いまのゴルディロックス(熱すぎず冷たすぎもしない日本経済)の終焉として考えられるのは、
こんなシナリオではないでしょうか。
マイナス金利の利益低下を埋めるために、ALM(Asset – Liability Management)を無視してリスクをとった弱小金融機関が破綻する。
いまの貸出金利には、貸倒れリスクの将来的な上昇や金利上昇リスクという、見えないコストが織り込まれていないので、
これらが具現化したときに金融機関は営業赤字になってしまうのです。
①マイナス金利の弊害
金融機関は過去の低い貸倒想定率をもとに収益を予測
金利が半分になってしまったので2倍を貸し出してプラマイゼロに!の社内号令
薄利多売で融資を出す
そうしないと営業固定費を回収できないほどの低金利(営業費用が無駄に多いという問題はともかく)
計算上は儲かるはずだった
②事件発生
たとえば、過度の円高、米国債を大量保有している金融機関が米国利上げで評価損、海外要因インシデント発生
もしくは、日本の長期金利の水準訂正で債券価格が(少しだけとはいえ)下落
日本企業の収益が再び悪くなる
③貸し倒れ増加
低貸倒率の前提だから低金利でも採算が取れるはずだったが当てが外れる
引当金を再度積み増し
④金融機関の赤字
金融機関は大赤字
一部の金融機関で自己資本が足りないことが露呈
マイナーな地銀か信金が破綻で緊張感UP
⑤市場への悪影響
金融株を中心に株価下落
融資も出さなくなり不動産下落
消費税増税を再度延期
⑥けどまあ意外にパニックにはならない
この状況でもマイナス金利は解除されることはなく、凍結されたまま。
日銀が国債を買い集め長短金利ともに低位誘導するのも変わらない。
状況がまずくなれば円安になって(1ヶ月で150円まで進むとか急激でなければ)また企業業績が回復!?と見ているため。