2017/12/27

個人投資家は何を考えて投資をし、利益を何に使うのか

投資はお金のためにやっているとは限らない

「個人投資家は何を考えて投資をし、利益を何に使うのか」
これは、飲み会などで最も多く聞かれる質問である。
そして、その答えは、多くの人が予想するものとは大幅にことなる。

私も「儲けようと思って投資に取り組んだことはあまりない」と言ったら驚かれたことがある。
「じゃあ、何のためにやってるの?」と言いたいのだと思うが、

個人投資家のなかでも、飛び抜けていい成績を上げているような人々は
「儲けるために投資をしている」とか「お金が好き」という人は、あまり多くないと思う。

では、まったく我々は何のために投資をしているのだろうか。
その目的を理解するには、こう考えてみたらどうだろうか。

Excelの味を味わう人たち

話は少し変わるが、Excelというソフトがある。
これは誰がどう見ても仕事を早く終わらせるためのツールであり、なーんにも面白いソフトではない。

しかし、世の中にはExcelマニアのような人もいる。
仕事で使うわけでもないのに、パズルを解くように難解な関数を組み合わせて、いろんな課題を解いて楽しんでいる人たちだ。

さて、Excelマニアは何が楽しくて、飲みにも行かず、うまいものも食べずにExcelばかり、いじっているのか。
彼はいったい何を考えているのだろうか。

多くの人は、仕事のデータ処理をするために「Excelをどう使えば、その業務が最短で終わるのか」を考えるのに対して、
マニアの行動パターンは(私も含めて)おそらくこういうものだ。

関数の一覧を見て面白そうなものを全部試す。一通りすべての機能を使ってみる。面白いアドインがないかを調べてみる。

そこには目的はないわけだ。「なんとなく面白そうだからやってみよう」というだけなのだ。

だが、その軽い気持ちで取り組んだExcelの研究成果は仕事でも生かせる。そのため、仕事の処理速度は、あり得ないほど速い。
オラクルマスターやテータベースエンジニアよりもExcel屋のほうが、良い仕事をする。

しかし、それは驚くことではない。
仕事で食っていくために仕方なくデータベースをいじっている「プロ」と、三度の飯よりもExcelが好きという趣味人の情熱。
どちらが強いかといえば、言わずもがなである。

儲からないのに数学に没頭する人たち

一般の人にも分かりやすくいえば、
数学や哲学って何の役に立つの?そんなの勉強して、いくら儲かるの?就職できるの?結婚できるの?
みたいなのと同じである。

数学者からすれば「数学ってのは、そういうもんじゃないんだよー」「いいの。役に立たなくても!」
という感じだと思う。(なお、私は数学にはあまり興味はない)

このような人が一定数いるのは、なんとなくご理解頂けると思う。
これが投資ならどうなるかを想像してみればいい。

個人投資家の考え方

たとえば、「みずほ銀行の社債ってのが利回りいいらしいから買ったら?」という話しがあれば、
「へー、じゃあ、よくわかんないけど、店員さんが親切だから、それ買うわ」という投資家はいなくて、
「へー、みずほがあるってことは、三菱もあるの?三井も?りそなも?どう違うの?もしかして、米国や欧州にもあるの?じゃあ、全部見てみたい!」
という感じなのである。

その結果、最初にみずほを紹介してくれた友人よりも、こっちのほうが詳しくなる。社債のことならなんでも聞いてくれ。みたいなことは日常茶飯事である。
※現在、みずほの社債は良くない。たとえばの話し。

株の投資家などは、忘年会で鍋をつつきながら四季報をめくっているような人が多数である。
そして、四季報を読みすぎて、四季報は擦り切れ、手垢まみれで、表紙は色落ちしている。

彼らは、雰囲気的にはパソコンオタクやアイドルオタクと同じである。
だから、好きなことを研究していたら、結果として収益が上がった。というだけである(まあ、いい意味でね)
一方、哲学マニアは運悪く、興味の方向性が金を生むジャンルではなかったというだけだ。

彼らは、好きな投資をさらに研究して、もっと知りたい。もっとうまくやりたい。と思っているだけである。

それは、ゲームをやっている感覚であったり、アイドルの生年月日をすべて暗記して楽しむ、みたいな感覚であろう。
ゲームやアイドルを探求しても収益につながらないことは多いが、投資の場合は、その結果、収益が上がったりもする。
(ゲームやアイドルですらも本当に突き詰めて取り組んでいる人は儲かっていたりする)

なお、ここまで読んで、「あー、やっぱゲーム感覚なんだねー」という理解をして満足した人がいたら、それは投資家には向いていない。
投資家であれば、そのような、世間のコンセンサスに従った表面的な理解に流されず、
本質は何なのか、この記事で著者が本当に言いたいことは何なのかを探るべきだ。

投資家は上がった収益を何に使うのか

ここから先は多くの人が理解に苦しむ点だが、
投資の研究が好きすぎて、その成果物であるはずの、お金にすら興味がない人も多数いる。

本末転倒のようなお金の使い方をする人もいるし、何億あっても10円にうるさかったり、
究極的には「株の売買手数料を払うのがもったいないから、買った株を売りたくない」という偏屈な人もいる。

私生活もこんな考え方の延長なので、
すごい投資家(や事業家)は、人としての人格はダメなやつが多い。ダメというレベルではなく人格障害に近い人も多数。
基本的な方向性として、天才と障害は同じベクトルなのではないかという気すらする。
でも、みんな頭が良いので、ダメさがすぐには分からない、ポーカーフェイスの人もいる。

さて、そんな彼らも人間なので、まったくお金を使わないわけではない。

何にお金を使っているのかといえば「次の投資に使っている」というのが正しい。
そして、投資はゴルフと同じく「一生遊べるスポーツ」なので、一生、現役投資家である。

それ故に、投資の利益で投資を拡大させるのが趣味であり、娯楽であるため、それを最大限に楽しみ、
消費性のお金を使わないで死んでいく個人投資家もいる。

投資家に向いている性格

このくらいバランス感覚が欠如していて何かに没頭できる人でないと、投資の達人にはならないと思う。
「ちょっと変だね。変わってるね。」「すごいね。」と言われる人が個人投資家に向いている。

一方、「優秀だね。」と言われる人は向いていないと思う。
「バランス感覚がいいね!」など言われたら投資家として失格である。

あとは、ウルティマオンライン、パチスロを極めた人は、投資の世界でも多くの人が成功している。
世界的にいえば、テキサス・ホールデムのプレイヤーは投資家と同じ人種だ。
最近だと、リーグ・オブ・レジェンドとかも?(なお、私はいずれもやったことがない)

その考え方を辿れば、
国際分散ポートフォリオなどを組んで、幅広く株、債券、不動産などいろいろなものに投資するような人もいるはずがない。
(そういうことをするのは個人投資家ではなくて単なる金持ちである)
個人投資家は得意な分野で一点張りばかりである。多分、彼らの人生それ自体が一点張りなのだと思う。

私には投資家の素質があるのか

私には投資家の素質はないと思う。
ほとんどの人の予想に反して、私は基本的に博打は打たないし、統計的なルールを見つけるのはうまくない。

そして、私は不動産の投資家には、もっとも向いていないと思う。
私は不動産がまったく好きではないし、興味もない。生活の糧を得るために業務としてやっているだけだ。やめていいならいつでもやめる。
今までの話しの流れからすれば向いていないことは理解できると思う。
(近年はマクロ経済について調べていた。そのため、自分は不動産に賭けているのではなく量的緩和の行く末に賭けていると思っている)

じゃあ、私は何なのだ。といえば、
自分でいうのもあれだが、平均以上に優秀な研究者であり分析者ではあると思う。

また、それなりのクオリティで納品物を作り続けられるビジネス・パーソンでもあるはずだ(これは自分に厳しい人なら誰でもできる)
しかし、残念なことに、世界を変えるほどの天才ではない。