[14] 業界用語集

2013/11/07更新

01.新耐震基準

1978年に発生した宮城県沖地震をきっかけに新基準に移行しました。新基準では、地震による建物の倒壊を防ぐだけではなく、建物内の人間の安全 を確保することに主眼がおかれました。旧基準の「震度5程度の地震に耐えうる住宅」との規定は、新基準では「震度6強以上の地震で倒れない住宅」と変わり ました。

 建築基準法 (施行令) の改正により新しい耐震基準 (いわゆる新耐震基準) が施行されたのは、1981年 (昭和56年) 6月1日のことで、この日以降に建築確認を受けた建物に対して新耐震基準が適用されています。

 この昭和56年(1981年)は頭の片隅に入れておくと物件を見る際の参考になります。築古の建物でよく不動産業者が言う「新耐震だから大丈夫」という決めゼリフなのですが、実際は物理学的にかなり難しい話なので、言っている本人も何が大丈夫なのかは分かっていないはずです。

 技術的には次のような点が改訂されていますが、構造家以外の人が内容を理解するのは困難です。

 ・耐震設計の目標を中地震動(剪断力係数0.2)と大地震動(剪断力係数0.1)の2段階に分類した(大正13年版では一律0.2しかなかった)

・それまで不明だった終局強度形や、時刻歴応答解析をおこなう構造計算でより正確な計算方法が確立された(設計ルートという概念が導入された)

・木造住宅では壁量による略算式の「軸組計算」が導入された

参考資料Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%80%90%E9%9C%87%E5%9F%BA%E6%BA%96

02.登記簿謄本

土地と建物の登記簿です。単に謄本(とうほん)と呼ばれることも多くあります。なお、「登記簿(または謄本)の写し」と言ったらコピーやPDFファイルで代用可という意味です。

 登記簿謄本も写しも一般的には取得後3ヶ月以内が有効期限とされています。そのような法律はありませんが、慣習的にだいたいどこでも「3ヶ月以内に発行された」登記簿を書類の要件としています。

見るべき点は甲区と乙区

□甲区

所有権に関する情報 この物件を持っているのはズバリ誰なのか、取得の経緯 相続した物件なのか、売買で得たのか、など。
所有名義 有限会社××、○○アセットマネジメントなど、実態のなさそうな謎の会社が所有者になっている場合、オーナーの資産管理会社名義というケースが多いです。

不動産業者らしき会社が数日から数ヶ月間だけ所有して、すぐにまた違う所有者になっている。という場合は、業者が転売(ころがし)目的で仕入れて、見事に転売に成功した物件です。多少手を入れて転売しているケースもあり、そのような場合はリノベーション、バリューアップなどきれいな言葉で装飾されますが、登記簿にそれらの別は表記されません。

□乙区

ここも重要で、物件を購入するのにどこから融資を受けたかが書かれています。

この時期やこのオーナーなら自己資金をx%は入れているはずだから、いくらくらいで買ってるのかな?など推測できたりします。

物件の価格をはるかに超える根抵当が設定されているような場合は、売り主の与信に注意が必要です。その場合は手付け金ゼロで契約するなど、売り主の破産や倒産に巻き込まれないようにしましょう。

下線が引いてある箇所は、すでに現在はキャンセルされている事項です。たとえば、以前にお金を借りて抵当権が設定されていたが、返済が済んだので下線を引いて抹消してある。というケースなどが一般的です。

抵当権者として ○○銀行××支店 n億円などと具体名が出ているのがくせ者で、業界は狭いので、「あ、ここの支店の部長と仲良いんだよね」みたいなことが、しばしば発生します。

抵当権以外に地役権、賃借権など見慣れない権利が設定されていたら要注意です。その理由を必ず解明する必要があります。また、宅建業者にも説明する義務があります。

□共同担保目録

通常、土地と建物はセットにして担保に入れます。そうすると共同担保目録という欄にセットで担保に入っている資産がリストアップされます。

自宅や他の物件も共同担保に入れている場合は、がんばって借り入れ起こしたなーとか、やたらと多くの物件が共同担保に入っている場合は、貸出元の銀行と話し合いをしないと、当物件の抵当権を外してくれないなーなど、見どころの多い項目です。

なお、登記簿はこのご時世なのでネットで取得可能です。なお、ネットで取得した登記簿には法的証明力はないと明記されていて、確認用に利用するには問題ありませんが、契約の際には登記所の発行するものを用いるのが一般的です。

財団法人民事法務協会
http://www1.touki.or.jp/
株式会社情報通信ネットワーク
https://www.jtn-map.com/

@niftyにも基礎的な閲覧の方法は書かれてあります。しかし大企業のWebなので、あまり裏技的なことは書いていないようです。
http://myhome.nifty.com/kiso/kouza/49.jsp

03.グリップ堅い

 握りは堅いのか?(関係性は濃いのか?)という意味合い。間に業者が何社も入っているような場合は、それぞれ利害関係が対立するので、売り主や売り主側 業者と親密な客付業者が優先され、グリップの堅くない業者へは情報が隠され、メインシナリオが崩れたときの保険的に使われてしまったり、結果的に無駄足に なってしまうケースもあります。

04.路線価

路線価には相続税路線価、固定資産税路線価の2種類あり、不動産屋が路線価と言ったら通常は、相続税路線価を指します。

 ポイントは次の通りです。

・相続税路線価は、公示価格(基準値価格)の概ね8割程度に設定されています。

・固定資産税評価額は公示価格(基準値価格)の概ね7割程度に設定されています。

・国土交通省の発表する公示地価は1月1日時点の調査で4月に官報で公表されます。


・各都道府県が管轄する基準地価は7月1日時点の調査で9月下旬に公表されます。


・路線価とは、主要道路に面した土地に対する評価額で国税庁が1月1日時点で評価し、8月頃に公表されます。

ネットに財産評価基準書として出ているのは相続税路線価。
http://www.rosenka.nta.go.jp/
こちらの方が使い勝手はよいです。
http://www.chikamap.jp/

05.公図


 公図は主に地番、地型、近隣の所有関係を確認するために利用します。公図は正確な測量図という意味合いではなく、明治時代の地租改正の時に、誰に課税すべきかをはっきりさせるために作られたのが起源です。その名残なのか、特に地方では公図は必ずしも正確に作図されているとは限りません。

06.地積測量図

地積測量図は登記所に登録してある場合とそうでない場合があります。

 
 登録してある場合。


 登録していない場合。

07.ブルーマップ

 住居表示と地番の変換には公図との見比べが必要ですが、毎回、法務局に閲覧に行っていたのでは面倒という向きのために、ゼンリンからブルーマップという便利な地図が発売されています。住宅地図の上に地番が付けられている地図です。

 なぜかこの地図はゼンリンのみから発売されており、東京だけで60冊に分かれていて、一冊3~5万円という高額な価格設定となっています。

 この高い地図を安く見る方法はないのか、というのがこちら。株式会社情報通信ネットワーク(JTN) https://www.jtn-map.com/  という会社の提供するブルーマップがネットで閲覧できるというサービス。価格は1枚あたり450~800円と安くはありません。なぜこの会社が日本初のブ ルーマップのネット閲覧サービスというものが提供できたのか謎ですが、実際、私も利用していて、誰でも利用できるサービスです。

 私は使ったことがないですが、株式会社タス(トヨタ系?) 不動産評価(査定)webサイト TAS-MAP というところでもブルーマップの閲覧は可能。http://www.tas-japan.com/menu/menu_bluemap.html

 なお、地番は管轄地域の法務局に電話しても教えてくれます。ということは、法務局は地番と住居表示の変換表を持っているということですよね。一般にも無料公開してほしいですね。

08.優越的地位の濫用

 銀行と親密になってくると、「ところで社長、融資の件とは無関係なのですが、投資信託買ってもらえませんか?」とか、「今回の融資はかなり無理矢理的なやり方だったので、多少でも定期預金を・・・」などの勧誘を受けることと思います。

  三井住友銀行金利スワップ事件(公取委平成17年12月2日勧告)というのが優越的地位の濫用では有名で、融資するから金利スワップ組んでくださいよ。と いう勧誘をしたという事件です。訴訟になるくらいなので散々な内容だったのだと思いますが、程度の差はあれ、これは普通に良くあることです。営業協力などとも呼ばれています。

 ここでいちいち目くじらを立てて優越的地位の濫用に文句を言うよりも、不動産ビジネスというのはギブアンドテイクだと割り切って、あえて受け入れるのもアリだと個人的には思っています。それも差し引いて利回りを計算すれば良いだけのことです。

09.ブルームバーグ

日本の野球や米フットボールの結果から、EUのGDP速報値、AUDのLIBOR、住宅金融公庫のABS価格、インドネシアの金利まで、なんでも出てく る情報端末。まるで無機質な数値の羅列の中に世界のすべてが凝縮されているようです。ただし、日本の不動産現物に関しての情報はありません。

 写真は、メキシコ株式のインデックスを見ながら、世界の通貨のクロスレートを見ているところ。Yahoo Financeで情報を探すよりも圧倒的に早いです。インデックスから辿っていけば、大概の情報ははすぐ見つかります。

  ネットがある時代においても、十分感動できるので、ネットがない時代の人は、さぞ驚いたに違いないでしょう。さすが、情報料が月20万近いだけのことはあ ります。しかも、デフォルト設定がディスプレイ4枚の環境を想定して作られているという豪華さです。最低2年契約なので、契約するには、いきなり500万 円支出の覚悟が必要です。確か米国版は$1,700くらいと聞きましたので、円高の時に米国版を買うという手もあるかもしれません。日本から米国版が買え るのかは不明ですが。

10.礼金

 Wikipediaによれば、礼金は、地方から大都会(東京)に一人でやってきた単身赴任者・学生等の援護のために、上京した人の親戚が東京の下宿などの 大家に払った現金が由来と書かれていますが、他のサイトによれば、「戦後の住宅難の時代に遡り、間借りの「お礼」という意味合いを持つ」という説明もあっ たり、「一時期、賃貸マーケットが活況で良い部屋がなかなか見つからなかった時代に、優先的に物件を紹介してもらえるように支払った謝礼(袖の下)が起 源」という説も聞いたことがあります。

つまり、誰も理由の分からない費用をテナントは延々と支払い続けているのです。

現在(2011/02)は、礼金を取らない物件の方が多くなってきています。しかし、これは礼金という習慣が古いし根拠がないのでやめたと言うよりは、単純に景気が悪いので礼金を取らず実質的な値引きをして早くテナントを付けたいという意味合いが大きいものです。

11.西高東低

 東京の不動産は皇居の西側に常に人気が集まり、東側はそれに比べて低いという意味です。

12.一種いくらとしても

 「一種100万円としても、この値段なら高くはないと思います」などとよく使うのですが、この一種とは何を指すのでしょうか。不動産屋というのは、「ここ一低住専(いっていじゅうせん)です」など、一般人が聞いてもさっぱり分から ない用語をよく使うのですが、一種は宅建の試験にも出てこない用語です。どういう語源なのかは分かりませんが、土地の坪単価が300万円で容積率300% の場所なら 300/3と計算して、1種100万円となります。

 建物を建てたときのフロアあたりの土地単価とでも言い換えられる指標です。あまり根拠のない試算と言われています。

13.3A地区

 赤坂、青山、麻布。住宅地の3A地区と呼ばれています。

14.固都税(固定資産税・都市計画税)

 固定資産税と都市計画税は両方合わせて通称、古都税(ことぜい)と呼ばれています。

 

 

15.関西圏の固都税精算

 関東と関西(私が実際に経験したのは名古屋ですが)では、固定資産税と都市計画税の日割り精算のための計算方式が違います。関東では通常1月1日を起算 日とする日割りとしますが、名古屋では4月1日起算でした。固都税は、本年4月1日から翌年3月31日までを一年として、本年の1月1日現在の所有者に支 払い義務がある。というややこしいシステムになっているため、このような差違が発生している模様です。

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