[4] 日本は土地の使い方が下手

2014/04/23更新

日本の建築法制は良くない

香港に行ったときからずっと思っていたのですが、日本は諸外国と比べて容積率制限がきつすぎるのではないでしょうか。海外では日本では容積制限のため建てられないようなペンシルビルがたくさん建っています。NYマンハッタンに最初に行ったときの印象は、容積率の高い街だなーというのが第一印象でした。

ニューヨークマンハッタンのペンシルビル。2008年8月筆者撮影。

国交省は東京都の総床面積を把握していて、受給と価格のバランスをチェックしているわけですから、都心の貴重なエリアは空高く建物を建てさせて密集させ れば良いのではないかと思います。密集しすぎると防災上の問題もありますが、日本ほど防災対策の得意な国はないでしょう。 (ただし、あまり効率化を優先しすぎるとシンガポールの金融街の街並みのように、なんとなくつまらない街並みというのができてしまうという心配は捨てきれ ませんが。)

また、立ち退きをするのにあまりにも手間がかかることも問題です。中国などでは(例に出す国としては偏りすぎではありますが)数キロメートルに及ぶ住居の立ち退きが1ヶ月で完了して高層ビルに建て変わります。

 

立ち退きの完了した古いアパートが数キロメートルに及び、窓のガラスは外されている。(左)
ビル建設地(右) 2009年9月中国大連にて筆者撮影。

日本でこのような国主導の土地整備に賛成する人は少数だと思うのですが、所有権が強すぎて、少数の粘り強い人のために通り全体が廃墟のようになってしまっている場所はいくつもあります。公共の福祉や最大多数の最大幸福という観点から、強すぎる所有権を制限して、99vs1で粘っていても、まだ1の権利が保護され続けるという状況は改めるべきだと思います。ついでに言えば、立ち退きが困難であるからこそ、立ち退き屋と言われるような人たちも暗躍するわけです。

歴史が町の発展を妨げている

東京は、どこを見ても数百年以上の歴史があるので、歴史的遺産を街並みに組み入れて都市設計をしなければなりません。それはそれで誇っても良いのですが、効率の悪い街並みになってしまう。

海外の街並みで、この街はグッドデザイン賞だなーと思うところは、ぱっと思いつくところで、イスタンブール、ドバイ、テルアビブ、マンハッタン、シンガポールあたりなのですが、これらの都市の共通点って何でしょう?答えは、歴史が100年くらいしかないからシムシティのような効率的な施設の配置ができること。

中でもイスタンブールは賢いです。歴史がありすぎて建物が作れないので、わざわざオスマントルコ時代の中心部を外して、歴史の少ない郊外(北側)に新しく近代的な街並みを別途作っています。イメージ的には、江戸城近辺は古いままにしておいて観光客向け、埼玉や千葉に首都移転してゼロから碁盤目状に区画整備して21世紀の設計思想で新しい町を作っていく。という感じでしょうか。

 

オスマントルコ時代からの伝統的な町並みを今に残す南側中心部と高層ビルの建ち並ぶ北エリア。同じ街とは思えません。2010年4月筆者撮影。

実際には、東京にすべてが集中しすぎていて、よほど景気の良い時期、かつ政治のイニシアチブがとても強い政権でない限りは、借金と経済的な不確定リスク が増えるという反対派に圧されることは目に見えています。やはり東京はtoo big to move(大きすぎて動かせない)なのかもしれません。

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玉川陽介
海外投資
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