[A6-2017] 中国(深セン)


深セン証券取引所

深センから見た東京

深圳は中国なのにQOL高めかもしれない。


コンベンション・センター
街ができて、まだ30年。やはり新しい街は住みやすい。池袋よりもきれいである。


市民の移動は電気自転車とシェア自転車なので、思ったよりも空気がきれい。ロイターの写真のようにマスクをしないと外に出られないということは深センではあり得ない。

建設ラッシュも終わり建築車両の粉塵もない。街が歩ける。使いやすい地下鉄網。屋上緑化、人車分離など都市計画に頭を使った形跡あり。公園に緊急時の電源備蓄があったり設計思想が近代的。高層ビルが建ち並ぶ街なのに広い公園がいくつもあったり。


翠竹公園。砂埃で空が曇っているのではなく天気が曇りというだけである。空気はきれいである。

混んでいるわけでもなく閑散としているわけでもなく、ちょうどいい密度。未来の中国が各都市ともに、こんな感じになるならばすごいことだ。
英語はまったく通じないのでiPhone翻訳だけが頼りである。ということは、中華圏の需要だけで1,000万人の都市が成立している。中国で作れる食品や衣類は安い。輸入物は日本より高い。日本の地方都市くらいの物価か。


スターバックス的な近代的デザインの店舗も一般的で数多くある。

テルアビブ、ドバイ、シンガポール、ボニファシオ、そして深圳など新しい街は、みなとみらいのように、きれいで広い。
東京のQOLは世界最高だと日本人は信じているが、じつはそうでもない気がする。
特に最近の東京は、サイディング材の外壁にダイノックシートの内装。アジアのメイド部屋ほどの狭くて天井高の低い室内。工場で大量生産した衛生的ではあるが低品質な食品。自然が少ないのに花粉だけは飛んでくる。そういうのが標準的な生活になっている。
確かに安全できれいで省エネだが、豊かで楽しいとは言いがたい。
昭和のバブル崩壊以降は政治にイニシアチブがないこと+失われた20年で失われたものって、こういうものなのではないか。

深センから広州へ

広州も中心部の道路はしっかりしている。
広州(天河エリア)は20年前の日本のようである。発展途上ながらもあり得ない感じではない。フィリピンやタイなどとはレベル違い。

ヒアリングした人
広州で時計のベルト革を作っている会社の社長。中小企業のおじさん風の日本人。広州に20年近く住んでいる。

中国の変化

・低レベル外国人は居住させない方針
近日中に外国人の居住継続には、大学卒業証明、無犯罪証明が必要になる。外国人はA類(外国ハイレベル人材)、B類(外国専門人材)、C類(外国一般人材)とランク分けされるとのこと。
https://www.dir.co.jp/research/report/overseas/china/20161125_011441.html
・道徳観
中国も最近は道徳や先進国ルールについて学校で教えるようになった。
そのため、教育を受けた子供は信号を守る。古いおじいさんは子供に「大丈夫だから渡っちゃえよ」と言う
・国民性
「中国の民はまともである。この先も良くなっていく。中国はどんどん変わっている」とのこと。確かにそうかもしれない。
・IT普及率
とにかくみんなモバイル端末大好きで、いたるところにQRコードあり。電脳街も多いため、仕事のできるSEやプログラマーもすぐに増えそうである。ちょっとした業務アプリやゲームプラグラムが中華の仕事になる未来は近いと思う。
・ワーカーは人材不足
近隣の開発バブルで内陸から出てきた田舎のワーカーが開発一巡のため帰ってしまった。内陸も開発ラッシュで仕事があるので、ここに長居しない。
その一方で教育熱が強く全体的に高学歴化。そのため大学を出ても就職に困るという問題も。
一人っ子政策のため、それなりの家庭で育った若者は実家に帰ればなんとかなるので昔ほど一生懸命に働かなくなった。昔は田舎からバスで3日かけてやってきたような若者もいて、そういうやつらは朝8時から夜12時まで働いていた。

ビジネスと中国バブル崩壊


事務所内での人の詰め方が中国的である。窮屈ではないのだろうか。

・中国独自の商慣習
ビジネスの支払サイトが長い。とりあえず売上を立てて支払い前に使い込んでしまう社長も。旧正月前には貸借を精算しなければならないのにお金がなくて夜逃げすることも。
・中国バブル
広州、深センの開発は一巡した。バブルは落ち着いたが日本のバブル崩壊とはちがってブームが去っただけで急激に冷えることはないのではないか。
なぜなら資本主義国とはルールが違い、日本人の考えの及ばない経済システムになっている。資本主義的には計算が合わなくても、中国では勝手にお札を刷ったり、債務を払わないなどの策もある。
・シャドウバンキングの崩壊は
シャドウバンキングとは口約束や信頼関係により成り立っている貸借のことではないか。不明。


ちょっとした賃貸オフィスの月額賃料は、平米100元(1,600円。坪5,300円)から。金融センタービルは800元(坪4万円以上)と東京のTier1~2エリアと同等で高く感じる。


中国人は、原色LEDと液晶モニタと生ジュースが好きなようだ。

汚職と賄賂

・最近の事情
都会は以前ほどではない。巨額の賄賂を得て海外に逃げた官僚は国際指名手配されて、たまに逮捕され強制送還、懲罰、テレビ報道となっているが氷山の一角のまた一角にすぎない。
・ひと昔前
10年くらい前は田舎の工場には、ぱっと見た感じからして暴力団風の公安と役所の人がセットでやってきて、1現場あたり20万円くらいを払うように要求。工場は100件単位であるのでそれなりの額の賄賂となったはず。
・人権意識
最近は、多少、人権について考慮されるようになった。以前は強制立ち退きがすぐにできたが、最近は、お金を払って納得してもらうのが前提。それでも立ち退かない人は、ロイターなどの写真にも出ているように、当該の部屋のみ残してほかは壊すというようなことが稀に行われている。
・著作権意識
最近は違法コピーの露天は禁止になった。確かに一度も見かけない。

中国の人民が「いま」必死に働く理由

 
2つの中国

広州の中心部も、金持ちが住むエリアは、お台場や みなとみらい的で、表面的には池袋や高田馬場より、よほどきちんとしている。
東京でいえば「港区」のような雰囲気である。

経済発展のフェーズとしては所得倍増計画中。普通の人の生活感は20-25年前の日本という感じだが、
7年前にいくつかの都市を巡ったときとは格段の変化である。わけのわからないことにはなっていない。


中国だから期待しないほうがいい。と思ったら最近はそうでもない感じである。

広州中心部のコンド(というか高級tenement)は、27平米1500万円、76平米5600万円、105平米6880万円(1RMB=16円)など、2017年現在の練馬や板橋などと同じ平米単価。
広州の新しいエリアのショッピングモール”天河IGC”は去年の10月にできた。まだテナントが半分も入っていなくて人影もまばら。

それは、このモールが現在の広州の経済発展フェーズよりも一歩先に位置するからではないだろうか。
ここにあるシンガポール系列のカフェ”TWG”で座ってお茶を飲むと1000円以上するので、このあたりの平均的な年収である200万円++の人は入ることができない。
この所得水準を高めなければ一般的な人民が近代的なショッピングモールを気軽に利用するには至らない。

ドバイやシンガポールとは違って、ほぼ内需しかないため、そうならなければ、ジョホールバルのように開店休業になってしまう。
おそらく、このような経済の循環を作るために、中国指導部は2020年までに所得を倍増させる計画(2010年比)をしている。
これがうまく行くと、中国のアッパークラスの平均的な生活は、豊洲や月島のような感じになるのかもしれない。
日本では、給料の安い事務員的な仕事でも、ハイクラスな外資系サラリーマンや中小企業経営者、いずれも、それほど生活感は変わらない。
家はきれいだが狭い、昼はコンビニのパン、電車は混んでいる、iPhoneを持ち、子供は大学へ、たまにはデパートで高級品を買い、年に一度は家族旅行に行かれる。
先進国の一般的な生活である。
しかし、中国では、それは限られたアッパー層だけである。そして、10億人のすべてがこの生活を手に入れることはできないのは、計算上、すでにわかっている。
中国人が労働や教育に必死なのは、いまがまさに先進国的な生活のアパークラス人民となるか、床にたんを吐く旧来型のブルーワーカー人民のまま取り残されるか。分け目のタイミングだからではないか。

人民網日本語版より
http://j.people.com.cn/n3/2016/1116/c94476-9142209.html
中国労働学会の蘇海南・副会長は、「2020年までに、中間所得の労働者の総数が今より30%以上増えて2億7千万人となるとして、その扶養家族を加えると、中間所得層は約4億人になる。そうなると、中間所得層の人口全体に占める割合は28%以上になる。今世紀中ごろまでに、『中国の中間所得層を中産階級にし、その総数を人口全体の約70%に当たる9億6千万人以上にする』ことを目標に掲げることができる」と指摘している。


2017/03/26更新