平成27年度(2015年)税制改正

税制改正大綱の流し読み
NHKニュースや一般メディアで報道されない細かな点を中心に
http://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/126806_1.pdf
http://www3.nhk.or.jp/ne…/html/20141230/t10014366121000.html

太陽光バブルは完全に終了

■グリーン投資減税による一括償却は終了
太陽光バブルの終焉が確実に。もともと太陽光とは民主党がやり始めたことらしいです。なので自民党的には終了させてもいいのかもしれません。土地だけ買ってまだ発電を開始していない業者などは今後は大変なことに。

→「エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度(環境関連投資促進税制)のうち普通償却限度額との合計で取得価額まで特別償却ができる措置(即時償却)について、対象資産から太陽光発電設備を除外(以下略)

不動産の税制は現状維持

■まだ不動産は十分に高くない
→「地価の状況は、アベノミクスにより、東京都心部は上昇し、地方圏も下げ止まりつつあるものの、力強さに欠ける状況にある。」
 自民党から見てこのような認識であれば、まだ景気刺激策が追加投入される余地が残ります。今が天井ではない雰囲気です。とくに都心の高級マンション市況はますます盛り上がる可能性と見ています。

■地価は上がっても固定資産税は据え置き
→「地価が一定程度の上昇に転じる場合には、商業地等の負担水準がばらつき、負担の不均衡が再拡大する等の問題が生じ、商業地等の据置特例等の負担調整措置の見直しが必要となると考えられる」
「宅地等及び農地の負担調整措置については(中略)商業地等に係る条例減額制度及び税負担急増土地に係る条例減額制度を含め、現行の負担調整措置の仕組みを継続する。」

■前からあった不動産関係の税制優遇措置は継続
→「土地の売買による所有権の移転登記等に対する登録免許税の税率の軽減措置の適用期限を2年延長する。 」
ほか、いくつかあり。このような税制優遇が中止されたら間違いなく土地値はピークでしょう。

■不動産の転売屋へバラマキ制度が延長
 前からあったリフォーム&転売に対する補助金ですが期間が延長になりそうです。建前上は「古い建物を有効活用」ですが、転売市場は質の悪い不動産業者も多く、あまりよい制度だとは思えません。不動産の組合は政治的にもけっこう発言権あるのですかね。
→「宅地建物取引業者が取得した既存住宅について、一定の増改築等を行った上、取得の日から2年以内に耐震基準適合要件を満たすものとして個人に販売し、自己の居住の用に供された場合には、耐震基準適合既存住宅に係る不動産取得税の課税標準の特例と同様の措置を2年間に限り講ずる。」

■大深度地下対応の税制も定義される
→「借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入制度について、大深度地下の(略)」
都心でも大深度地下に新しい道路を作るプロジェクトがあり東京五輪までに開通するとのことです。工事には1mあたり1億円かかるとか。

法人税引き下げ

■平成 27 年度から、現行の 25.5%から 23.9%に引き下げ
 中小企業はすでに800万円以下の利益は15%と安いです。それでも7割は赤字とのこと。働いても赤字というのはどういうことなのか?無理やり赤字にしているだけではないのか?

■(法人)税率を 20%台まで引き下げることを目指して
 なぜかニュースでは法人税だけ切り離されて議論されますが、法人税以外にも会社にはいろいろな税がかかります。私の計算では税前利益800万円を越えた分には42%(中小企業の場合)の実効税率がかかっています。実効税率で議論しないと意味がないと思います。納税者からすれば国税か地方税かは、どちらでもいいわけですから。

■赤字の繰越欠損ロールオーバーが10年に
→「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越期間、青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越期間及び連結欠損金の繰越期間を 10 年(現行9年)に延長する。」

■減価償却ルール変更
・減価償却については(中略)定額法への一本化
 定額法に一本化されるタイミングで建物の法定耐用年数が変更となれば不動産取引には大きな影響があります。税務上の耐用年数は減って、融資のときに使う法定耐用年数が増えるというのが一番よいパターンです。

■外国子会社からの配当で特定国を意識
・微妙な税率変更でどこか特定の国(中国か台湾あたり?)を意識した様子
「特定外国子会社等に該当することとされる著しく低い租税負担割合の基準(いわゆるトリガー税率)を 20%未満(現行 20%以下)に変更する」

証券投資&キャピタルフライトや税逃れの防止

■ジュニアNISA
 金額的にはどうでもいいが、早くから教育しておけば投資になじみが出るのかも

■マイナンバー
「マイナンバーが付された預貯金情報を税務調査において効率的に利用できるようにする」
つまり、銀行と証券の取引情報は国に監視されることに!?

■マイナンバーは海外口座も捕捉したい構え
「非居住者に係る金融口座情報の自動的交換のための報告制度の整備(国 税) (1)平成 29 年1月1日以後に銀行等の一定の金融機関(以下「報告金融機関」という。)との間でその国内にある営業所等を通じて預金又は貯金の受入れを内容とする契約の締結等の一定の取引(以下「特定取引」という。)を行う者は、その者(その者が一定の法人(以下「特定法人」という。)である場合における当該特定法人の支配者である個人を含む。)の氏名又は名称、住所(略)」

■REITの導管要件緩和
これ、REIT業界では前から問題になっていたやつです。じつはREITは当期税引き前利益の額を超えて配当を出すこともできるのです。
→「(12)投資法人法制の見直しを前提に、次の措置を講ずる。① 利益を超える金銭の分配の額のうち一時差異等調整引当額(仮称)の増加」

■国への資産明細提出が半ば義務化
「財産債務明細書について、次の見直しを行い、新たに、財産債務調書として整備する。(1)提出基準の見直し 現行の提出基準である「その年分の所得金額が2千万円超であること」に加え、「その年の 12 月 31 日において有する財産の価額の合計額が3億円以上であること、または、同日において有する国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の対象資産の価額の合計額が1億円以上であること」を提出基準とする。 」

(注)財産の評価については、原則として「時価」とする。ただし、「見積価額」とすることもできることとする。また、有価証券等については、取得価額の記載も要することとする。
国外財産調書と同様、財産債務調書の提出の有無等により、所得税又は相続税に係る過少申告加算税等を加減算する特例措置を講ずる。

盛りだくさんの地方活性化

■ふるさと納税ワンストップ特例制度
 また流行りそうですね。
 今回の税制改正では地方活性化をテーマとするものが目立ちます。地方で土木工事を減らすには、それに代わる何らかの仕事がなければ経済的に成立しないということでしょう。

■地域再生法の地方拠点強化実施計画(仮称)
 地方に1,000万円以上の不動産を買って本社などとして使うことに優遇措置の様子。
「その地方拠点強化実施計画に記載された建物及びその附属設備並びに構築物で、一定の規模以上のものの取得等をして、その事業の用に供した場合には、その取得価額の15%(略
)の特別償却とその取得価額の2%(略)の税額控除との選択適用

■地方でもユニバーサルサービス継続
「日本郵便株式会社等に係る税制上の措置については、郵政事業のユニバーサルサービスの安定的確保のために必要な措置の実現に向けた検討とともに、引き続き所要の検討を行う。」

税金を払っていない外資から税金を取る措置

■対アマゾン?
儲かってる大企業なのだから消費税くらい払いましょう!
アマゾンによれば「Amazon.co.jp が販売するKindle本(電子書籍)、デジタルミュージック、アプリストア商品および一部のPCソフト&ゲームダウンロード商品には、消費税は課税されません。」
→「電子書籍・音楽・広告の配信等の電気通信回線を介して行われる役務の提供を「電気通信役務の提供」(仮称。以下同じ。)と位置付け、内外判定基準を役務の提供に係る事務所等の所在地から、役務の提供を受ける者の住所地等に見直す。 」

■対国際回線からコールバックすることで消費税を免れているIP電話事業者
これは最初に考えた人は賢いですが、日本ではこのようなチートはすぐにふさがれます。
「課税方式の見直し(事業者向け電気通信役務の提供(仮称。以下同じ。)に対するリバースチャージ方式の導入)(略)その取引に係る消費税の納税義務を役務の提供を受ける事業者に転換する(リバースチャージ方式の導入)。

消費税10%に増税

■確実に実施(´・ω・)キリッ
→「平成 29 年4月の消費税率 10%への引上げは、「景気判断条項」を付さずに確実に実施」