[E3-2012] モナコ(不動産)

モナコの不動産

不動産業者も12~14時は昼休みのようです。不動産業者は高級ホテルに宿泊してコンシェルジェに呼んでもらうのが手軽です。私の経験では、どこの国でも不動産エージェントは「どこのホテルに泊まっているの?」と、ほぼ必ず聞きますので、Holiday Innなどに泊まっていると冷やかしだと思われます。モナコで言えば、Hotel de Parisなどを経営するSBMグループ系列のホテル、またはHotel Metropole Monte-Carloならば顧客として相応です。やはりヨーロッパ文化のモナコですので、こちらもそれなりの雰囲気を醸し出して望むのがドレスコードの ようなものでしょう。

一般的な物件の相場は、次のようなところです。

・単身用 30-40平米 Studioタイプ 売買価格1.5Mユーロ前後(高い!) 賃貸価格1,500~2,000ユーロ/月

・ファミリー向け 50~100平米 1-2bed rooms売買価格 3~5Mユーロ 賃貸価格 4,000~6,000ユーロ

仲介手数料は年間賃料の※10%(居住権申請の場合は住所登記のために年間賃料×1%の印紙税が別途かかる)売買では購入時※3%、売却時※5%ですが高額物件は顧客との交渉により料率が決まります。家具付きの物件もありますが、不動産エージェントいわくモナコの物件の内装グレードはそれほど高くないとのこと。※いずれも19.6%のVAT(消費税)が別途加算されます。

今回は賃料の予算上限は2万ユーロ(200万円)/月と、はったりを利かせてみたところ、そんなにたくさん?みたいなリアクションをしていました。モナコには超富裕層も多いですが、それ以上に多いのが小金持ちということのようです。

売買価格と賃料を比べての通り、賃料に対する投資利回りは1%台とユーロ圏の金利よりも低いためインカムゲイン投資向きではありません。モナコでは、表向きはインカムゲイン・キャピタルゲインは課せられないことになっていますが、物件購入時に公証人費用兼税金(notary fee)が購入金額に対して7~10%かかります(これはフランスとほぼ同じですが世界的に見ると高額な類です)ので、これがキャピタルゲイン課税相当と言って良いでしょう。

なお、不動産の購入は、投資利回りから考えてあまり有利に思えなかったので、詳しくは調べていないのですが、一般の商業銀行は居住権のないnon-EU国の国民に対しても自己資金を50%程度出せば残りは融資をするのではないかとの未確認情報もありました。

モナコの国全体で景気の良いときは400件、欧州危機に見舞われた今でも200件程度の不動産取引が行われているとのことです。モナコは小さなコミュニティなので業者間や顧客との信頼関係の構築が仕事を得るためには重要であると言っていました。マナーが悪いのはダメということでしょう。

1件目 Park Palace

 

オテル・ド・パリやモンテカルロ・カジノのある広場に面する一等地。不動産エージェントの人が言うように値段の割には普通です。

 

日本との違いは、天井が3メートル近くあり非常に高い、壁がクロスではなく塗り、トイレに足を洗う設備がありイスラム圏顧客にも対応、仕上がりのグレー ドが日本ほどよろしくないこと。あたりでしょうか。しかし、これらは海外物件では当たり前で、これと言って富裕層仕様の内装というわけではありません。

100平米の居住スペース+22平米のテラスで5,200ユーロ+管理費485ユーロ=5,685ユーロ/月 という価格。場所は確かにすばらしいですが、日本円で60万円の家としてはちょっと内装が普通かなと。築20年ほどだったかと思います。

2件目 Le Beverly Palace

物件前のストリートの様子。中心地から多少離れた場所。と言っても徒歩10分程度で中心地へ出られるので中心地から遠い感覚はありません。

眺望は抜群。モナコ、コート・ダジュール(Côte d’Azur)で一番の豪華なビューかもしれません。F1モナコグランプリの時期には、眼下に走行シーンを見下ろす一等席になります。

 

99平米+テラス46平米で賃料は管理費を含め4,950ユーロ/月です。右は案内してくれたオーナー側エージェント(鍵の管理者)と私のエージェント。

3件目 Metropole Residence

 

モナコの5つ星ホテルMetropoleホテルに隣接のレジデンス。約70平米で賃料は9,000ユーロ/月。エントランスは豪勢で期待しましたが部屋 の内装は驚くほどではなかったです。Metropoleホテルのケータリングやルームクリーニングなどのサービスが別途費用で利用できるとのこと。ショッ ピングモール隣接で買い物も便利です。そして、地下には各戸ごとに定温倉庫が付いており、ワインセラー兼倉庫として利用できます。倉庫の温度設定がワインの保管を基準にしているあたりはヨーロッパ仕様ですね。

Metropole Residenceは住所を言わなくても場所が分かるランドマーク的な高級物件であり、私が好きなタイプですね。日本で言えば六本木ミッドタウンレジデンスの賃貸のようなものでしょうか。

 

部屋の中は改装中でしたが、建具類のグレードはエントランスホールほどではないですが、悪くないレベルを保っていました。

4件目 Le Prince De Galles

 

中心部のプライベートバンクが多く位置する通りにあるコンドミニアム。3ベッドルームで賃料は14,000ユーロ/月。モナコにはめずらしいモダンな設計の物件。

 

フランス的デザインよりもモダンでキレイな方が良いという人には最適かなと。

モナコ税制のビジネス的な使い方

モナコでは、所得税がかかりません。そのため、ITサービスや貿易など地理的な条件に縛られない業種であれば、モナコを拠点として世界に向けてビジネスを行うことにより、法人税が課税されないというスキームを選択することも可能であるようです。

なお、モナコでは商業用途、事務所用途など、物件により利用できる用途が定められています。そのため自宅兼事務所で会社を立ち上げるということは物件の種別によってはできませんので、事前に確認が必要です。

また、レストランなど業種によっては営業用不動産の取得費用や賃貸費用以外にも営業権の購入が必要となり、この営業権は数千万円から億円単位と高額です。

モナコと他のオフショア国の違い

モナコのバンカーが言うには、リヒテンシュタインは富裕層向けPBよりもオフショア会社がメイン。アンドラは空港から遠くアクセスが悪い。スイスのチューリヒは比較的良い。ルクセンブルクはPBよりもファンド組成メイン。とのことです。

モナコのまとめ

生活コストは日本以上ですが、わずか300Kユーロの預金(ただ入れておくだけで投資などをする必要は無し)+1500ユーロ程度の賃貸アパートだけで居住権が取れるというのは非常に現実的です。国は狭いですが、フランスやイタリアにも国内の隣町を訪問するような感覚で簡単に行き来できるので、ヨーロッパ文化に抵抗のない人には楽しみ方はたくさんあろうかと思います。日本の状況が悪くなり続けて治安や食の安全に不安を感じるようになれば移住も十分視野に入るなあという感じです。フランス語ができないとさみしい思いはしますが、英語だけでも生活に支障はない様子です。

おまけ 世界最大の不動産見本市

モナコから電車で1時間ほどのカンヌではmipim(The international real estate show for professionals)という世界最大の不動産見本市をやっていました。

 

この展示会には欧州を中心に25,000人が訪れるため、開催期間中はカンヌとその周辺エリアのホテルがすべて予約で目一杯になり宿泊できません。この 見本市が日本のイベントと違うところは、不動業者のレベルが日本より圧倒的に高いこと(巨額を扱い、街の開発を担う人々なので本来はそうあるべきなのです が・・)そして、各地域の名産食品やアルコールでもてなしてくれるところでしょうか。日本のブースでは森ビルなどが寿司パーティーをやっていました。

CBREの屋外カフェ。

入場料は1000ユーロ以上と高額です参加者は本当に定価を支払って入場しているのかは不明でしたが身なりの良い人が多かったです。なお、ブースの出店も高額でメインの場所では平米あたり10万円近くするエリアもあるそうです(while the most expensive area – beside the Riviera – cost roughly 1,000 euros per square metre. http://themoscownews.com/realestate/20090319/55370926.html)


2019/03/15更新