[E5-2011] スペイン(プライベートバンクへのインタビュー)

2014/04/23更新

2011年1月訪問

スペイン サンタンデール銀行のプライベートバンク部

 

バルセロナのサグラダ・ファミリアとセビリアの広場(?) 思っていたよりもスペインはキレイな国でした。さすがヨーロッパ。

Santander Banca Privada (住所:Paseo de Gràcia, 5 Barcelona, Spain)

スペインでは時間の都合、不動産ではなくて、銀行に行って、EUショック後の経済状況をヒアリングしてきました。Banca Privadaはスペイン標準語でPrivate Bankingという意味。つまり、サンタンデール銀行のプライベートバンキング部門。大晦日だというのに話を聞きに行きました。

このあと、スペイン財政危機の現状と、ヨーロッパ人が日本に投資しない驚きの理由が明らかに!

プライベートバンクに口座を開くには?

投資信託買うだけなら500Kユーロ以上、ファンドマネージャーと相談しながら個別にポートフォリオを組んでいく場合は2mユーロ以上の預け入れ必要とのことです。 また、外国人の場合は大手銀行からのBank Reference Letterが必要です。

どのような商品を扱っているのか?

「正直、そんなにたいしたのは持ってないから、クレディスイスPBとかの方がお客さんの用途には合っているのでは?」とのこと。実際、PIMCOの債券ファンドなど普通の投信を売っているようです。「アンドラ(フランスとスペインの間のオフショア国)にあるサンタンデールに行ってもあまり変わらないです。」とのことで、プライベートバンクと言っても、あまり特別な商品を持っている雰囲気ではありませんでした。

 
(左)残高報告レポートのサンプル (右)プレゼン資料だがスペイン語でよく分からず

EU危機についてインタビュー

スペインって景気悪いの?

「景気は悪い。スペインの主力産業は、観光、不動産、サービス業なのだが、不動産はメルトダウン中。失業率20%くらい。アメリカでは失業率10%とか言ったら大騒ぎみたいだけど、10%なんてのはスペインでは全然良い数値。しかし、闇マーケットで税金を払わず働いている人も結構いて、実際の失業率は16%程度ではないか。しかし1~2年で持ち直すのではないか。日本のように20年かかるということはないでしょう」

スペインでは何が起きているの?

「日本のバブル期と同じことが起きている。見ての通り、スペインの大きな街は金融機関だらけ、田舎の小さな村にも銀行がたくさんある。銀行ができすぎてお金を貸しすぎた。

バルセロナには、このような小さな金融機関が東京のコンビニ並かそれ以上に多い。

「スペインは賃料を払うよりも買ってしまった方が月々の支払いは少ないら、みんな家を買いたい。そして、将来返せそうにない人にも銀行はたくさんお金を貸した。」 そしてサブプライムの影響で返済が滞るようになり破綻。

「それとは別の問題で、カタルーニャ都会地域とアンダルシア、バスクなど地方との対立がある。見ての通りで地方では、山奥まで誰も使わないのにキレイな道路が通行料無料で整備されている。なのにバルセロナは有料道路で渋滞している。つまりカタルーニャで得た収益を他の地方に分配しなければならない。カタルーニャの人々はこれがいやだと思っていて、カタルーニャがスペインから独立したいと思っている理由のひとつ。」

私もセビリアからVILLAVICIOSA DE CÓRDOBAという郊外の小さな村に出たとき、こんな山奥なのに道路の整備状況がすばらしい!というより、やり過ぎ!と思いました。この公共工事にも相当な費用がかかっているものと思われます。道路脇は当地の名産、オーリブの木です。

ポルトガルやスペインが破綻する可能性は?

担当者曰く、「ポルトガルのことはよく分からないが、彼らは大きな企業を持っていないからちょっと不安。スペインは、カタルーニャにはサンタンデールをはじめとして大企業がたくさんあり収益を上げることができる。個人的にはスペインは大丈夫だと良いなと思っている。」「サンタンデールは実は営業のほとんどは海外。スペイン国内は16%だけなので安全。」

「ECBがEU各国の国債を固定レート、確か6%くらいで買い取ると2010年4月頃に宣言を出した(※編注 The European Financial Stability Facility (EFSF) のことだと思われる)ので安心感はある。EUがポルトガルを救済することはあってもデフォルトすることはないでしょう。」

現在の営業姿勢は?

「サンタンデールはマドフの証券詐欺でだいぶ被害を被ってしまって、それで懲りてヘッジファンド関係はかなり引き上げた。住宅ローンは共働きで一流企業の人には問題なく出るが、金利は前よりも高くなった。基準金利+150bpと か。奥さんが働いていないとかブルーワーカーの人には、今は貸出は出しにくい状況。一般人でも日本円の低い金利で住宅ローン組むとかいうキャリートレードは可能。」「そういえばUBSもこないだまでバルセロナに支店出してたけど引き上げていったような」

なぜヨーロッパ人は日本に投資しないの?

「ひとつには情報がない、低金利なのでイールドが確保できない。それと、イメージ的に失われた20年の印象が強くて、あまり儲かる気がしない」「ただし日本円という通貨は売買対象にしている。対ドルでもとても高いし是正される可能性はあると思う。」

なななんと、未だにバブル崩壊後のイメージを引きずられているとは・・・・・。確かに、海外に出ると、日本で10年前、20年前に流行ったモノに対して、いまだにブームなんでしょ?と聞かれることがよくあります。金融でもそんな昔のイメージが定着しているとは(!!)

すごくフレンドリー

今日は12月31日。彼の携帯には新年を迎えるお祝いの電話が何度かかかってきていました。今夜はどこでも盛大にパーティーをやっている、どこで楽しんだら良いか分からなかったら携帯に電話してくれ。と連絡先を教えてくれました。 銀行員と客という以前に、人と人との関係なのだなあ、ということを実感。

感想

そのようなわけで、私が口座を開くには至らなかったのですが、いろいろ教えてもらってきました。日本と同じような経済問題を抱えている国で親近感が持てますね(笑

それにしても日本に投資しない理由がバブル崩壊に端を発しているとは。しかもこのお兄さんは34歳だから、日本のバブルは体験していないはずなのですよね。上司から延々と、日本はバブルがはじけて、いまだにその傷が癒えない国なんだよーと語り継がれているということなのでしょうか。イメージとは恐ろしいものです。

スペインの不動産

今回は、都合により写真のみです。

 

スペインでは、パティオと言って、中庭のある家が結構多いです。そして、お隣さんとも仲良しで、パティオで話し込むこともしばしば。

セビリアの不動産業者。時間の都合上、訪問はできませんでした。英語が通じるのかどうかも分かりません。

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玉川陽介
海外投資
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