[3] 日本人が好む立地条件は特殊

海外ではビーチに近い住環境抜群の場所が一等地

 世界共通で最高の居住環境と言えば、眺めがよい、治安がよい、周辺環境が良い、海まで近いというのが一般的です。ドイツの若いやつが「海に近いってのは世界共通の高級住宅地だろう」と言っていましたが、日本にこれは当てはまりません。

日本人が価値を見いだすのは歴史の重み

 では、日本人は何に価値を見いだすのか?私の回答のひとつは、「歴史の重み」です。たとえば、島津山、池田山、近衛町なんてのは、これと言って便利でも ないし、そんなにすばらしい場所なのか?と思いますが、これらは、むかし偉い人のお屋敷だったところで、江戸幕府のはじまりから400年経った今でも高額で取引されている由緒ある土地です。

逆に江戸時代は貧乏長屋だったような場所、たとえば百人町(新大久保)なんてのは、今でも高級とはほど遠いイメージの地域です。また、ラブホテルが川沿いに多いのも、理由はあまり良い話ではないので省略しますが、歴史的な経緯からだと思われます。

そのような歴史の重みというのが日本では重視されるのだと思います。実際、大手デベロッパーのマンション展示会で放送される紹介映像を都心と地方で比べてみると、山手線圏内のプレミアムエリアと言われるような場所では「由緒あるこの地に住まう」というのがテーマになっていることが多いです。一方、地方では、利便性や生活面を全面に押し出していることがほとんどです。

そして住所も大事。たとえば、目白と西池袋はほ地理的にはほとんど同じ場所ですが、みんな目白の住所を好みます。西池袋のマンションも、何々ハイツ目白とかブランド力のある地名を冠することが良くあります。 新富町(銀座の東側)でもビル名は、みんな銀座イーストです。

そして、たいして環境の良くない都心5区(千代田、港、新宿、渋谷、中央)や皇居周辺に人が集まりたいのも、やっぱり天皇家の周囲なら絶対安泰。という考えがあるのだと思います。たとえば、千代田区番町のパークマンション千鳥ヶ淵な どは皇居プレミアムが載ってあの値段になっているとしか思えません。外国人基準で言ったら、なんでそんな窮屈な場所のマンションに何億も払いたいの?と思 うだろうし、逆に豊洲やみなとみらいなどの新しい街は歴史評価はゼロですが、街並みもキレイで環境抜群(地盤が悪いという問題はありますが)、このような 街並みは世界基準ではもっと評価されるのではないでしょうか。


2014/04/23更新