2013/10/31

消費者物価指数とは何か

アベノミクスで約束した消費者物価指数(CPI)2%上昇はできるのでしょうか
そもそも、何の価格が2%上がればそれを達成できるのでしょうか
総務省統計局のデータ集計方法を調べてみました

1001601_547623721992765_1259905330_n

実は、表のように、消費者物価はアイテムごとにウエイト付けがされており、計算の方法は東証株価指数のような加重平均をとっています(表中の%は寄与率とその累計です。寄与率の高い順に全579アイテムを並び替えています)

ということは、ウエイトの大きいアイテムの価格が上がれば、CPIは大きく上がり、ウエイトの小さなアイテムはいくら価格が上がっても統計的には意味がなくCPIに影響を与えません

たとえば、この表にあるように「持ち家の帰属家賃」は15.6%の寄与率ですが、表外の「テニスコート使用料」「乳液」「塩辛」などは0.1%なので、「賃料の変動」は「塩辛」の156倍の意味合い(重要性)を持ちます。
つまり、塩辛など一般的なモノの値段がいくら上がっても、あまり意味はなく、この表に出ているウエイト上位のアイテムだけが上がればCPIは上がります

さて、ほかのアイテムとは比較にならない大きなウエイトを占める「持ち家の帰属家賃」とは何なのでしょうか。これは、ざっくり言うと持ち家を市場で貸した場合にいくらの賃料となるか(厳密には、家に住んでいる人がいくら相当の経済的利益を得ているか)を計算したもので、指数への寄与率は15.6%と最も高くなっています
つまり、「持ち家の帰属家賃」を12.82%押し上げれば、それだけでCPIは2%UP(12.82%*15.6%=2%)を達成できます(国家統計は専門ではないので確約はできませんが、おそらくそういうことです)同様に塩辛の平均価格が2,000倍になっても同2%UP達成です

では、「持ち家の帰属家賃」とはどのように計算しているのでしょうか
これは、賃料の分布を回帰分析した回帰直線を指数化している様子です(詳しくはよくわかりませんが)そのため、数の少ない高額賃料物件の価格変動の寄与率は低く、数の多いフツーの庶民向けファミリー物件の賃料が大きく寄与しています
ということは、「庶民向けファミリー物件の賃貸価格が上がることが、CPI上昇に最も寄与する」という結論です

ほかの寄与率上位を見ると、電気代、診療代、水道料、都市ガス代、固定電話通信料、JR運賃などは国が価格を決められると言っても良いアイテムなので、これらの価格を操作することによりCPIを押し上げるという奥の手もあり得ます

なかなかCPIの計算は奥深いようです

■結論
・一般的なモノの値段が2%上昇することがCPI2%上昇達成ではない
・CPI上昇目標達成には賃料上昇が不可欠
・賃料が1割くらい上がったなあという生活実感が持てたときにはCPI2%上昇は達成できているであろう
・最も重要な「持ち家の帰属家賃」の計算は、重回帰分析をもとに作った合成指数であり、直感的には把握できない
・ファミリー向け物件の賃料値上がりがCPIの上昇にもっとも貢献する

http://www.esri.go.jp/…/archive/e_dis/e_dis141/e_dis141a.pdf
http://www.stat.go.jp/data/cpi/2010/kaisetsu/index.htmt