[M1-2016]ドバイ再訪

訪問日 2016年3月

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トップ画像は、お約束のブルジュ・アラブ外観と2Fのカフェ。宿泊もしくはレストランの予約がないと中には入れない。宿泊はスタンダードルームでも現在は20万円前後。

今回は、2回目の訪問ということもあり、写真を中心にして簡単な解説のみ。
初回の2009年訪問はこちら

ドバイ 2016

ひとことでいうと、現在のドバイは、こういう国だろう。

かつて、石油で蓄財した富。
石油が枯渇したあとは、今まで蓄積した資金を使って大規模な開発を行った。
都市開発のテーマは「世界で一番いいものを集める」だろう。観光収入への依存度が高いので、世界で一番にこだわり、魅力的な街を維持することは重要なのだ。
世界で一番が好きなのはアラブ人権力者の国民性ということもあろう。

そのようにして、自らドバイに魅力付けをする。街が魅力的で人が集まれば都市は発展する。
そうなれば、今までは何もなかったために価値もなかった土地に経済的な価値が発生する。
つまり土地価格が高騰して流動性が生まれるのだ。

その方法で、価値のなかった砂漠の原野を、価値ある開発用地に化けさせた。
自ら街を開発して、一等地の不動産オーナーになり、永続的に賃貸収入を得るビジネスモデルだと考えれば良いだろう。

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ドバイはシンガポールに近い収益モデルだと考えることもできる。セーフ・ヘイブンでオフショアであるがゆえに近隣諸国からの投資や逃避を呼び込めている。
しかし、それだけではない。ドバイ自体がひとつの大きな事業体なのだ。主たる事業内容は観光と不動産開発である。
ローカルの人々はそこから上がる利益の分配を受け、何も生産していないにもかかわらず裕福な生活をしている。

そして、2016年現在では、その目論見による変身は概ね成功したといえるだろう。
昨今の原油格暴落により、センチメントに多少の陰りはあろうが、2009年ドバイショックのときのように壊滅的なダメージを受けることは想像できない。
経済的には非常に健全な街に育ったように見える。

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2009年訪問時は、ほぼすべてのビルというビルの上にクレーンが載っており建設中だったが、現在では、ブルジュ・カリファからブルジュ・アラブのあたり(中心部)の開発は、8割、9割方完了という雰囲気。

3月の涼しいシーズンということもあり、中国、ロシアほか各国からの観光客も多い。
ドバイでは涼しいことは重要で、夏はテーマパークなども閉鎖していることがある。タクシーも、雨が降る日に「今日は涼しくて良い天気だね」と言っていた。

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UAE人は、日本人や先進国の人々が驚くほど、みんな裕福。万国博覧会的なテーマパーク「Global Village」の入口にて。

以下のQ&Aは、ドバイで働くヨルダン人不動産業者、現地在住の日本人ビジネスコンサルタント、現地の出稼ぎホテルスタッフなどに聞いた話。

Q.日本では1億円、2億円くらいで富裕層と言われているが
A.それはドバイでは普通です。中小企業ですらそのくらい貯めているやつはいるだろう。税金がないからね。富裕層と言ったら500億円とかかね。

Q.それはすごい
A.2006年はもっとバブルだった。当時、1.5億円の不動産に申込みが入った。担当の営業職は2%のボーナスがもらえる。当時、私は営業ではなく管理職だったので、部下の営業職を誰か呼んで、書類にサインをさせようとした。すでに申込みが入っているので、サインするだけで数百万円の手数料がもらえるからだ。だが、当時は、その程度の金額では、みんな、いま忙しいから。と言って、来なかったんだよね。他で6億、7億という案件をやっていたから興味がなかったのだろう。当時は3,000万円/年(非課税!)くらい稼いでいるやつはたくさんいたね。

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(私たちは、ドバイでみなさんがさらにすごい体験ができるように働いています!)

Q.外国人がおおいね
A.ドバイは外国人が8割。誰でもできる仕事は全員外国人。外国人Laborの月給は5~10万円くらい。外国人はフィリピンなどから来るため、それでも本国よりは高い(本国は3万円程度)。UAE人は管理職。外国人の中で経済力があるのは、インド人、カザフスタン人。原油下落以降、ロシア人は不動産プレイヤーではなくなった。ショッピングモールで買い物をしているのは中国人、ロシア人。

Q.外国人は出稼ぎに来ると儲かるの?
A.儲かる。たとえばアドレスホテルのレストランの副店長クラスのスリランカ人の場合、月15万円程度の給料。これはスリランカの平均的な大卒者の10倍。食事や宿泊は雇用主が出してくれて、給料は非課税なのでお金は貯まる。貯まったお金の半分は本国へ送金。彼は7つの言語を話すことができて優秀な感じであった。フィリピンから来ている出稼ぎが多い気が。

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コンラッドホテル(1泊3万円くらい)のロビーにて。
High-net-worth(富裕層)っぽいファミリーがメイドを連れて観光していた。ベビーカーを押すのと、子どもに靴を履かせるのはメイドの仕事。メイドさんはおそらくフィリピン人で、清潔ではあるものの貧困層っぽい服を着ており、場違いな感じであった。ホストファミリー?の6歳くらいの子どもたちにまで、とても気を使っていて、疲れた顔をしていた。

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基本的にドバイでは何も生産していないので、生鮮食品もすべて輸入。街路樹の緑すら買ってくる。

Q.UAE人は何しているの?
A.国民の50%しか働いていない。働いている人の9割は政府関連の仕事。新卒の給料が60万円くらい。すぐに年収1,000万円くらいになる。しかも税金がかからない。税金を考えると23-24歳で日本の年収2,000万円くらいに近い金銭感覚であろう。
しかも別途、国からお金や自宅、週末用のバケーションハウス、アパートを建てるための土地がもらえる。融資ももらえる。
なお、サウジアラビア人も同様かそれ以上に国からいろいろもらえる。
サウジの若者は、国費でビジネスクラスのチケットが支給され、米国に語学留学に行かれる。しかも小遣いを月に1,500ドル(17万円)もらえる。
前に違うサウジ人から聞いて、いやー、絶対盛ってるだろう。と思って、半信半疑だったのだが、これは本当とのこと。

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ブルジュ・カリファの122階にある展望バー。At.mosphere Burj Khalifa 紅茶を飲んだら3,000円、グラスワインが6,000円。というようなレートである。

Q.店が遅くまでやっている
A.アラブ人は夜型の生活をしている。昼は暑いから。バーが混み合ってくるのは12時以降、ショッピングモールは深夜2時くらいまでやっていたりする。

 

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2009年は建設中で中に入れなかったブルジュ・カリファが完成していた。プロジェクション・マッピングで著名不動産デベロッパー、エマールのPRが出ていた。

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揃いも揃って、偉大なるブルジュ・カリファの写真を撮っている人々。このあと噴水ショーをやるので、みんな待っているところ。

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ブルジュ・カリファの中にはアルマーニホテルがあり、1泊8万円くらい。

部屋はシンプルなので、アルマーニに特別な思い入れがある人以外は、ああ、こんなもんか。という印象ではないかと。

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ビジネスラウンジの奥にある謎のスペース。アルマーニ作でなければ、まだ作りかけなのか?と思ったかもしれない。

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ホテルエントランスには高い車が停まっている。バレットの人はきちんと運転できるのかな?バレットは高い車に傷を付けても免責という規則になっているそうな。

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2015年12月31日に火事を出したホテル。アドレス・ダウンタウン・ドバイ。まだカバーをかぶっている。ドバイに限らずかもしれないが、超高層ビルは火災に弱い?

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ブルジュ・カリファ隣接のパレスホテルのロビーカフェ。内装はとてもきれいでした。

なお、観光とホテルはドバイの重要な収入ということで、税金のないイメージのドバイにしては高額な徴収をされる。
宿泊料の20%(Most hotels charge a 20% tax on stays as it is: which is made up of a 10% municipality fee and a 10% service charge.) +AED 20(Tourism Dirhamとよばれる固定金額の税。5星ホテルの場合は20でそれ以下だと少し安くなる)という税がかかる。
無許可のairbnbは違法となった。Dubai Trade commerce marketing (DTCM) に申請して許可取得が必要。ただし最低20部屋以上運営することが必要など個人や小規模なオペレーターは排除される仕組み(an individual with less than 20 properties in his or her portfolio cannot register)

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ブルジュ・カリファ周辺のダウンタウンでは、エマールが中心に開発を進めている。2009年はパーム・ジュメイラを開発するナヒール(Nakheel)のほうが目立っていた気がするが、ナヒールの財政難により逆転。
なお、パーム・ジュメイラのヴィラは2009年のドバイショック当時、戸建て1軒で3億円くらいであったが、いまは9億円(AED 28.5M)くらいに上昇している。

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ドバイ中心部の開発は落ち着いたとはいえ、東京や欧米の主要都市と比べれば、いまだに、すごく大きな規模で開発は進んでいる。

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ブルジュ・カリファに隣接でオペラハウスも建設中。

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世界最大「級」の大きさを誇るショッピングモール。ドバイモール。世界最大の予定だったが、中国ほか他国も大きなモールを作っていて越されてしまった。Dubai Expo 2020のPRも放映されていた。

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そのため、ドバイ・モールは再び世界最大を目指して(?)面積を拡大工事中。

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2009年に来たときは、それほど人がいなかった気がするが、リテール スペースは、ほぼすべて開業しており、来客も多い。
統計によれば、2009年は3900万人の来場者、2014年は8000万人と増えていて順調な様子。

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広いので、休日の池袋西武、東武ほどの圧迫感はないが、結構混んでいた。

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ブルジュ・アラブのレストラン。アル・マハラ。2人で簡単なランチ+軽く一杯で計6万円くらいかかった。地元の人がいうには、味は普通という評判らしい。

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投資やビジネスとは関係ないがアラブのローカル菓子デーツ。ドバイモールのなかのアラベスクというお土産屋で様々売っている。

■FALCON CITY

プロジェクトの概要はすごいが、まだ、ほとんど開発が始まっていない
・総工費USD 3B(3,000億円)は自己資金で確保済みとのこと
・ヴィラがいくつか建っているがすでに売り切れた(つまり、いまのところ、内覧できる売り物はない。どおりで営業の人がやる気がないわけだ)

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新興開発地区、ファルコン・シティを見学。開発地区の入口にあるセールス・オフィス。さて、どんなすごい街並みができあがっているのか。

(計画の概要については、[M-2]ドバイ・プロパティ・ショー@香港 に詳しく書いてあります)

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と思いきや、まだこの程度しか作られておらず、

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とりあえず土地はおさえた。造成は済んでいて道路は作った。という状態。来月から完成予定モデルにある「ピラミッド」のうちのひとつを作り始めるとのこと。

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開発会社の人に案内され、現場を見てきたが、まだ埋め立てが済んだばかり。
・埋め立てが済んだばかりだが、まだ完成していないコンドミニアムが既に完売
・購入者はドイツなど欧州、チェコ、ロシアなども

(こらちも、計画の概要については、[M-2]ドバイ・プロパティ・ショー@香港 に詳しく書いてあります)
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島の入口付近には、すでに開業しているホテルもあり。周囲には何もないが、年間平均すると80%以上は宿泊が埋まるとのこと。需要は旺盛な様子。

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まだ建設中のマリーナビューのコンドミニアム。すでに完売。5,000万円前後~の価格帯だそうで。

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先に道路だけ作るのがドバイ流。本当に何もない。

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埋め立ての人工島の入口にはセキュリティゲートがあり関係者以外立ち入り禁止だが、勝手にヨットで乗り付け、上陸して遊んでいる父子。

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「ボス!よくわかんないやつが勝手に入ってきて遊んでますぜ!」と通報する開発業者の人。

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本当に何もなくて、これから開発される場所。青写真のマスタープラン通りに事が運ぶのか。作ったところで需要があるのか。

このあたりは、現地で不動産関係の仕事をしているでもなければ、なかなか分からないですね。
なお、現在のドバイでは、外国人が融資を得るのは簡単ではないようです。


2014/04/23更新