[X7] 海外積立投資(オフショア生命保険)の裏側

※ご注意※ 下記は、筆者が推奨する金融商品ではありません。どちらかと言えば推薦しません(2014年2月作成)

総じて

・金融の理論として、25年も米ドルを寝かせておけば、何もしなくても年間3%複利くらいの利回りが得られることを知るべし
・そのため、最初の軍資金の半分で長期債を買い、残り半分を株に投資すれば、元本確保しながらリスク資産に投資して積極運用することは手数料ゼロで自分でできる(豪ドル建ての元本確保型ファンドのような商品)
・債券や金利フォワードの原理を理解していないと、これらの商品は魅力的に見えてしまう(素人は、金利フォワードと元本確保に騙されやすい)
・なぜ手数料ゼロでできることに高い手数料を支払う必要があるのかを考えよう
・金融市場で有利な運用をするには、ただ々、ブローカーに手数料を支払わないこと。これ以外には秘訣はない。上場商品で組まれているポートフォリオに限って言えば、有利な商品というものは存在しない。すべては市場のルールに従うのみ
・無知な人が高い手数料を支払うのはどの業界でも同じなので仕方ない

有名な会社

・フレンズ・プロビデント(日本人の受け入れ中止)
・ハンサード
・スタンダード・ライフ
・エイジアス
・ロイヤルロンドン
・インベスターズ・トラスト(米系・ケイマン籍)

これらは、保険会社の看板でお金を集めているが、保険に充当される資金は1%のみで実質的には積み立て型の投資ファンドである
積み立てた資金をどのファンドに投資するかは、選択できる
そのため、運用リターンはファンドの成績次第
すなわち、25年で1億円貯まるなどのPRは完全にウソである

買い方

・香港、シンガポールなどのIFAと呼ばれる代理店経由で申し込み
・資金の送金は、代理店経由ではなく運用会社に直接(代理店が資金を使い込むことはできないプロテクション)
・代理店を経由する理由は、保険販売免許の許認可の問題
・代理店の仕事は、日本語訳や運用開始後の運用者と投資者の手続きのつなぎ
・代理店の方針でどのファンドに投資するかが異なる。=同じタイミングで同額を投資しても結果は異なる

ルールと手数料

・積み立ての期間は原則25年
・最初の24ヶ月(ファンドにより異なる)に積み立てた資金は、解約や24ヶ月以内に積み立て停止すると没収される
・この資金は満期まで返ってこない
・この24ヶ月分×4.8%~8% が手数料 手数料8%だとすると、うち4.5%が代理店利益、残り3.5%程度が日本人ブローカーの利益となる
・人により異なるが月額$500の積み立てが多いので、最初の24ヶ月分、約120万円はブローカー手数料だと思った方が良い
・日本人ブローカーは販売時にも積立額×年数×1-3%の販売コミッションをもらえる。概ね1回45万円程度
・積立金はクレジットカードで支払いできるが1%程度の手数料を取られるファンドもある
・24ヶ月を過ぎれば、積立額の減額、積み立ての一時停止などができる
・24ヶ月以降に積み立てた分については信託報酬年1%程度
・考え方としてはドルコスト平均法
・ファンドは選べるがiSharesなど誰でも手数料ゼロで買えるものだったりする

課題

・海外保険の掛け金は日本の税務上の控除を取れない
・101型と呼ばれる保険商品は、今までは証券を規制する金商法の対象外(保険なので)だったが、最近は規制対象になりつつある
・Capital Redemption型と呼ばれる保険が付いていない商品は、完全に金融商品扱いで金商法の規制対象
・相続時の手続きが不明または複雑、時間がかかる
・満期時の課税に特典がない。雑収入になってしまう?
・101型は25年経過後も投資を継続できるが、その場合、いつが日本税法上の満期なのか?

テクニカルな話題

・なぜ1%だけ保険にして保険商品を装っているのか
→イギリスでは保険商品内で運用した利益に対して引き出すまではキャピタルゲインがかからなった
→マン島では保険会社が破綻した場合、払い戻されるべき金額の90%をマン島政府が保証しているため形式上、保険にしている

玉川の考察

・手数料体系が煩雑で、実質的にいくら取られているのかわかりにくい
・25年で1億になる。というPRは完全にウソで「奇跡的なパフォーマンスが25年間続けば1億になるかもしれない。ただし、他の手数料が安いETFを買った方が、もっと早期に資金が増える」というのが正しい
・最初は手数料が高いけど、25ヶ月目以降は安いですよ。という触れ込みのはずだが、25ヶ月目以降も1%取るので、最初に高額な手数料を支払うメリットがない
・普通に自分でいくつかのETFを分散して積み立て購入した方が良い
・月々$100とかで、お金を賭けていることによって経済に興味が持てるから収益度外視でやってみる。などはいいと思うが、運用目的で買うにはメリットが見当たらない
・保険として考えると税制メリットがないので、意味がない。満期時の返戻金が雑所得扱いでは目も当てられない

この記事について、さらに詳しくは「プロも驚きの安定・高利回り! 海外ETFとREITで始める インカムゲイン投資の教科書」で解説しています


2017/10/11更新