[E7-2017]ニュージーランド(クライストチャーチ)

ニュージーランドのクライストチャーチについて

主要産業が農業ということもあり、東京とはまったく違う国である。
都会生活と資本主義に慣れた人が行くと異次元の生活。疲弊した資本主義社会が次に選択する社会システムの見本かもしれない。

近代的なスローライフ

フランスの田舎的な豊かな食生活と自然。スローライフ。建築は都会的(地震で壊れて再建築していることも影響)
コミュニティは米国的、日本の田舎的な家族付き合いが基本の文化。日本の田舎とは違って農業関係者も知的で富裕、若くて近代的。

ちょっと社会主義的

職業や大学により上下をランク付けする風土ではなく、お金を払っている発注者や上司が偉いという感覚もない。
お金はあってもなくても生活感は大きく変わらないと思われる。
高級品の店はなく高級車も走っていない。皿洗いなどブルーワークでも最低賃金は時給1,200円程度と高いので、貧しい人がいない。物価は高い。
ちょっと社会主義的な感じすらする。

国家戦略としての環境保護

環境保護を「NZ=少量だが高品質」という農業のブランディングに役立てている。
食品トレーサビリティのIT管理などは国主導で高度なことをやっている。
人々の環境意識は極めて高い。日本のように、環境といえば家電にECOボタン付けておけばば良いとか、環境保護=コストという考え方ではない。環境保護が生活の役に立っている。

移民制度

投資家ビザは2種類あり。
NZD 10M(8億円)を政府指定先に投資で無条件PR獲得
NZD 1.5M(1.2億円)を投資の場合は英語力や事業経験の形式審査ありだがそれほど敷居は高くなさそう。

投資家プラス[The Investor Plus (Investor 1 Category) ]

必要な投資運用額 NZ$10,000,000(1千万ドル=約7億6300万円※)
移民局が定める適格投資先に投資します。
投資期間 3年
最低事業経歴年数 無し
年齢制限 無し
最低英語力証明 無し
必要な滞在日数 初年度は不要、2年目と3年目にそれぞれ44日以上滞在する事

投資家2カテゴリ[The Investor Visa (Investor 2 Category)]

最低必要な投資運用額 NZ$1,500,000(150万ドル=約1億1500万円※)
移民局が定める適格投資先に投資します。
生活資金 投資資金以外に100万ドル (ニュージーランドへの送金の必要なし)
投資期間 4年
最低事業経歴年数 3年
年齢制限 65歳まで
最低英語力証明 英語環境でのバックグラウンドもしくはIELTS 3.0以上
必要な滞在日数 2年目、3年目、4年目にそれぞれ146日以上滞在する事

http://www.eastwind.co.nz/immigrant/imc.php こちらを参考にしました
※いずれも2017年3月時点の情報です。おそらく頻繁に変わります。

不足職種(shortage)は優先的に移民(PRかEPかは不明)できる。
現在不足しているのは、大工さん、カフェのマネージャー、ケーキ屋さんなど。投資移民政策によりオークランドは中国人だらけになり白人は少なくなった。クライストチャーチはまだ白人が多い。
中国人が増えすぎたため、投資家ビザは条件を厳しくしている。現在は国籍別に移民可能max人数の枠が設定された。

物価

タクシー価格は日本並み。運転手と車は日本よりも高品質。Uberはタクシーの半額以下。ただし、街の中心部のみ。
コンビニの物価は日本より高い。クリップなどの文具、ビニール容器など化学製品のようなちょっとしたアイテム。日本ならばスーパーで200円くらいで売っているもの。100円ショップにありそうなもの。これらは3倍くらい高い。コーラのボトル一本400円。市街中心部のカジノで売る瓶ビール1200円。
ローカル産の乳製品、肉、野菜は安い。

不動産

クライストチャーチの平均住宅価格は5年で2割上昇。一般的な家は4-5千万円程度。
https://www.enz.org/house-prices-christchurch.html
世帯年収は400万円程度。住宅は1,000万円程度からあり。
地型が良いとは 北と西に抜けている両面道路付け
南半球のため北から日が入るので北向きの家が日当たりが良い
クライストチャーチ市内中心部ではmax4階建てが基本。2階建てくらいの建物が多い。
住宅ローン金利は5.6%くらい。
物件価格は毎年必ず上がる前提。以前の米国と同様にローンの支払いを考えるよりも先に買う。家族構成の変化や価格上昇で売却して住み替える。
投資としては、金利>NOIのためネガティブ・スプレッド。そのため値上がりありきとなる。

毎年不動産価格が上がるので、事実上、建物の価値は減価しない。そのため耐用年数50年を超える建物の減価償却が廃止された(!)
http://www.ird.govt.nz/technical-tax/legislation/2010/2010-27/leg-2010-27-building-depreciation/leg-2010-27-changes-building-depreciation.html

クライストチャーチの地震(2011年2月22日)

地震基金により戸建ては10万ドル保証された
火災保険に地震保険がついていた。地震の実績がなかったためリスクが過小評価されていた
再建築費用の100%出るのが基本だが、契約の穴を付いて、本震、余震A、余震Bで、それぞれ全壊した認定を取り(計3回)300%を取ることもできた。

そのような契約の穴を付いて訴訟する訴訟代行業者
risk world wide
http://www.riskworldwide.co.nz/
world claim
http://worldclaim.net/

ビジネスのオペレーション損も保証された
一方、耐震基準が厳しくなり新築費用が上がったため、旧基準で計算した再建築費用の100%が払われても新基準の再建築では資金不足となった人も。

液状化により傾いた建物が多かった
全壊したのは構造計算上問題のあった1棟のみ
中国人と日本人の犠牲者が多かった。賠償金請求のフェーズで「中国は一人っ子政策で子供の価値が高いから日本人よりも賠償金を高くしろ」というクレームがあった。
生活保障の助成金は出た
民間の融資姿勢は変わらず
有事立法で強制立ち退き、取り壊しなどができるようになった
船舶コンテナを仮設住宅として使ったり、倒壊防止用のガードとして使われた。

ユニークな社会制度

マオリ族は国有地のRight of first refusal (ROFR or RFR)を持っているため不動産開発で有利。法律による保護が厚い。天然資源の利権も優先的に配分されるようになっている。
海外から来た旅行者がけがをした場合などは国が病院費用を全額負担(?)そうはならないという情報もあり。
刑務所の待遇が良い。3食ついていてケーブルTVテレビが見られる。それほどつらくない様子。年越しだけ刑務所で過ごす人も。泥棒は少なくないが重犯罪はほとんどない。

医療と教育

医療

GP制度(General Practitioner=かかりつけ医制度)あり。私立の病院は有料。国立は無料だがかなり混んでいて何ヶ月待ち。競争も少なく利便性は良くない。
「手術が出来る病院が少ないので手術カーが回っていたり、出産出来る病院が少ないから産気づいたらヘリで移動したり、出産とその後の病院は分かれているので産まれて24時間以内に他の病院に移らなくてはいけない」「その為に子供を乗せるカーシートの付け方を事前に病院にチェックを受けなければならない」とのこと。
医療技術は高いが日本とは違って大雑把とのこと。

教育

日本やシンガポールとはいろいろと違う様子。環境は良いようです。
お母様方いわく「日本より良い」「日本の学校に入れるためにお受験で疲弊するのは馬鹿げている」とのこと。

国家戦略としての環境保護

環境問題にセンシティブ。工場の建設はNGで自動車工場などはすべて撤退してしまった。
発電は水力と地熱がメイン
環境主義の政党が強い。街中での自動車禁止、化学繊維禁止などを提案しているが「さすがにそれは極端すぎて支持されないであろう」とのこと。

景観にもうるさい。メインストリートには洗濯物を干しては行けない。
庭の手入れをしていないと近所の人や役所の人から指導が入る。ルールではないがマナーとして。そのような教育もされている。

食料からエネルギーまですべてを自給自足できる農家も多くある。みみずなどを使った汚水の再処理濾過システムも普及している。

農業と林業

100% pureをキャッチコピーに国を挙げて農業のブランディングをしている
はちみつなどは、どこに巣箱をいくつ置いて、パッケージングはどこでどのような容器に入れた。というところまでトレーサビリティあり。
農協のような団体は民間がやっている。ただし、主たる役割は、海外輸出用の需要を営業して、農家に生産量を事前に割り当て需給管理する。そのため、毎年、違うものを作れる畑では豊作貧乏にならない。
農業や畜産をやりたい若者も多い。一方で廃業する人もいる。子供に継がせて土地を守るという発想はない。そのため農地の売買に流動性がある。

ワイナリー売買価格の例。NZD 4.2M 売上げ1.5M、利益率3割、10年++で回収。
最近は羊よりも牛の方が儲かるために牛に変えた人も多くいる(特にクライストチャーチ南部)
Silverstream Alpaca Farmstayオーナーによれば、所有する牧場のひとつはNZD 1.5Mで買ったとのこと。
なお、アルパカは種類によりNZD 300~5000位の様子。
http://www.trademe.co.nz/business-farming-industry/farming-forestry/livestock/alpacas

オーガニックだけでなく、グルテンフリー、なんとかフリー(忘れた)地産地消などもかなりスタンダードになっている。
林業もあり
紫外線が日本の7倍。そのため50年かかる木が30年で育つ。育つのが早いため密度は薄く建材としての質は悪いためMDF合板などに利用される

職業観

高校まではレベル別。高校のコミュニティは重視される。だが、レベルが上下という発想ではなく横の関係。
大学はカンタベリー=エンジニアリング、リンカーン=農業など専門分野別に学校が作られており能力順ではない。
もっとも尊敬される仕事は、ラグビー、オールブラックスの選手。

マネージャーや経営者、投資家よりも作り手が尊敬されている。農業が主力産業ということもあり
職業のヒエラルキーが欧米に比べてかなり少ない。弁護士だから偉いとか、ブルーワーカーは格が低いという発想は他国よりも少ない。
元会社経営者でexitした人が引退後にタクシーの運転手になることもある
10年同じ仕事をしたらステップアップ転職をする文化


2017/03/26更新