2014/09/30

外国人富裕層は東京の不動産を買いに来ているか

ポイントは、
・五輪決定後にマインドの変化はなく、引き続き強い地合
・日本人もアジア人富裕層も五輪までの好況は意識している
・円安がさらに投資に追い風

玉川的視点
・高値感はあるも、無制限緩和+金融庁検査の柔軟化でさらに不動産市場に資金流入、さらなるバブルを形成する可能性も捨てきれない
・アジア新興国の不動産バブル崩壊は可能性あり
・やはりノーマルなローンを組んだときにキャッシュフローが出なくなる水準まで利回りが下がれば、それより上値を追うのは難しい(表面6-7%が上限か)
・現況はバブルか?これ以上に上がる期待もあるが、若干バブルっぽいという認識

■アジア人富裕層を多く扱う不動産業者の動向
・4月以降、大型取引がいくつか決まっており忙しい
・顧客のほとんどは台湾人

■台湾人バイヤー
・貿易商や地主など日本の金持ちとは一桁異なる資金量(数十億以上)
・個人的にファンドスキームを組成して知人から資金を集めて代表して購入する投資家も
・全体からすればアジア人富裕層マネーは1割程度。やはり日本では地主が最強の投資家
・2007年当時とは異なり大型ファンドの来日は目立たない

■購入の理由
・五輪による値上がり期待
・台湾の物件は東京よりも利回りが低いため、高利回りの先進国である日本に買わない理由がない
・半年前(五輪決定直後)と比較して、それほど大きく変わっていないが、今は円安が追い風、もう一段の円安と量的緩和で再度の過熱期待も
・消費税増税の影響はない

■購入スキーム
・香港に法人を作り税金がかからないようにする。非居住者スキーム。
・台湾人に融資を出す台湾系銀行の日本支店は5銀行あり
・自己資金40%、金利2.5%、期間15年で借入をする
・この借入条件であれば持ち出しにはならない(台湾人も持ち出しは嫌がる)

■購入物件
・表面 4-5%(純利回り3.5%)でも都心5区の築浅ならば買う人はいる
 →高くてもいいから都心
・都心平成RC中古ならば表面7%が目安
・一棟住居、一棟ビルをはじめ、区分店舗もテナント名がよければ(マクドナルド・スターバックス・吉野屋など)気に入られる。
・小規模分譲マンションを販売開始前に一棟一括バルク買い
・歌舞伎町など日本人の好まないエリアも利回りが良ければ買う

■台湾人の特徴
・日本の顧客、業者とも不動産売買においては「武士に二言はない」を暗黙の約束としているが、台湾人はOKを出した後に価格交渉をして日本人売主から嫌がられることも

■日本人投資家の動向
・純投資の人は買いにくい、安くはない相場環境
・事業会社の資産として、地主、地元の名士、相続対策など、利回り計算のできない素人客層が積極的に買っている
・「東京は大丈夫だろう」という思惑より地方からの資金も流入
・2007年以来の「値上がり」期待に賭ける相場

■日本の不動産 今後の流れ
・米国株には一服感。日本株を含め世界の証券市場はいったん調整を迎える可能性
・しかし、不動産は株に連動して急激に下がることはない
 →調整待ちのバイヤーは多い。一度買ってしまえばロスカットされることはないため投げ売りする必要はない
・日銀はインフレを作るために緩和継続、また金融検査の柔軟化
→融資バブルから不動産価格がもう一段上がる可能性
・ただし、値上がり転売目的のプレイヤーは少ないので、CF持ち出しとなるラインが価格上限か
・天災や戦争に注意

■海外情勢
・イギリスや香港では不動産がすでに顕著にバブル化
・東南アジア(マレーシア・タイ・カンボジア)などでの不動産ブームには危険もあり伏兵に注意