2014/12/12

キャピタルフライトの取材に対して作ったメモ

個人的には富裕層のキャピタルフライトというのは、それほど頻繁に行われている気はしていません。
しかし、これから英語ができる人が増えたり、日本の経済が悪くなったり、増税があったり・・
海外に資産ごと持っていこうとする人は増えるかもしれません。

私は海外に資産を移す予定は、今のところありませんが、
不動産は万が一の時に持って逃げられないので流動性のある金融資産は持っておくべきとの認識です。
海外事情を常に知っておくことは重要だと思います。

キャピタルフライト4つのタイプ

総じて
・資産だけ海外に移して税金を払わないのは脱税
・合法的に移すには海外に引っ越さなければならない(ビザや生活の問題あり)
・言語や生活習慣の壁もあり、税逃れ目的で気軽に海外に移住する人は少ない
・生活防衛のために知識としては知っておきたいと考えている人は多い
・東京五輪とアベノミクスで近年は日本回帰の考え方
・FXで食べている人、原発事故からの逃避先として東南アジアはたまに聞く
・ビジネスで稼いだ大口の資産家は日本でビジネスに忙しいので逃避できない

重要なキーワード

・居住者、非居住者
・オフショア
・パーマネントトラベラー、ノマド
・国外財産調書制度

1.サラリーマン投資家

数百万円単位の個人。旅行の延長感覚で海外の銀行に口座を開く。

「黄金の扉を開ける賢者の海外投資術 至高の銀行・証券会社編」(ダイヤモンド社)2008年、「HSBC香港でしっかり儲ける投資術」(日本実業出版社)2012年のような書籍が流行。

景気の悪い時期であったため、日本経済の沈没→個人資産の没収という連想もあり、数百万円程度で海外口座を開く人が増えた。香港口座を開設するためのツアーなども存在した。

日本よりも幾分、自由度の高い投資商品があったため日本では買えない商品を探すことを楽しみながら少額を投資。

しかし、近年では日本のネット証券で海外株やETFの取り扱いが増えたことから、商品性という意味での優位性はほとんどない。

個人資産の没収という点で見ても、キプロス危機などでもそうだったように、預貯金1,000万円以下は基本的に国家保護の対象。このような生活資金を没収してしまっては日常生活、貨幣制度が成り立たない。現実的には、数百万円程度の現預金は安全であり海外に逃がす理由はない。

むしろ海外への渡航費、日本よりもいい加減な口座管理、死亡したときに相続の手続きが分からないなどの問題を考慮すると経済合理性はない。

近年では香港口座は日本の税務署に情報提供しているとの噂が広く広まり、シンガポールの方が人気が高い。

以前は日本では買えないドバイの市場に投資するブームもあり。マックシャラフ証券が日本人担当者を雇っていたことも(現在は廃業)

→あくまで海外旅行と投資を結びつけるための「楽しみ」として行うもの。お得感のあるオフショアを使って他に差をつけてみたい。

このような客層は、管理の手間ばかりかかるため香港でも歓迎されていない。香港HSBCプライベートバンクの最低預入金は5億円

2.セミリタイヤした数億円の投資家

会社をM&Aで売却した、ストックオプションでの利益を得たなどの理由で数億円を保有する資産家。そのうち、すでに事業の一線から離れた人たち

マレーシアや東南アジアなど居住ビザを取得しやすく物価の安い国に移住を試みるも、
・子どもの教育面(日本語がおかしくなる。日本の方がレベルが高い)
・環境面(ビジネス的な友達ができにくくつまらない)
・物価は安くない(日本と同じ生活水準を保つには日本以上に金がかかる)
・やることがない
などの理由で2-3年で帰ってくる人が多い

原発事故以降は移住者は増えたが、やはり日本が良いと考え戻ってくる

パーマネントトラベラーやノマドと言われる、定住地を持たずに世界を転々としている人もいなくはないが、知り合いにはいない。アフィリエイト広告など一人でネットだけでできて、少しグレーなビジネスの経営者は、このようなライフスタイルを実践or目標としている人が多い。多くは独身で若い人。若いうちは海外で楽しみ将来の定住先は日本だと思われる。

3.金融系投資家のシンガポール移住

FXや株取引で生計を立てている人、PAMなど個人相手のファンドを運営している人は、
国内で生活していると数千万円単位で日本に税金を納めなければならない。

シンガポールは株やFX取引の利益に税金がかからないため、税金目的で移住するケースもある。若くて頭のいい人が多い。

海外に預金を置いておくだけでは申告義務がないことを逆手にとって、利子のつかない当座預金を担保にして、別口座(隠し口座)に融資をして投資をさせることもあるが、取引手数料は高い

4.相続対策

創業一族などは、自社株を相続させるために相続税のかからない国の居住者となることがあったが、武富士事件以降は国税の目が厳しい

上場企業の社長がほとんどであるため、レピュテーションを考えると脱税まがいの行為はやりにくい

国外財産5000万円以上に申告義務ができ、違反には禁固刑が定められたこともキャピタルフライトの敬遠材料

本年に国税が富裕層対策チームを作ったとの報道あり