2016年8月現在の不動産市況

2016/08/13

「個人投資家向け投資物件の利回り推移」という切り口にて不動産市況を分析してみました。
私をはじめとする都内の不動産投資家が、多く目にするレンジの物件価格の推移をまとめたものです。
集計値は多くの人の肌感覚と合っていると思います。

投資用不動産利回り(価格)の推移

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当社の独自調査によるexclusiveデータ。サンプル数は約8,000件

2011.3.11の震災による自粛ムードが落ち着いた2012年初頭、その頃からの不動産値上がり傾向は、2013年9月の東京五輪決定で勢いが付きました。
アベノミクスと量的緩和の浸透した2014年以降は継続的に値を上げています。
2015年10-12月期に都心のみ若干の価格下落が観測されるのは、集計誤差もしくはチャイナショックの影響だと考えられます。
信用金庫の新規貸出がバブル期以降最大を記録した2016年3月以降の反落が気になりましたが、結果的には無事に乗り切り、4月以降も価格は上昇傾向(利回りは低下)が続いています。

不動産向け新規貸出の推移

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日銀発表をもとに当社作成

信用金庫の新規貸出。そのほとんどが個人、地主、中小企業社長向けの不動産投資ローンであろうと思われますが、3月末にはバブル期以降最大を記録し、その後、4-6月期も前年同期比で大幅プラスと堅調な伸びを示しています。
融資条件の質も好転しています。一部の信金、地銀では、今までの30年ローンの枠を超え、40~50年ローンの提供がはじまりました。投資家から見ればキャッシュフロー増加となるため、物件価格の上昇に直結する与信緩和が行われているといえます。

投資家には追い風の融資状況は金融機関から見れば苦しい環境です。
2016年8月現在では、銀行間の過剰な金利競争による利ざや低下の薄利多売に金融庁が苦言、ALMを無視した貸出に日銀が注意喚起など、政府も異常な低金利により混乱する融資の現場を憂慮しています。
「マイナス金利と低金利が深掘りされると銀行の収益を大きく圧迫する」という銀行団からの意見もあり、日銀は、今までの量的緩和政策を「総括的な検証」する。すなわち、方向転換することになりました。
これについて、金融市場は「緩和縮小か?」との受け止め方でしたが、その後、日銀は「緩和縮小の意味ではない」というコメントを発表しています(2016年8月10日 19:55:00 – EXCLUSIVE-BOJ UNLIKELY TO TAPER QQE FROM FINDINGS FROM ASSESSMENT, THOUGH NO CONSENSUS YET ON HOW IT AFFECTS MONETARY POLICY-SOURCES)

今後の見通し

このような流れから考えると、これからの不動産市況は、
・長期金利、不動産ローン金利ともに金利低下には底打ち感
・しかし、金融緩和のシナリオを考えれば、あと数年は貸出金利の上昇はない
・疑似ヘリコプターマネー政策による資産インフレ期待。また、超長期ローンの浸透によるキャッシュフロー改善。これらの複合効果による、もう一段の物件価格の上昇は十分にあり得る
・9月の日銀金融政策決定会合での金融緩和の方向性変更は不動産市場にも大きな影響をあたえる。良くなることはあっても急激に悪くないことはない。
このような見通しです。

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