢別状況(表2関係)
「50歳代」が6,491人で全体の19.8% を占め、次いで「60歳代」(5,958人、18.1% )、「40歳代」( 5,261人、16.0%)、「30歳代」(4,794人、14.6% )の順となっており、この順位は前年と同じである。

3 職業別状況(表3関係)
「無職者」が18,722人で全体の57.0% を占めて最も多く、次いで「被雇用者・勤め人」(9,159人、27.9% )、「自営業・家族従事者」(3,202人、9.7%)、「学生・生徒等」(945人、2.9%)の順となっており、この順位は前年と同じである。

 さて、自殺があった場合、不動産的にはどのような影響が出てくるのか。都宅協に問い合わせたところ白黒はっきりした見解がないというので、弁護士に聞いたところ、次のような回答でした。

・賃貸の場合 自殺のあった部屋の次の賃借人には告知をする必要あり。一般には2年以上経過して、周囲の住人の記憶からも薄れているようなものであれば、次の次の入居者には告知しなくて良いというような通説があるが、これには根拠はない。

・売買の場合 売買の場合は賃貸よりも告知義務は重いだろうが、はっきりとした規定はないとのこと。基本的には永続的に自殺の履歴を告知すべき。

 なお、オーナーが所有物件内で自殺した者の遺族に対して、その部屋が自殺履歴のおかげで商品価値がなくなったので、賃料x年分の損害賠償をしろと申し立てていた裁判がありましたが、訴えは認められませんでした。しかし、この逆のパターンは確固たる判例がなく、何年間が事件の記憶を風化させるのに妥当な年数という見解はないとのことです。

 都心のワンルームタワーのように人の入れ替わりが激しいところでは、自殺はそれほど何年も後を引く問題ではないと考えられ、田舎エリアでは何年も語り継がれるに相当する問題と認定されることもあるそうです。また、単なる自殺と猟奇的殺人などインパクトの大きい事件との間にも瑕疵の程度に差を付けているようです。

某大手の契約書はいい加減

 大手Xの契約書は担当者によりばらばら。大手の中で唯一契約書審査機構がない。との情報がありました。契約書だけでなく担当者もいい加減です。(業界の人ならばどこの大手かおわかりでしょう。)

 その他の大手では、契約書も重要事項説明書も何人ものチェック経て、非常に精緻に作られています。これらの書類作成を担当する業者は、中小よりも大手業者の方が明らかに安心です。

何件の問い合わせがあれば1件売れるのか?

 これは物件にもよりますが、大手業者(都内で最も営業成績の良い支店)の証言によると、投資物件は、一般論的に言えば、10-15件の潜在的買主である個人顧客からの問い合わせが来ないと売れない、とのことです。実需で言えば、物件の内覧案内は週に2-3件、一ヶ月に3件も成約すれば健闘していると言える。月に一件も成約しないのだけは避けたい(別の都内大手の実需マンション担当者)とのことです。

 ちなみに、大手の一角を占める業者が言うには、大手業者の年間の仲介手数料収入は、ひとりあたり6,000~7,000万円程度とのことです。

大手業者のコンプライアンス遵守姿勢

 不動産業界でルールに違反せずに仕事をし続けるのは非常に困難です。コンプライアンス遵守が必須条件の上場している大手企業では、どのようにルールを守っているのでしょうか。宅建業者ならばすぐに思いつくのが、大手は専任で成約した物件は、成約価格情報を本当にすべてレインズに登録しているのか?これを遵守するのはかなり厳しいでしょう・・・。という疑問が沸いてくると思います。

 レインズの成約価格情報の件数を見ると、明らかに成約情報を登録していない業者の方が多いことが分かります。聞くところによれば「基本的にすべての成約情報を登録している。ただし、買主が転売業者など価格を開示されると不都合のある取引の場合、契約時に専任媒介から一般媒介に契約切り替えを行って、形式上、登録義務を逃れる。」(大手売買担当)とのことでした。大手はさすが、形式上だけでも違反はしません。

物件を買うと現金100万円がもらえる

 都心では、このようなしょうもないトリックは見かけませんが、地方都市では捨て看板などで希に見かけます。これは、住宅ローンの融資基準を満たしている物件のうち、市場価格が800万円程度の安価なものを業者が仕込んで、相場より高い1,000万円程度(地方都市では1,000万円も出せば3-4人で住 むことができるファミリータイプの中古には十分手が届く)で売りに出しているという物件です。

 購入者から見ると、住宅ローンなので自己資金ゼロ、契約書にハンコを捺すだけで100万円という大金が手に入る。自分がその物件に住める。今の家賃より月額支払いは安いかもしれない。という点が餌になっています。業者からすれば、住宅ローンさえ通れば誰でも客になる。 サラ金でお金を借りようとしているような人さえも100万円に釣られて契約できてしまうかもしれない。つまりは、物件価格が割高でも、もっと言えば現金 100万円が目当ての人には物件内容ノーチェックでも売れてしまう。という販売のしやすさがあるため行われているのだと思います。当然、この販売手法の物 件に優良物件はひとつもありません。

 法的にNGなのか否かは調べていませんが、直感的には不当景品類及び不当表示防止法あたりにひっかかりそうな気がしなくもないです。なお、私が見た捨て看板の中で最大は、2~3千万くらい(?)の物件で現金500万円バックでした。実際に成約したのか どうかは知りませんが、さすがにこれはやり過ぎかなと思います。

買取屋の交渉マニュアル

 買取屋とは、区分のマンションなどを相場の20~25%引程度で買いたたいて、それをキレイにリフォームして転売する会社のことです。

  転売時は彼らが売主となるため、仲介業者として間に入ると手数料6%(両手)となるのですが、買主が指し値をするなど値引きを要求した場合、売主が仲介業 者へ支払う手数料から値引き分を補填してくれと言われるのが通例のようです。もちろん、手数料の値引きはしない前提の指し値、と最初に宣言して交渉に臨む こともできます。そして、値引き要求はあっさり断る。ただし、その後、交渉決裂の寸前で買取屋から仲介業者に連絡をして、仕切り価格を伝えるというのが、 ほぼマニュアル化されているようです。また、仕切り価格を最初に教えてもらって、それ以上で売却できた場合は手数料満額+ボーナスを出すという業者もある ようです。転売屋は中小の業者に対しては態度が悪いことが多い(大手の看板や個人として連絡すれば普通の対応をしてくれるらしいですが)ので、交渉もなめられないようにする必要があるという印象です。

ワーキングプアーを生むブラック企業

 これは、不動産業界に限った話しではありません。中小のテレアポや飛び込み営業メインの会社、やたら茶髪で喫煙率が多いような会社は似たり寄ったりです。

 朝8時に出社し、社内の清掃、昼は無差別に営業のテレアポ(先物取引の営業などでは、受話器をガムテープで手に巻き付けられる会社も)、夜に書類整理、さて帰ろうかと思ったら幹部に飲みに連れて行かれて終電まで帰れない。休みは週1日だけだが、それすら潰れることも。

 これが本当ならば、月300時間働き額面20万円。時給換算したら660円です。これだけなら、若いパワーでがんばれるのですが、大手と違い、アルハラ、パワハラも当たり前の社風です。この環境で鬱病にならない方がおかしいと思います。なお、東京での生活費には15万円以上かかりますので、貯金は全くできません。実家や彼氏彼女と同棲なら、なんとかなりそうですが、地方から単身で出てきたような場合は、どうにもなりません。

 ちなみに、このように大忙しなので、入社してから宅建を取る暇はありません。そのため、宅建資格を持つ社員は少なく、専任の取引主任者の設置数の基準に抵触している業者も多くあることと思われます。

 さらに、企業側は厚生労働省の助成金も考えて採用しているかと思うと、さらに気の毒です。

  この手の企業の社員は入社1年で半分以上が辞めてしまいますが、正規採用から6ヶ月経てば、厚生労働省の助成金が50~100万円もらえるそうです。社員 らの年収は額面240万円、社会保険など(社長が良心的で保険に加入している企業と仮定として)を足しても270万円程度が維持費です。そこから助成金 100万円を差し引けば、初年度のコストは170万円程度でしょう。時給換算すれば500円を下回り、アルバイトを雇うよりも新卒社員が労働環境に耐えかねて退職するのを待っていた方が安価なのです。

 さて、どのような感想を持たれたでしょうか。ぜひ、若手の新卒営業が迷惑なテレアポをしてきても怒鳴らず、せめて人としての人格を尊重して丁重に断ってあげてください。

業者から見て嫌なお客とは

これは業者の立場でないと判断が付きにくいと思いますが、まとめると次のような人物像だと思います。

・自己資金がない → 市況や知識、物件情報を無駄に提供しても購入する可能性がない

・大家さんセミナーで中途半端に知識を得た → 木を見て森を見ずのような判断をする人が多い

・業者をたくさん回っている → 過去数ヶ月にわたって数十件の業者を回って、まだ一度も買っていないなら今回も買わないであろう


・性格や態度が悪い → 余程の大金持ち以外は、業者と対等、もしくは業者に「お願いしている」という感覚で接した方が良いでしょう。


・自分の情報を出さない → 連絡先や自己資金などは開示しないと冷やかしだと思われます。


・年齢が若い → 普通に考えて、年収が低くローンも出にくいので高額な物件は買えないだろう

 つまりは、買わなそう/買えなそうなのに面倒くさい。というのが最も招かざる客です。逆に、極端な話し、購入時に業者に対して購入の専任媒介を頼むくらいのコミットメントがあれば(通常、買い側の専任はありませんが)、多少のわがままは許されるかもしれません。

  ほか、あまり単刀直入すぎる物言いだと、世間の一般論として嫌がる人もいますが、私はその方が早く仕事が終わって好きです。これは個人の問題でしょうか。 一方、検討して数日中に連絡します。持ち帰って考えます。のような欧米では嫌がられるような曖昧さ、意志決定の遅さについては、それほど問題視されていま せん。日本人の民族性と、高齢者が多い市場というのも影響しているかもしれません。

 また、何の仕事をしているのかよく分からず、あやし い。というのも、そこまで嫌がられていない気がします。もちろん反社会勢力はだめですが、地主や資産家は普通の人とは感覚が違う人が多いので、ちょっと変 だなという程度であれば、サラリーマンとは感性が違うから仕方ない。という許しを得られるかもしれません。

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