[A7-2017] タイ(バンコク・プーケット)

タイについては現地人並みに詳しい日本人も多いと思いますので、全体像は簡単に述べるのみとします。
バンコクとプーケットにて超高級コンド2棟を視察してきました。

バンコクの物価

 
ひと昔前のタイ、バンコクは、日本よりも物価が安く、日本人からすれば安くて楽しく休暇を過ごせる国でした。
現在はどうでしょう。左は「バンコクの観光名所写真」として必ず出てくるバンヤンツリーホテルのルーフトップ・レストランですが、普通に食べるとひとり1~2万円かかります。

近年では、サイアムパラゴン(バンコク最大のショッピングモール)でハーゲンダッツのパフェが1,000円を超えます。また、写真右のLADURÉE(ラデュレ)というフランス資本の高級ケーキ店では、ケーキがひとかけら380THB(1,270円)しており、「誰が買うんだ」という疑問とともに、先進国並みのクオリティを求めれば日本よりも物価は高いことが分かります。

観光と庶民の賃金

2017年現在、バンコクでの平均的な給与は、肉体労働で月1万バーツ(3万円)、英語とExcelが少し使えるちょっとしたホワイトカラー事務員なら、その倍くらい(5~7万円程度)のようです。
そのため、前述の高級菓子などは、一般サラリーマンが買える値段ではありません。
では、エクスパットと呼ばれる高給取りの外国人駐在員や、欧米観光客需要を当て込んでいるのかといえばそうでもなく、高級店には見るからに企業オーナー風のタイ人男性が家族連れで来ていたりします。
タイの高級品市場は必ずしも外国人頼みというわけでもなく、タイ人ビジネスオーナーの購買力は強いようです。これは経済ポートフォリオ的にというか、経済の安定性を考えると重要なことです。

タイ16年、観光収入7.8兆円見込む 外国人旅行者3200万人(2016.1.22 05:00_SankeiBiz)
>タイは今年、観光業の収入増に注力する。今年の観光収入は前年比9%増の2兆4100億バーツ(約7兆8084億円)を見込む。国内総生産(GDP)の1割に相当する観光業の活性化により、低迷する景気の底上げを図る狙いだ。

In 2016, tourism revenue, 2.53 trillion baht, accounted for 17.7 percent of Thailand’s GDP(Wikipedia)

産経ビズとWikipediaではGDP比の観光業のウエイトが異なり、多分、Wikipediaが正しいのではないかと思います。

日本人からすればタイの産業は観光依存のイメージですが、経済の内訳を見るには、観光以外に何もないわけではなく、電気、自動車などの製造業、資源、金融、小売業などもバランスよく存在しています。

消費の需要は旺盛のようで、5つ星ホテルのスパ(60分12,000円程度)も当日予約しようとすると埋まっていたりします(東京なら当日でも取れるのではないか?これだけで一概に判断できませんが)
少なくとも閑散としている高級店は少ないといえます。「お金があるなら使ってみたい。買ってみたい。もっと良い生活をしたい」みんながそう思っているということでしょう。このあたりがエマージング国の経済パワーにつながっていると思います。

バンコクの不動産ブーム

 
BTSエカマイ駅(ソイ61)などは、不動産バブルを思わせるコンドミニアムと高級家具店が乱立しています。2017年現在バンコク中心部では、ワンルーム~1ベッドルームなどひとり暮らし用高級コンドは3万THB(10万円/月)程度、2-3ベッドルームのファミリータイプは7-10万THB(20-30万円)という相場観。
1アイテムあたり20-30万円級の輸入高級家具もたくさん売られており、日本人から見てもまったく安くはありません。

現在のところは、ぱっと見た感じですが大丈夫そうなバンコク不動産。しかし、個人的には、バンコクの不動産ブームは崩壊局面が心配です(筆者はサブプライム危機の最中にドバイと米国不動産を見て回っていたこともあり、コンドが一度にたくさん建設されていると怖いです)

バンコクで一番高級なコンド「98 Wireless」

ネットでmost expensiveと検索したら98 Wirelessというのが出てきましたので、早速、アポなしで行ってみました。

場所はルンビニ公園という、NYで言ったらセントラルパークのような一番良い場所です。物件ロケーションであるWireless Roadは、日本大使館、米国大使館などが位置する最高級エリアです。

 
欧米の高級住宅街にありそうなクラシックデザイン。25階建て、77部屋、2017年の4月から本格的に発売開始で訪問日現在(開始から半年後)で、すでに6割が売れているとのこと。デベロッパーはSansiri Public Company Limitedという時価総額320億THB(1000億円)くらいの上場会社。タイのデベロッパーの序列は、
1.ランド・アンド・ハウス(Land & Houses Public Company Limited)
2.プルクサ・ホールディング(Pruksa Holding Public Company Limited)
3.スパライ(Supalai Public Company Limited)
同社はこれに次ぐ4番目の規模です。

 
エントランスがこの上ない高級感。言い方は悪いですが「タイなのに豪華」というレベルではなく、東京港区にもこのレベルの豪華なマンション共用部エントランスは存在しません。
むしろ、こんな高級なところをアポなしでも案内してくれたのがすごい。

写真に小さく写っているコンシェルジュのお姉さんは、当初三年間は依頼無料。その後は年間100万円程度で、ヘリをチャーターしたいなど難しい依頼も聞いてくれる。
ほかにも、ベントレーによる空港送迎が年に何度かまでは無料で頼めるなどVIPサービスあり。案内係のセールスの人も”the best”という言葉を繰り返し言っておりました。

 
iPhone撮影なのでホワイトバランスがいまいちですが「写真写りも考えて照明デザイナーを起用している」とのこと。コンドミニアムもフォトジェニックの時代(?)
内装はラルフローレン委託デザインで、共有部分家具はアンティークのいいものらしいです。

 
左は共有部のミーティングスペース、右はめずらしい3連のシャンデリア。

 
こちらも共用部。スパルームやネイルサロンルームもあり、お気に入りのセラピストを呼んで共用部分でそれらができるようになっています。
 
共用キッズルームは、タイにありがちな中華系のどぎつい三原色のカラーリングとは一線を画する欧米系高級デザイン。プールもあり。メンテもよく考慮しているのは先進国クオリティ。

 
窓からは米国大使館を見下ろす。室内の家具も非常に豪華で130平米が狭く感じる(というか欧米的なスペースの取り方のため)
家具は、Sub-Zeroというブランドの高級冷蔵庫などを使用。天井高が高い。


お値段は130平米で3億円ほど。家具がないと1-2千万円安い。もちろん、メイドに掃除を頼んだり、食事を部屋まで運ばせるなどはデフォルトサービスです。

こことは別ですが、The Siamというバンコクで最も宿泊が高いホテル(最低7万円くらい)も見事でした。私は仕事柄もあり、一般の人よりは、高級な不動産やホテルを東京でもたくさん見ていますが、
そんな先進国からやって来た、目が肥えた人でも見たこともないような超高級な空間がバンコクにある。その事実を日本人は認識すべきだと思います。逆に言えば、タイよりも日本の方が遅れていたりチープだったりするわけです。
静音設計、窓サッシュの気密性、内装フィニッシュの丁寧さ、メンテナンスなどは日本強しですが、総合評価では負けることもあろうかと思います。

One Bangkok

こちらはまだ作り始めたばかりのようですが、98 Wirelessと同じくらい良い場所(日本大使館の真横で広い)にあります。


最終的にはCGのようなコンプレックス(複合施設)になる様子。98 Wirelessとはテーマ性が異なりますが、バンコク最大のプロジェクトになることは間違いないでしょう。

プーケット アナンタラ・レジデンス Anantara Layan Phuket Resort, Choeng Thale

 
最近はレストランのみならずホテルもフォトジェニックを意識しているようです。タイの沖縄(?)プーケットの高級レジデンスを見てきました。
さて、プーケットはバンコクよりもさらに物価が高いです。空港からタクシーに45分ほど乗ると3,000円近くかかったり。30年前の日本の農村のような民家が点在する島なので物価が高い雰囲気はなく、もはや、なんででしょう。というレベルです。

プーケットではアナンタラ・レジデンスを見てきました。アナンタラとはタイでは有名な高級ホテルチェーン(上場企業)です。
6ベッドルームで2億円前後。全部で16部屋ほどあり営業3年目で確か半分弱は売れた。大きな部屋のほうが人気の様子。
3階建ての一番大きな部屋はタイ人のビジネス系富豪が買って、毎週、泊まりに来ている。大家族や親戚、会社の人などを連れてきている様子。タイの富裕層は消費意欲旺盛だ。

 
エントランス
 
リラックス用屋外エリアが広すぎて、思わず、「ここはレジデンス所有者の共用部分か?」と聞いたら「プライベート!」とのこと。案内は不動産業者ではなくホテルのバトラーがやってくれた。
 
屋上に上がると、そこは絶景。アナンタラのホテルとは別格であった。

 
これもすべて専有部分にあり、ここだけで、ひとつホテルが開業できそうな広大な敷地とゆったり感。


写真右のような独立した家のような部屋が6部屋ある。2階建て。たくさん部屋がありもはや間取りを忘れた。
結婚式などで大人数を集めるにはいいと思う。日本からのアクセスは悪いが。

 
内装は、驚愕というほどではないが、アナンタラのホテルデザインを踏襲しており、シンプルなリゾートデザインの外資系5星ホテルという感じ。

 
ここでユニークなのは、やはり大人数パーティーを想定して設計されている点。左は調理スタッフなどが作業する部屋。ホテル厨房と同じ設備があるので、アナンタラのホテルほかからお気に入りのシェフを呼んできて調理させ、パーティーができる。
右は専有部分にあるスパルーム。こちらもセラピストを呼べる。喫煙部屋が日本の家より広い(写真なし)


じつは、このレジデンス。まだ売れていない部屋はホテルと同様に宿泊ができる。写真の部屋は一泊60万円。
このあたりは、新築やプライベートなスペースには他人を入れない。ましてやオーナー不在中に第三者の立ち入りなどあり得ない。という日本の感覚とはことなる。


2017/09/18更新