2018/07/12

フルローンと補助金で始める近代農業

フルローンで始めよう!大規模トマト農場

初期投資

・土地代金
面積3,000坪=土地の売買価格1,000~1,500万円?

・建物代金
園芸設備(温室ハウス等)=設備費用は坪20万前後が相場で6億円。だがうち50%は農林水産省の「強い農業づくり交付金」の補助金がもらえる。残り50%は政策金融公庫で借入可能でフルローンで開始できる可能性。(スーパーL資金?農業経営基盤強化資金?)公庫の利率は0.2%以下と思われる。公庫なのでノンリコかもしれない(?)
認定農業者となり事業計画を提出の必要があるが代行してくれる人はいる様子。

売上げ

3,000坪では年間500トンのトマト収穫。
公設市場などに出せば300円/キロだがスーパーマーケットの小売りでは600円/キロで売られている。
300円/キロで出荷したとしても1.5億円の売り上げ
路上販売(本来はグレー)楽天や直契約した小売りスーパー、飲食店などに高く買い取ってもらうのがポイントで営業が重要とのこと

※作った分の全量をJAに買い取らせるには、作り方から何からいろいろな規定があり、トマトなら何でも買ってくれるわけではないようです。近代的な手法で作ったトマトは自分で売りさばくしかない様子。

オペレーション経費

・人件費 正社員2名、収穫パート 20名=5,000万円
・燃料 2,000万円
・肥料、人工培地(毎年交換ロックウール) 1,000万円++
・その他 詳しくは不明
・減価償却はならすと10年程度(補助金3億で買った設備は償却できず経費にならない)、年間の減価償却3,000万円程度
・公設市場で売ると全国一律で8.5%の手数料がかかる

最終的な利益

1.5億-直接経費=NOI 4,000万円程度?(ROAは6.6%だが、実際は半分が助成金なのでROE=13%?)
減価償却を引くと税引前1,000万円程度?

運用面

・収穫ボラティリティへの対応
直販で店舗と固定供給契約をする場合、野菜価格が高騰しても固定買取契約の安い価格で買われてしまい、野菜が暴落すれば、固定買取契約にかかわらず安くしろと言われる。数量の約束しなければならないため、不作の時は同等品種を市場で高く買って納品しなければならない

・納品先との調整
相手先により納品仕様が異なり、袋詰めで納品しろ、指定の箱に入れろ、ラベルを貼り付けろ、など出荷に際して人件費がかかる

・区分で投資家にリスク転嫁
畑を区分化してクラウドファンディングのようなものに出す(アイデアはいいが利益が出ないことが分かれば引き揚げられてしまう)

結論

・設備費用が重い
安定した売上げが上がるとするならば、設備を償却したあとは安定収益が見込める。地方の高齢農耕者が利益を出せているのはそれが理由。→農業を引退する人から土地と設備ごとフルローン+補助金で買い取りが適切か(ある意味ディストレスト)

・設備を園芸先進国オランダや激安中国アリババなどから輸入できないか
適当な建築資材を輸入して観光ビザで建築作業員を呼び寄せて作らせることは物理的にはできるかもだが、温室は建築物なので建築確認や役所との折衝を考えると日本の高い業者を挟まざるを得ない

・ディストレストの探し方
トマト農家の平均年齢は65歳である。廃業予定の人と新規参入者を引き合わせる系のポータルサービスは存在しない様子。土着の農家なので廃業を高らかに宣言してブローカーに売却情報を提供する文化ではない。

・栽培品種の選定
小規模すぎると固定費がペイしない。大規模過ぎるとイオンなどすでに販路を持っている大企業と競合する。
ニッチな作物がいいのではないか。高級フルーツなどは作るのが難しいが栽培数量が少なくて済むので人件費がかからない。

・業界全体の問題
新規設備を買って参入した人は設備費用が重く、誰も儲かっていない。LED+水耕で葉っぱを育てる系は最も儲からないらしい。