2016/07/16

中小企業が残業代を払わない理由

最近は、月100時間を超える残業を監視する、過重労働特別監督監理官という公の役職があるそうな。
ブラック企業対策が進んでいるようで、いいことだ。

さて、私が知る限り、何年か前までは、中小零細においては、
残業代を払っていたら会社が成り立たないので払わない。というのが日常的に行われていて、
おそらく今も変わっていない。

残業代には2つの対立する考え方がある。
1.本来は従業員の取り分である超過労働を経営陣が搾取している。だから悪い。当然に払え。
2.社員の報酬が時給制なのはおかしい。成果報酬にすべきだ。制度が現場に合っていない。だから払わない。役に立つ社員には賞与で報いる。
というものである。

1の現場で働く人。
過酷なブラック企業の新人が
「たまに社長が銀座で高い酒をおごってくれて、それを励みになんとかがんばっている」とか言う人がいるが、
その飲み代は、きみたちの残業代を削って経営者が搾取した分なのだぞ!と教えてあげるべきである。無知は貧困に直結する。

2の零細の社長の言い分。
零細はサビ残ありきで成立していて、正規の残業代を支払えば、会社は赤字になってつぶれて、どちらにしても雇用は失われる。
そもそも、残業代が発生するなら、社員は解雇してクラウドソーシングでもしたほうが安い。
なので払わなくても仕方がない。というのもある。

零細企業の現場にいた私から見ると、これは1も2もどちらも正しい。

残業代を払ってから社会貢献と言うべきである

これは、結局のところ、大企業や零細企業の社長など、
上流工程にいる人、立場の強い人たちが搾取しているからこうなり、
搾取というか、経済合理性のあるところで均衡した自然な分配方法なのである。

つまり、規制がなければ、実力に基づいた非常に合理的な分配なので、なかなか変わらない。
末端現場のプログラマーなどが、がんばっても変わるものではない。

だからこそ、政治による富の再配分、強制が必要な分野なのである。
実務的には税務署と同じ方式で、残業代の未払いが通報された場合、重加算税も付けて企業に懲罰的な支払いをさせるルールにすれば一発解決である。

そういうわけで、企業の経営者は「社会に貢献する」とか言う前に正規の残業代を払うべきである。あと税金もだ。それが一番の社会貢献だ。
学生は、ベンチャーの社長が社会貢献と言っているのを真に受けず、残業代や税金をきちんと払っているのかを聞いた方がいい。