[U1-2010] サンフランシスコ

2011/07/24更新

サンフランシスコの不動産

訪問日:2010年6月

サンフランシスコの不動産

サンフランシスコの不動産

サンフランシスコは、アメリカ西海岸に位置する所得水準の非常に高い街です。ゴールデンゲートブリッジ、観光用ケーブルカーは世界的に有名です。またシリコンバレーにからも近く、IT系のビジネスも多く生まれている街です。

サンフランシスコのベイエリアと言われる西海岸屈指の高級住宅街と不動産投資環境をレポートします。

世界最高峰の邸宅街 Pacific Heights

ここよりすごい邸宅街は他にあるのか?世界最強のレジデンシャルエリア

いきなりですが、サンフランシスコには今まで数多くの都市を駆け巡った筆者から見ても世界最高峰と認定できるPacific Heightsという高級住宅街区があります。物件の価格も中途半端なものではなく、一軒の家が$40 million(40億円)もするような邸宅街、というよりお城のような物件が建ち並んでいる地域です。

ここよりすごい邸宅街は他にあるのか?世界最強のレジデンシャルエリア

そして、本当にスゴイのはPacific Heightsの中の4×5ブロックくらいのごく限定された地域。観光地ではないのでガイドブックには載っていないようですが、一見の価値ありです。

ここよりすごい邸宅街は他にあるのか?世界最強のレジデンシャルエリア

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もう、個人の家というレベルではない。これは城か!? このように、個人の家なのか大使館か何かの公的機関なのか区別が付きにくいほどにゴージャスで巨大です。今まで見た世界の住宅街の中では一番高級感がありました。

ここよりすごい邸宅街は他にあるのか?世界最強のレジデンシャルエリア

こちらが実際に$40millionで売りに出されていた家。当然、内覧などはできません。

ここよりすごい邸宅街は他にあるのか?世界最強のレジデンシャルエリア ここよりすごい邸宅街は他にあるのか?世界最強のレジデンシャルエリア

ライオンの門番がお出迎え。

そして、さらに驚かされることには、この界隈では、$40millionの家が際だってスゴイというわけではなく、周りの家はすべて同じくらいのレベル感を保っており、この街区だけは完全に別の街並みを作り出しているのです。完全に違うオーラが出ています。そして、なぜかこの街区だけあからさまに道路の整備状況も良いです。

有名人が住んでいても全くおかしくない。というより、有名な人しか住んでないと思われます。銃を持ったprivate securityの人が付近を見回りしている中、散歩してるふりして前を素通りしてきました。

ここPacific Heightsには、日本の金持ちとはレベルの違う人々が住んでいるのでした。

ベイエリアの高級住宅

Pacific Heightsのあとでは、どんな住宅も見劣りしてしまいますが、サンフランシスコはMarket St,よりも北側は、Pacific Heightsをはじめ、Marina District, Cow Hollow, Fisherman’s Wharf, North Beach, Nob Hill, Russian Hill, Telegraph Hillなど、(Tenderloin, Chinatownなど一部を除き)ほぼ全地域が高級住宅街です。

そのエリアの物件を3件見てきました。

1件目 Pacific Heightsの集合住宅

前述のPacific Heightsの高級邸宅街よりも少し東側、 Alta Plazaというきれいな公園が近くにあるエリアです。

Pacific Heightsの集合住宅

 Pacific Heightsの集合住宅

いわゆる閑静な住宅街です。歩行者道路が広いのと、メンテナンス状況の良い緑が印象的でした。

Pacific Heightsの集合住宅

オープンハウスの看板に導かれ入ってみたのがこの物件。このビル全部ではなく1ユニットのみです。

サンフランシスコには、この物件のように、ひとつの建物に5-6件の世帯が入っている小規模アパートのような構造の物件がたくさんあります。そして多くは築100年近い大昔に建てられたもので、メンテナンスをして現代に引き継がれています。構造は木造です。修繕でつぎはぎを重ね、100年前のオリジナルパーツはほとんど残っていないかもしれません。

価格は$869K, 1,962sq.ft.(182平米/$4,700平米)、駐車場$200/月、管理費$300/月 というスペックです。これでも、この界隈では高級の類には入らず中級物件でしょう。

Pacific Heightsの集合住宅

Pacific Heightsの集合住宅

Pacific Heightsの集合住宅 Pacific Heightsの集合住宅

ここの家主(女性)は、現在もこの物件に住んでいて、昼間の数時間、家主が出かけている間だけ不動産エージェントがオープンハウスをやっています。知らない人が居住中の家に入ってくることには抵抗はないようです。

空室率5%以下と言われる需要旺盛なサンフランシスコの北側エリアなのですが、その割にfor rent, for saleの看板をよく見かけるのも、この方法と関係があるようです。実際にはまだ人が住んでいるので統計上「空室」ではないとのことです。

確かに閑静な住宅街なのですが、築100年、耐震無し(We don’t careと言っていた!!)、防音製の低い壁、連棟式など、古いだけあって建物としてのスペックは低いです。外見は古いのに中はハイテク素材がぎっしりと言うこともなく、原始的です。おそらく歴史的街並み関連の規制で再建築不可の地域なのでしょう。

日本人の感覚からすると、そのようなスペックのアパートでも一棟ならば$5M~$10Mというのは、なかなか納得しにくい価格形成のように感じてしまいます。しかし、このエリアの清潔感、治安の良さ、住環境の良さ は、高い価格を維持するのに十分に魅力的なようです。

あえて言うなら成城学園前の高級住宅地群が雰囲気的に近いと思うのですが、成城で$5M出したら、建物のスペック的にもっとハイレベルな家が買えるかなあというところです。

なお、食事の評判が悪いアメリカでも、朝から$25以上出せば、東京よりもおいしくて安全な食べ物もあるのですが、この界隈ではそのような高級カフェに満員で行列ができていたりします。そのような高額な近隣施設の利用も含めると、この界隈に住むなら自宅含め純資産$3M、年収$200Kくらいは最低ほしい感はあります。

2件目 Telegraph Hillの戸建て

近所でやっていたオープンハウスを見に行きました。

Telegraph Hillの戸建て

Telegraph Hillの戸建て

Telegraph Hillの戸建て

外観だけで言ったら日本の2,000万円台の中古戸建てくらいのレベル感なのですが、家具無しで$1.4M也。

Telegraph Hillの戸建て

Telegraph Hillの戸建て

外見はとてもミリオンダラーの家には見えませんが、インテリアはお金持ちの家だけあり、アメリカン家具で彩られ、それなりの仕上がり。

この界隈だと、このくらいの価格帯の中級戸建ては狭いです。そして間取りが悪いなどの問題も。そのため、価格は高いですが、高級感はありません。なお、賃借にした場合のCAPレートは3-4%とのことで投資向きではありません。

例によって、オーナー居住中です。オーナーはこれを売って、もっと良い家に引っ越したいとのことです。アメリカ人は生涯で10回くらいの引っ越しをするのは当たり前なのだそうで、日本とは考え方が違います。

よくよく見ると日曜は、居住中だけど販売中という看板がいろいろなところに出ています。この物件も、この界隈に住んでいる人がひっきりなしに見学に来ていました。 なお、非居住者にもローンを出している銀行はありますが、手続きの煩雑さなどから、全額キャッシュで買う人が多いとのことでした。

3件目 Market St, にあるリッツカールトン レジデンス

表通りを歩いていたら、リッツカールトンブランドのサービスアパートメント販売中の看板があったので様子を見に行きました。

RTZC_Entrance_01 001

The Ritz-Carlton Residences, San Francisco
http://www.ritzcarlton.com/en/RealEstate/ResidenceDetails/SanFrancisco.htm

日本人の感覚だと商業地のど真ん中にあるすごいプレミアムな場所です。しかし、サンフランシスコでは、Nob Hill, Telegraph Hillなど、商業地至近という場所よりも海に近くて見晴らしの良い丘の上というのが高級住宅地です。

確かに、Market St, は麻薬をやっている人やホームレスが多いので、あまり住みたい場所ではありません。しかし、サンフランシスコの北側は、坂道がきつく駐車場がないという理由から、一般的なアメリカの都市とは違って地域内では車を使わないことが多いため、Market St,のような利便性の高い場所にも価値はあると思われます。

Market St, にあるリッツカールトン レジデンス
Market St, にあるリッツカールトン レジデンス

カメラを持っていなかったので、あとからカタログ写真を送ってもらいました。やはり商業用の写真というのはキレイというより全然印象が違いますね。実物もここまでではありませんでしたが、モデルルームは家具付きで、結構きれい&高級な感じの仕上がりでした。

主要なスペック

概要

  • 計57室
  • Union Squareの高級デパートなど商業中心地が至近
  • 現在、販売開始から2.5年目。販売開始してすぐに金融危機が発生。場所がよいところの割には販売に時間かかっています。
  • 3部屋売れ残り中

価格

  • おそらく平均物件価格は$1.5m~1.8m程度
  • 平米単価は$9,000程度で豊洲の高級タワーマンションと同等程度。
  • 売れ残っている部屋はオリジナル価格の30%引きになっている。
  • 30%も値引きして利益出るのか?と聞いたら、ほとんどの部屋は値引き前に売り切っているからOKとのこと。こちらは値引きがダイナミックです。日本でこれをやったら顧客を裏切るデベロッパーという烙印を押されてしまいます。
  • $1.3mの部屋の管理費は$2,600(parkingとジム利用料込み)ととても高いです。リッツカールトンブランドのサービスアパートメントなので日本のマンションと一概に比較はできませんが、あえて比較するならば、管理費は日本の高級マンションの3~4倍という水準です。高い管理費が売れない理由のひとつだと思われます。

サービス

  • メイドとケータリングは別途料金。
  • 共有部分にメイドが待機している部屋があるらしい。
  • ケータリングは目の前のパレスホテルから出前が来る。

販売状況

  • 日本人ですでにアメリカに3件の物件を持っているFさんという人が1部屋買った。彼は頭金を25%入れた。 こんなの教えちゃって良いのかな。あまり個人情報という概念はないのかもしれません。
  • 頭金は人によって全く違う。50%入れる人も。信用力次第。
  • 某有名飛行機会社の偉い人も一部屋買った。

その他

  • 施工主はリッツカールトン。通常は自社が施工主となることはないのだが、ここは特別とのこと。
  • unfurnished(家具は別途)

なお、2011年7月現在では、Fractional ownershipという形式で、1部屋を12個の権利(deed)に分け、一人あたり年間22日間使えるバケーションアパートメントとして販売しています。管理費には光熱費から固定資産税まですべて含まれているとのことです。2010年6月に訪問した際には、そのようなことは言っていなかったので、恐らく、単体で売り切れなかったたために区分に分けたのではないかと思います。それでもあまり売れていないようですが。

Market St, にあるリッツカールトン レジデンス
この広告を見て、なぜこんなに安いのだ?と問い合わせをしてくる人が非常に多いとのことです。

サンフランシスコ住居系不動産のまとめ

世界のいろいろな街に行った中で、世界でも一番過ごしやすかった都市の一つがサンフランシスコです。

不動産を含め、すべてが非常に高いのですが、何かのタイミングで縁があれば買ってみたい土地ではあります。欧米人が作る統計においては、しばしば東京の家や生活費は世界一高い!と言われますが、サンフランシスコの方が感覚的には高いです。

余談ですが、この統計結果は、平米あたりの住宅価格や’標準的な’80平米の1bed room’の部屋を賃貸するのにいくらかかるか?など、欧米式の生活スタイルを無理矢理に東京に当てはめているためのものだと思われます。東京で80平米は家族4人で住むサイズですから高いのは当然なのです。デフレに苦しんでいるはずの東京が毎回トップに入るのは、物価を計る物差しが違うというのもひとつの要因でしょう。

そして、日本の駅何分、道路付け、容積率という評価尺度は世界的にはユニークなのだろうと思います。東京では、ほぼ全員が電車の駅から徒歩10分圏内に住んでいる。と言ったらフランス人がびっくりしていました。少なくともアメリカでは、治安がよい、眺めがよい、近隣によい学校がある、などの要素が利便性よりも優先されています。これは電車を主に利用する日本と車社会アメリカの違いでもあります。

確かに、サンフランシスコにおいては、それらの住環境は抜群です。ですが、同じ西海岸にある、似たような気候、似たような住環境、けどちょっと中流なサンディエゴと比べてもかなり高いと思います。なぜサンフランシスコだけ高級路線を維持できているのかは追って調べてみたいと思います。

なお、投資としては、低い賃料CAPレート、もともと高位安定の物件価格で一段の上昇は見込みにくい、というところから、あまり気が進みません。実需での購入に適した街だと思います。

サンフランシスコの投資用アパートに続く(作成中。近日追加。)

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玉川陽介
海外投資
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