[2019]スリランカ(中国一帯一路・ハンバントタ港)

中国の一帯一路でスリランカに何が起きた

・中国の支援によりインフラを整える予定だった
・インフラ整備資金のほとんどは中国からの借入
借入金が返せなくなって中国にハンバントタ港が占拠され社会問題化
・コロンボ市の中心部に近代的な街並みを開発中
・その中心部の沿岸を埋め立てる権利を中国が取得。中国が大きな街を作ろうとしている

なぜそうなるのか?政治の腐敗が原因

・ドラッグ意外は警察賄賂可能。裁判官に賄賂を送る人も

  
2019年4月に新規オープンのショッピングモール。ここにも賄賂や政治腐敗があると言っていたが jana jaya city 何が問題なのかは聞いたがよく分からず
写真は開業前の商業スペースの転売。12平米ほどのブースが200-300万円ほどで複数売りに出ている
政治家が店舗ブースを安く青田買いしてしまったという話しなのかもしれない
costing Rs. 2,000 million(建設費用は13億円ほど)
http://www.dailynews.lk/2019/04/02/local/181917/president-opens-%E2%80%98jana-jaya-city%E2%80%99


おそらく一度も使われていない国際会議場(Magam Ruhunupura International Convention Centre (MRICC))


中はこんな感じらしい。この建物の周囲は本当に何もない場所であり、これはどう見ても使わないだろう

 


港、空港、大病院、などを建設
ここにわざわざ作らなくても良かったのでは。という、場所的にはかなりの田舎。なぜここに港ができて空港ができたのか
どうやら、前大統領の出身地のすぐ近くだから。というのが理由。発展途上国によくある話


最近の日本人なら絶対にやらないような、ひどい金の使い方をする。昭和の地方出身の国会議員が、地方に使われない箱物を建設するのと似ているが

Bond scam で大統領が不正蓄財

大統領が自国の金融市場を操作して不正蓄財。
https://smartpatriotssrilanka.wordpress.com/

まとめると

・スリランカの国債の値決めは発行額の1-2割を先行してプライマリーディーラー複数社からのbidによりオークションに掛ける仕組み
・大統領がインチキをして、不当に安い価格で入札をさせた
・今回だけ国債(永久債)価格が大幅に下落
・大統領が親族名義で国債を安く買いまくる
・大統領はどここから国債よりも安く金を調達して、そのスプレッドを取り続けている様子
・金額規模は不正に安く買えた債券額ベースで(7.5 Billion)50億円くらいの様子
・これだけ社会問題化していると、さすがに売却はできないだろうから長期保有とすると借入金利とのスプレッドが年間3%ずつ取れて毎年1.5億円くらい儲かる計算か。コーラブル債であれば市場金利が下がれば価格は上がる計算。一瞬にして数億以上の含み益が出た計算。

債券価格の操作は素人にはわかりにくいので、なかなか高度なインチキといえますが、街中にBond Scamという抗議の看板が立っていて社会問題化している。

中国に占拠されてしまったハンバントタ港

https://www.livemint.com/Politics/34gwxEv8f6mWxTSs8MaGsK/Sri-Lanka-to-move-naval-unit-to-Chinarun-Hambantota-port.html
重要施設につき写真撮影禁止とのことで、こちらから拝借


現在は自動車の輸入船が日本から来ているだけらしい。外国人は立入禁止、スリランカ人はアポイントの上入場許可制(実質、入場禁止?)

厳重な警備かといえば、門番がスリランカ人なので、さぼっている間に通り抜ける車もあり。軍事利用できないことになっている。
だが、潜水艦が来るとかどうのこうのと言っていた
警備員を中国人にしたいがそれでは主権が脅かされる。スリランカ人の警備で譲歩しろ。みたいなニュースが出ていたが、中国の懸念通りスリランカ人はさぼっていた。

近隣は象が入ってこないように道に電気フェンス(electric fence)が敷設してあったり原始的な場所。石油精製(oil refineries)の工場、セメント工場(cement plant 2019)ができる予定


ハンバントタには近代的なシャングリラホテル(2016年築)がありゴルフ・リゾートを目指していた。300部屋の大規模ホテル。国際空港から降り立った中国人ツアー客を狙う予定だったのではと思われるが、国際便の廃止で閑散としている。サービスレベルも悪い。

ほぼ使われていないマッタラ・ラージャパクサ国際空港(HRI)


27Billion(190億円くらい-どこまでを含めてこの価格を言っているのかは不明)を投じて作ったとのこと

 
この大きな空港において、今日の乗客は私ひとりだけでした
そのため、定刻よりも早く離陸!

中国が占領したハンバントタ港のすぐ近くという立地のため、中国の侵略を心配するインドが権益を先行獲得したという噂

Expediaではこの空港は出てこない。にもかかわらず空港でチケットを売っていない。シナモンエアラインのウェブサービスが落ちている

どうすればいいのだ。セールスオフィスに電話してチケットを買う。代理で電話をしてくれたインフォメーションの人がメールアドレスを書き間違えたり、シナモンエアラインもメールを送ったと言って送っていなかったり

空港内でドリンクも売っていない。客のいない空港で係員が遊んでいる。一昔前のシスコとノキアの着信音が響く


小学生の社会科研修でたくさんの子供が来ていたが肝心の飛行機がない空港。ここで教育を受けると世界のほとんどのことを知らないままスリランカの大統領は最高だ。と信じて育つことになるのだろうか


2019年3月現在、1日に1~2便、コロンボ行きの6人乗りくらいの飛行機が飛んでいるだけ。たくさんの係員と熟年観光客カップルが2人


白人の引退したおじいさんが若いスリランカ人に操作の仕方を教えている。パイロットなど高度な仕事は自国で人材がまかなえないのかなと思った
2006年現在の話だが、スリランカ航空は月収が1万ルピー(65万円ほど)これは、中東の航空会社の1/3であるため、人材の流出が激しくパイロット不足で欠航した便もあるとのこと
The monthly salary of a SriLankan Airlines pilot is about 1 million rupees (US$10,000; 8,240), while some airlines elsewhere in Asia and the Middle-East offer monthly pay three times that amount, he said.
優秀な国内人材に高度な汎用スキルを教えると、先進国のよりよい条件の職場に行ってしまって自国内の高度人材が空洞化するというのも発展途上国あるある

中国によるコロンボ一等地の埋め立て


埋め立ての砂を噴射しているのだと思うが中国語で船名が書いてあった。作業員はすべて中華系の人間と言われている。言われてみるとホテルもシャングリラ(中華系)だし中国の息がかかっている工事である。


シャングリラ・ホテルから見た中国の埋め立て現場

あとで調べたところ、この埋め立て地も99年リースで中国が権利を得たらしい。ここにChina Communications Construction (CCCC-中国交通建設)がUS$1.4 billion project(1500億円)のウォーターフロント市街地を作るとのこと。http://bizenglish.adaderana.lk/chinas-man-made-island-takes-shape-in-sri-lanka/


埋め立て計画の青写真

スリランカにおける中国の一帯一路戦略まとめ

1.インフラが未発達なスリランカに借款(要は貸金)によりインフラを作る。中国企業、中国の資材とワーカーで作るのでスリランカで公共工事特需が起きることはない。
2.その資金はスリランカが支払う契約になっている。払えなければ港やら何やら主権に関わる設備も取られてしまう。
3.スリランカの前大統領は自分の出身地の地元に空港や港を作りたかった。これは発展途上国でありがちな俺最高アピール
4.中国はそれに金を出した
5.その盛り上がりに期待してシャングリラのハンバントタ・ゴルフリゾートが2016年にできた
6.もともと田舎エリアなので需要がなく計画に無理があった
7.ハンバントタのシャングリラは閑散としていてどう見ても赤字。ごめんの意味合いも含めてシャングリ・ラ コロンボ(一番いい場所)が2018にオープン(という流れ?)
8.スリランカは借りた金が返せなくなった
9.ハンバントタ港が差し押さえられた
10.なんだかんだで賄賂を送ったりも含め(?)スリランカの要人と話をして、シャングリラ・コロンボ前の一等地の埋め立て権益を確保。要は借金のカタにハンバントタ港だけでなく国で一番良い場所を取られた
11.そこに近代的な街並みを作ることで地上げができる。中国はそれでだいぶ儲かりそう
12.経済面だけではなく軍事利用も視野に入れている
13.国民が反対デモをやったりしている

半分くらいは推測だが、ここで起きているのはこんな感じではないか。

政治家が自分のことや不正蓄財しか考えていないのか、非効率が多すぎる。そこに中国がつけ込んできてやられてしまった。
腐敗、国益の私物化、賄賂、それにつけ込む外資系。という構図は、ゴールドマン・サックスに騙されたマレーシア、イスカンダル計画にも似ている。発展途上国あるあるのひとつ。


2019/03/15更新