[A5-2016]香港1(コンドミニアム編)

訪問日:2016年1月

香港コンドミニアム編

日系の賃貸専門の人に話を聞いてきました

12657444_979403095481490_6674118118025700854_o 九龍地区のランドマーク The Arch Kowloon

■世界で2番目くらいに物価の高い街

スイスのチューリッヒは、街全体が、ぼったくりバーのような価格設定だったが、香港も負けずに高い。

そして、デマンド・プル・インフレ的な状況により行くたびに価格が上がる。
香港<>マカオのヘリ価格。10年前はHKD 800(1.2万円)だったが利用者が多いのでいまは4,000(6万円)まで高騰。
Turbo Jetも昔はHKD 100だったらしい。今は200になった。

不動産は、もちろん場所にもよるが、オースティンやカオルーン(九龍)など、東京で言ったら港区や湾岸のような場所では、賃料が港区の1.5倍、売買価格が2倍、表面利回り2-3%くらいのイメージ。すべてが六本木ヒルズ価格という感じである。
(写真中に今回の訪問物件と価格のリストあり。クリックで拡大)

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■それでも安くなった

ブルームバーグの記事:香港ショッピング街の賃貸料が急落-銅鑼湾で4割値下がり
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NVDDG26JTSE801.html
「コーズウェイベイ(銅鑼湾)地区で1000平方フィート(約93平方メートル)を月約100万香港ドル(約1550万円)で借り入れる。この取引を扱ったシェラトンのウォン氏によれば、スイスの高級腕時計ブランド、ジャカー・ルクルトが今同じ場所で支払っている家賃を43%下回る」

これは、値下がり後で、坪55万円という計算。

東京の丸ビルの飲食店でも坪6-8万くらい。銀座のメインストリートでも20-30万かな?高いですね。(2016/1現在・日本の価格は玉川推定値)
銅鑼湾は銀座+下北沢のような場所。香港はせまいのでショッピングは、ここしかないのかも。

■不動産市況を箇条書きで

・日本人相手に香港の不動産を売っている会社はあまりない
・日本人は、日系大企業の現地駐在や和食レストラン開業などのための社宅を賃貸する話しが多いとのこと。当然に金融も多いが、金融だらけというわけではない。
・家族3人でまともな生活をしたければHKD 3万(45万円)は用意してほしい
・どうしても用意できない場合は月10万円(20平米弱)でも部屋は探せなくはないが「ホームレス一歩手前の生活」とのこと。
・とにかく価格が高いので、2段ベッドでルームシェアは当たり前。
・賃貸の需要は旺盛。どんな部屋でも2週間も空室になることはない
・値引き交渉をしているあいだに他に取られるなどは日常茶飯事。日本人は「持ち帰ってよく考える」ので、このスピード感についていかれない。
・その活況を裏付けるかのように、私が内覧中に別の客が入ってきた。内覧が重なったのはパリ中心部の時以来か。人気の場所ではこうなる
・リノベ費用は日本より少し高い程度?厳密に聞いたわけではないが2倍高い感じではなかった。
・そして、香港で誰もが驚くのが高層ビルの密集感。100階++建ても最近できた。外から見ると高層階には雲がかかっていて地上からは見えない。容積率とか高さ制限はないの?と聞いたものの、分からない。とのこと。
・オーナーの多くは香港人
・ほとんどの部屋を中国人が持っている物件もあるが、政府の誘致や中国人をターゲットにしたプロモーションなど特殊な事情があったのではないか。とのこと。基本は香港人らしい。
・ローカルでお金がない人は政府提供の住宅(PRH)に住む。だが何年も並んでいる。みんな、どうやって暮らしているのか。よく分からない。
As at end-September 2015, there were about 142 500 general applications for public rental housing, and about 142 800 non-elderly one-person applications under the Quota and Points System. The average waiting time for general applicants was 3.6 years. Among them, the average waiting time for elderly one-person applicants was 2.0 years.
・ロイターによれば肉体労働の低所得者はこんな感じ
ケージに暮らす香港の低所得者、政府救済策は届かず
http://jp.reuters.com/article/idJPJAPAN-32813320080718
これでも2万円/月(檻のスペース1つにつき。おそらく光熱費込み?)くらいするらしいですが。
・かつては、建築面積という業者が適当に決めた面積を元に賃貸売買をしていたが、最近は、実用面積という内寸実寸の表示が義務づけられた。
・賃貸の仲介手数料は片手0.5ヶ月。両手なら2倍。ADはなさそう(必要ないため)
・売買の手数料は売主、買主が各1%なので、片手1%、両手なら2倍。手数料は安いがミニマムでも億円なので、これでもいいみたい。

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■日本人の存在感

・日本人の作ったもの(農業、工業製品やコンテンツ)は尊敬されているが、日本人は予算と購買力がない&意思決定が遅い という点で、まったく相手にされていない。とのこと。

グローバルブランドの日本向け専用ラインが閉鎖されて、アジアパシフィック地域の日本(@シンガポール)などに併合されてしまうのも分かる気が。

・日本人相手の賃貸業者の人の悩みも「日本人客の予算が減って困っている」だそうです。

■設備面

・50階++のタワーマンションに露出配管。どうやって修繕するのだろう。

・3億円くらいの高級コンドでもフィニッシュ(塗りの品質など)は日本の低価格物件と同じ。

・だが、塩ビやプラスチック、ダイノックシートなど偽物ケミカル素材はあまり使っていない様子。日本ならダイノックかな-。という部分は、だいたい石タイルが貼ってある。
台湾ではダイノックだけで和風を演出した寿司屋があった。カウンターテーブルが、日本なら無垢の一枚板。という見せ場の重要パーツが木目調ダイノックの一枚板風で笑ったが。文化の違いかな。

・壁は壁紙ではなく塗りである。どの部屋も、玄関あけたらすぐにリビング。リビングを抜けて各部屋に続く廊下。リビングと廊下には間仕切り扉なし。この間取りは特徴的か。

・海外の築古レストランは危ないのではないか。水質が。日本でも小規模ビルでは同じだが。じつは、そういう理由で、私は日本では築古の小規模レストランには行かない。レストランは給水管で選べ。ということである。日本なら給水管と貯水槽が汚いといっても限度はありそうだが、中華系の国で築古から出る水は怖い。水質検査OKでも十分に汚い水はありますからね。

・今回見たのは高級物件ということもあり、天井高は最低でも2.7-3.0m++くらい。日本の天井高は世界最低ではないか?最低天井高の規制などあるかと聞いたものの、知らないとのこと。

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■日本人が見ると必ず驚く竹の足場

・現地人の感覚では鉄足場より安全。その理由。竹は、しなるから。らしい。
・実際には竹の足場は圧倒的にコストと時間が早いということで現役利用されている様子。
・豊かになった香港では、とび職はなり手がいない。だが必要な仕事なので国がお金を払って養成している

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■感想

さすが沸騰都市でありました。日本人も学べるところが多いかと。

・職業間の平等という考え方はやめるべき

日本でも、地位と給料は低いが、社会で必要とされている職種をこころざしやすいように、そのような労働者たち(企業ではなく)に補助金を出し、職業訓練から就職までを世話して、なり手を育成するといい。防衛大のモデルを他にも適用すればいい。
保護が手厚ければ、自由競争であれば来ないであろう優秀な学生を拾えたりして業界全体のレベルが上がる。
その逆もあり。バイオの優秀な学生に仕事がないとか社会構造が非効率過ぎる。あり得ない。国が食わしてやれ。

・業種により税率変えるべき

儲かるけど社会の役に立たない業種には高い税金を課し、育成したい業種については税制優遇を提供するべき。平等で公正である必要はない。きれいにいえば選択と集中である。
日本は産業に対する政治のイニシアチブがない。極端な話し、DSとPS4など国産品を買う人には税控除、XBOXは適用除外とすべきなのだ。
そこまでやると自由貿易協定とか、そういう問題もあるのかもしれないが。なんでもきれいにやって生き残れる時代ではない。
国策で民意を誘導して、ひとつの産業的な目標をみんなで共有という概念を取り入れるべき。


2016/02/14更新